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211話

「レリウス、ファーレス、オスカー降りてきなさーーーい。」

「「「はーーーーい。」」」

レリウス、ファーレス、オスカーの3人は帝都上空を飛び回っていた。最初は帝都民は驚き、パニックになったが、皇帝より今ドラゴンが帝国に5頭いる事が発表された。ドラドンライダーの訓練と通達があったために騒ぎは収まった。まさか乗っているのが子供とは城の者以外は知らない。



兄弟姉妹の中で最強はオスカーだとアレクは思っている。泣いて、喚いて、ウルウル攻撃、誰も敵わない。みんな撃沈されている。

今もどらちゃんを連れて帰ると駄々をこねている。アレクは仕方なくオスカーに帰ったらシルバードラゴンのプレゼントを約束する。そうなると黙っていないのが他の兄弟達だ。6人兄弟でシルバーウルフ2頭、ドラゴン3頭、一人分がいない。アレクはブロは自分のだとはいえなかった。アレクは子供たちと約束をした。帰ったら渡すから今は我慢するようにと伝える。オスカーはもうご機嫌である。エルティナにどらちゃんとお揃いの蝶ネクタイを貰い嬉しそうにしている。



数日後



「マリウス。いよいよだな。」

「はい少し緊張しています。」

「心配するな、自信を持て。」

ローエム帝国の城からドラゴン3頭が飛び立っていった。まだ昼間であったために多くの帝国民の目に留まった。帝国民は大歓声でマリウスを見送る。

マリウスはそのままゴールドドラゴンに乗りクロとどらちゃんと連なりイングリット王国を目指した。まずはイングリット王国に最も食い込んできているオーガルト軍を叩くようだ。オーガルト軍はイングリット王国王都までもう少しの位置まで迫っていた。数およそ4万である。マリウスはイングリット王国軍の立てこもる砦に降り立ち指揮官に伝える。

「ローエム帝国皇太子マリウスが敵軍を殲滅する。残敵は任せるぞ。」

「は、はっ。」

マリウスは再びドラゴンに飛び乗り敵軍に向かった。3頭のドラゴンは3方向に別れ、正面と両側から同時にブレスを放ち敵を殲滅していく。そのブレスは強力で、一吹きで敵が1000人以上死んでいく。炎に包まれて死んでいく者、毒に侵され死んでいくもの、又は雷電の息吹で瞬殺されている。

ドラゴンが2,3度のブレス攻撃をしたときには敵兵は我先にと逃げていた。マリウスは深追いはせずに次の目的地に飛び立っていた。




次の軍はブリジア王国軍である。ブリジア軍は総勢3万の軍である。先ほどの4万と大して変わらない。マリウスは先ほどと同じように3方向から敵軍に攻撃を加える。ドラゴンがブレスを放つと兵は死んで往く。この戦いにもならないこの戦闘はイングリット王国軍に活力を与えていた。ドラゴンが味方に付いた。この衝撃は大きかった。マリウスの攻撃が終わるとイングリット軍が残敵に向かい突入していく。取り残されている敵兵は何も出来ずに殺されていく。旋回して見ていたマリウスも、もう大丈夫と判断したのだろう。最後の敵軍に向けて飛び去っていく。



最後の敵軍はタイタン王国軍である。このタイタン軍はちょうどイングリット王国の砦を囲み攻撃中であった。これではドラゴンのブレスが放てない。味方を巻き込んでしまうからだ。マリウスは敵の真後ろに降り立ちドラゴン3頭と敵軍に突撃していった。マリウスの体は軽い、重力の影響がないような動きだ。剣を振り回し敵兵を瞬殺していく。続くドラゴンたちも鋭い爪と強靭な尻尾を振り回し敵兵をなぎ倒していく。その姿はイングリット軍への反撃の合図となり、砦の中で耐えていたイングリット軍は門を開き大攻勢に出ていた。後ろにドラゴン、前にはイングリット軍に挟まれたタイタン王国軍は何も出来ずに崩れ去っていった。兵は逃げまどうばかりで、もうまとまりが無くなっていた。マリウスは砦に降り立ちイングリット軍の指揮官と面会した。


