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218話

「ルドルフ兄、久しぶり。」

「おぉアレクよく来たな、母上から聞いてここに来たんだろう。」

「そうなんですよ。シルバーウルフを4頭用意しろって言われました。」

「実はなここだけの話にしてもらいたいんだが、アレクは秘密を守れるか。」

ルドルフの真剣な表情にアレクは唾を飲み込む。ゴクリ。

「はい秘密は守ります。」

「今、母上は赤ちゃんを育てている。」

「えええーーーー。」

「馬鹿、声が大きい。」

「す、すいません、驚き過ぎて記憶が飛びました。もう一度お願いします。」

「母上と父上が赤ん坊を連れてきたのだ。これからうちの子になるからと紹介されたのだ。」

「何だそうでしたか。びっくりしました。母上が子供を産んだと思いました。」

「アレク、子供を連れてきて育てるのだぞ、一大事だろう。」

「ルドルフ兄、私の所にも新しい子供が二人増えていますよ。何も問題にもなりませんよ。ただ家族が増えるだけです。」

「そ、そうだな、ただ家族が増えるだけだな。」



アレクはルドルフとシルバーウルフを後日送る事を約束していた。アレクはたまにはマリアとイリアにも会っていこうと思い二人の執務室をのぞいてみる。マリアしかいなかったがアレクが行くと歓迎してくれた。

「マリア姉、リア銀が凄いですね。」

「何言っているのよ、SE銀行はリア銀のライバルよ。」

「えっ、そうなんですか、家は負けっぱなしですよ。」

「違うわよ、たまたま競り勝っただけよ、かち合えば五分五分の勝負をしているわよ。」

「あっそうだ。マリア姉、新大陸を見つけたんですよ。交易が始まりましたらリア銀の支店をお願いしますね。」

「あんた凄い事をさらっというわね。他に何かないの。」

「ではとっておきのもうけ話をしましょう。新大陸とアース大陸の間に国が2,3個ぐらい入りそうな大きな島も発見しました、その島は色々な種族が住んで居るようですが各部落で暮らしています。国という概念がありません。うちのテルセがそこの空いている場所を開拓します。アース大陸、タンドラ大陸、新大陸の中継地点として開発しますのでこれから交易の中心地になるかもしれませんよ。」

「凄い事ね。また経済圏が広がるわ。」

「そうなるでしょうね。」

「アレク、私は戦争行為を推奨出来ないけど、速くこの大陸を一つにまとめなさい。経済の観点からだけど、オリオン王国連合とそうでない国の格差が開きすぎてるわ。この格差が解消できればこの大陸はもっと良くなるわ。」

「そうですね、王国連合は豊かです。SEオリオン王国の隣国には鎖国をしていた国もありました。何とか他の国々も豊かな暮らしをさせたいですね。」

「そうよ、王族のエゴだけど民を豊かにするために戦いなさい。」

「もしかしてですが、マリア姉とイリア姉は世界の経済支配をねらっていませんか。」

「・・・・・・・・・」

「やっぱりそうですか、私から一言いいますよ。世界を経済的に支配する事は何年かは可能でしょう。ですが永久に支配は出来ません。それよりも経済が破綻しないようなシステムと誘導できる力が必要なんです。オリオン王国連合のオリオン王国が盟主として最強国家であり続ければ可能でしょう。ですからオリオン王国はいつも圧倒的な力が無ければなりません。そうしないと各国がバラバラな動きをして欲望の赴くままに戦争をしていきますよ。」

「なら早く統一しなさい。そうすれば私たちが経済を支えていくわ。」

「頑張りますよ、マリア姉とイリア姉の二人が世界の影の支配者になるためにね。」

「ふふふっ。アレク頼んだわよ。楽しみだわ、みんなが幸せになれる世界があればいいわね。」

「取りあえずはオリオン王国連合の幸せな人々を増やしましょう。」

「そうね、でも融資の審査は変わらないわ。」

「ま、まぁそれはそうでしょう。」



アレクはマリア姉との話でSEオリオン王国の隣国で鎖国をしていた国の事を思い出した。その後の動きが気になりSEオリオンまで戻る事にした。



「センドリー宰相、その後の鎖国をしていたケルン王国はどうなった。」

「その事ですがケルン王国はまだ鎖国を解いてはいませんがSEオリオン王国とは取引しています。」

「ケルン王国の内情はどうなのだ。民は暮らして行けているのか。」

「はい、何とか食べることは出来ているようです。あそこはSEオリオン王国と同じで水が豊富にあります。麦より効率の良い米の栽培ですから同じ広さでも収穫量が違います。」

「ケルン王国は米が主食の国なのか。」

「そうですな、ケルン王国だけではありません。南部大陸の南部地域は米を主食にする国が多いですな。とくに運河沿いの国は米を作っています。」

「SEオリオンも出来るだけの事をしてやれ、隣国が貧しくなるとSEオリオン王国が被害を受けるからな。悪化する前に支援が出来ればSEオリオン王国への被害はあるまい。」

「さすがでございますな。陛下の深い考えに、臣は感服いたします。」

「世事はよせ、背中がむずがゆくなる。」

「いいえ誠の事です。」

「もういいよ、他に何かあるか。」

「そうですな、ケルン王国の話が出ましたが、ケルン王国の隣、SEオリオン王国としても隣国になりますが、王国連合に加わりたいと打診が来ています。」

「ほう、王国連合に入りたいか、いい話だな。」

「はい、ですが親グラムット帝国の国です。」

「微妙だな。」

「そうなんです、今はグラムット帝国との関係は良好です。まぁグラムット帝国が一方的に友好関係と言っているだけですが、いつ崩れるか分かりません。」

「そうだな私は後2,3年でこの関係は終わると思っている。」

「陛下は何か根拠をお持ちですか。」

「まぁ根拠という程のものではないが、グラムット帝国は魔通機等の魔法関係の商品を買い漁っている。これはグラムット帝国が魔法使いを大量に作るためだ、これは分かるな。」

「はいそれ以外は無いでしょう。」

「そうだもう何年も経っている。そろそろ戦闘員全体、いやそれ以上に浸透しているだろう。そして魔法の訓練も進んできているだろうな。後2,3年も経てばオリオン王国と戦える算段が付くだろう。」

「陛下はそう言い切るという事は、何か対策をお考えなのでしょうな。」

「宰相、今それを言ったら面白くないだろう。」

「さようですか。ですが少しぐらいは教えてくれてもいいではありませんか。」

「グラムット帝国へ販売許可を出している魔法はほとんどが初級魔法だ、グラムット帝国自身が研究しても良くて中級魔法が限界だろう。魔法でオリオン王国と戦争になってもグラムット帝国は勝てない。それはグラムット帝国自身も分かっているはずだ。だから友好などと言っているのだからな。多分だがグラムット帝国は他の手を考えている。その準備に後2,3年かかるのだろうよ。」

「私たちは陛下を信じてついていくだけですからな。すべてをお任せいたします。」

「・・・・・・・出来ればグラムット帝国とは戦争をしたくはないな。」

「さようですな。超大国との戦争は被害が桁違いになりそうです。」

「まぁなるべくグラムット帝国とは戦争にならない様にしたいな。」



アレクはこうはいったが必ずグラムット帝国とは戦争なると思っている。その対策は迷宮内で準備をしている。アレクはできれば使いたくないと思っている為にまだ誰にも言ってはいない。









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