「マリウス皇太子、ありがとうございます。イングリット王国は救われました。」

「イングリット王国はローエム帝国の盟友だ、助けに来るのは当たり前だ。」

「おおぉぉー、何というお言葉、ありがとうございます。」


マリウスはイングリット王国軍の指揮官にマリウスの考えを伝える。

オーガルト王国、ブリジア王国、タイタン王国。この3か国の内ブリジア王国はオーガルト王国とタイタン王国の間にある。しかも3か国の内一番の弱兵だ。マリウスは敵国の分断を目的として、イングリット軍にブリジア王国へ攻め登る事を提案する。イングリットも負けっぱなしは許せなかったのだろう。軍は承知した。3か所で防衛をしていたイングリット軍は各軍団から約半数を出し合いブリジア王国の攻略軍を編成していった。防衛に各6000を残して15000での侵攻となった。

マリウスは、ルービス王国へ行かなければならないが、向こうにはローエム帝国軍がいる、時間はあると判断をする。

イングリット王国軍はドラゴンの加護を信じているようだ。ドラゴンの前を通る兵たちはドラゴンを拝んでいく。マリウスは普段のドラゴンを見ているので何とも言えない気持ちになっていた。

普段のドラゴンは子供のおもちゃになっている。顔を引っ張られ、羽を引っ張られても耐えているヨチヨチ歩きの可愛いドラゴンである。だが今は凛々しい姿で兵たちを見守る龍神である。


マリウスはイングリット軍より一足先にブリジア王国王都をドラゴンで襲撃をした。王都民は逃げまどい、兵たちまで逃げていった。マリウスは王都に攻撃はしなかった、ただ王都を低空で飛んでいただけであったが、効果はあったようだ。

マリウスは、近くの都市にも同じことを何度か繰り返してブリジア王国を翻弄していった。イングリット王国軍はそんなブリジア王国へ抵抗もなく侵攻していき、各地を攻略していった。王都にたどり着いたイングリット王国軍はブリジア王都がほぼ無人なっていることに驚きはなかった。イングリットでもドラゴンが襲来すれば同じことになっていたと思うからだ。



マリウスはルービス王国上空を飛んでいた。ローエム帝国軍はシリレア王国とカレラ王国内に深く入りこんでいるようだ。

マリウスは夜になったためにルービス王国王都に降りた。ルービス王国王家はマリウスを大歓迎をして迎えた。マリウスは歓迎の宴もそこそこに切り上げ、ルービス王国王と軍幹部に今後の事を伝える。


イングリット王国を侵略していた3か国は退けて、今は逆侵攻している事。そのうちのブリジア王国はもう瓦解している事。明日、シリレア王国軍とカレラ王国軍を殲滅することを伝える。ルービス王国は信じられないような話であったが、アレクスの名前が出ると納得していた。それにドラゴンを3頭も連れているマリウスがいるのだ、信じない方がおかしいだろう。


翌日、マリウスはドラゴンと共に飛び立ち、ローエム帝国軍を探す。上空から探すとすぐに見つける事が出来た。マリウスはローエム帝国軍の上空を旋回しながら降りていった。ローエム帝国軍も見た事のあるドラゴンであったために辛うじてパニックにはならなかった。

マリウスが来たことに軍の幹部たちは驚いたが状況が状況の為、理解をしていた。マリウスは軍に残敵処理を頼み敵軍に向かうことにした。シリレア王国軍は逃げる事に徹していたが、ドラゴンとではスピードが違い兵たちはブレスの餌食になっていった。2,3、度のブレス攻撃で逃げた敵軍をローエム帝国軍に任せ、マリウスはカレラ王国へ向かう。カレラ王国でもローエム帝国軍を見つけ同じく伝え、カレラ王国軍を蹴散らしていった。

マリウスはカレラ王国が最後の敵であるため念入りに攻撃を加えていった。戦後の交渉を有利に運ぶためと、ドラゴンの恐怖を植え付けるためである。


ドラゴンの恐怖はカレラ王国に染み付いたようだ。もう逆らう気持ちさえないようだ。民には手出しをしなかったマリウスも軍の施設や砦を破壊して回った。

カレラ王国の防衛力は無くなった。どこからでも出入りが出来るようになっていた、国境の検問所さえなくなっていた。


カレラ王国は侵攻してきたローエム帝国軍に降伏をした。


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