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210話

ローエム帝国帝都



「ミル姉様。」

「エル久しぶりね、会いたかったわ。」

二人は抱き合って喜んでいる。子供たちは二人を見上げて笑っている。それも5秒と持たなかった。子供たちは周りをキョロキョロしだして、フラフラと周りに散らばっていきそうなのを勘づいた家臣たちは素早く子供たちを纏めていた。

流石に慣れたものである。アレクは感心してしまった。


アレク達はローエム帝国での滞在はオリオン王国公爵邸だが、先に家族全員で城に挨拶に来ていたのである。マリウスとエルティナの二人の子供の為にアレクはスキル玉をお祝いとして渡した。スキル玉の効果を説明するとともに、成人近くになってからでないと使えないスキル玉も含まれていた。間違わないように色分けをしており、マリウスから物凄く感謝をされていた。マリウスも以前アレクからスキル玉を貰い能力向上が出来たからだ。アレクは兄弟だから必要ならいつでも言うように伝え、又感謝されていた。

ミルたち家族はみんなでワイワイやっている。アレクとマリウスは宰相のカトリーヌに会談をすることになっている為に別行動となった。

「いいか、お城は働いている人が大勢いるから、お行儀よくしているんだぞ。」

「「「「はーーい。」」」


アレクはマリウスと戦争の状況を聞いてみる。

「マリウス、戦況はどうなんだ。」

「レオン殿の予想通りでイングリット側3か国が宣戦布告をしてきました。ノースオリオン側を入れると6か国が相手になります。さすがに多すぎです。今はルービス王国側のシリレア王国とカレラ王国の2か国を相手するだけでいっぱいです。」

「まぁそうだろうな。」

「ですが今回はオリオン王国の手助けは要りません。ローエム帝国は北部の雄としての存在を示さなければなりません。」

「分かっているさ。」

「でも心配をしていただきありがとうございます。」


歩きながら話をしていた二人はカトリーヌ宰相の執務室に入っていく。


「宰相閣下、お久しぶりです。」

「まぁ、アレクス殿。態々お越しいただきありがとう。エルも喜んでいたでしょう。」

「あの姉妹は仲がいいですから。久しぶりに会って楽しそうでした。」

「そう、良かったわ。ではアレクス殿本題に入りましょうか。」


アレク、マリウス、カトリーヌの3者は今の戦争について語り合っていた。アレクに戦況の説明と今後の方針を話し、アドバイスをもらうためだ。ローエム帝国へ宣戦布告をしてきた国は5か国。西側でシリレア王国、カレラ王国、東側でタイタン王国、ブリジア王国、オーガルト王国である。この3国はイングリット王国と国境が接している。ノースオリオン王国の北に位置するハルノール王国はローエム帝国には宣戦布告はしていない、ノースオリオンにも宣戦布告もしていないが、国境に軍を待機させている状況だ。情報ではノースオリオン王国にのみ宣戦布告をするようだ。ローエム帝国は西2か国と東3か国と相手にする事になる。ノースオリオン王国も、ハルノール王国が戦争に加わるとウェルソン王国も防衛してやる事になるためにローエム帝国へは加勢は出来ない。ハルノール王国はそのことが分かっている為に積極的には攻め込んでは来ないだろう。あくまでノースオリオン軍へけん制を目的とした動きのようだ。


「そうですか、ローエム帝国としては打開策はありますか。」

カトリーヌはマリウスを見る。

「アレク兄さん。ローエム帝国としてはまず西側の2か国を叩き、それから東の3か国に当たるしか方法がありません。戦力の分散をしてしまえば負けてしまいます。」

「そうだろうね。いくらローエム帝国が大国でも一度に5か国を相手にするのはきついだろうね。」

「そうです、イングリット王国には防衛に専念してもらい耐えてもらうしかありません。」

「マリウス、それではイングリット王国は持たないだろうね。」

「・・・・・・」

「シリレア王国とカレラ王国はどんどん奥に逃げ込みまともに戦いになっていないだろう。相手はローエム軍が東に移動するのを待っているからね。イングリット王国が侵略されればローエム帝国としては軍をイングリット王国に移動する事になる。そこを追撃するのだろう。」

「そうです。そうなる公算が高いです。」

「このままなら負けるぞ。そこで一つアドバイスをしてやる。今の軍をそのままにして敵を潰せ。西側だけなら問題なく勝てるだろう。そして東側はマリウスお前が一人で当たれ。」

「えええーーー。む、無理ですよー。アレク兄さんではないんですから。」

カトリーヌも同意している、さすがにマリウス一人で3か国は無理だろう。いや3か国どころ一軍相手でも

敵わないだろう。多少は強くなってはいるが一軍相手に出来るほどではない。アレク、カインとは根本が違うのだ。

「言い方が悪かったな、人はマリウス一人だ。」

「えっ、他に誰がいるのですか。人以外が戦争は出来ません。」

「ローエム帝国にはドラゴンがいるだろう。ゴールドドラゴン、黒いドラゴンとシルバードラゴンのどらちゃん。」

「あっ、ドラゴンで3か国を相手にするのですね。」

「そうだ、ドラゴンは言うことは聞くが自分では判断をしない、特に戦闘は誰かが命令を出さなければならない。だからマリウスお前がドラゴンに乗り一人で敵を殲滅するんだ。」

「僕に出来るでしょうか、あまり戦ったことが無いのですよ。」

「心配するな、これをやろう。」

アレクはマリウスに数個のスキル玉を渡した。そのスキル玉は、身体強化、並行思考、そして能力向上のスキル玉である。

アレクはマリウスに説明をしていく。身体強化はドラゴンから落ちても死ぬ事のないように、並行思考は3頭同時に命令を出すために必要である事。能力向上は、マリウスの安全の為である。万一敵のど真ん中に落ちても生きて帰れるように能力を上げておこうとしたのだ。

ドラゴンなら移動速度も違うので各個撃破をして3か国を壊滅させることが出来る。明日からはマリウスにドラゴンの乗り方等を訓練していく事となった。

「アレク兄さん、よろしくお願いいたします。」

「まかせろ。マリウスもこれでドラゴンライダーだな。」



そして翌日から、マリウスのドラゴンライダーとしての訓練が始まった。これがいけなかった。子供たちも見学に来ていたのだ。子供たちは大興奮、自分たちもドラゴンライダーになると大騒ぎになった。レリウスとファーレスの二人はロンとシロの2頭に乗り込み空を飛び回ってしまった。不貞腐れたのがオスカーである。ウルウルした目でアレクを見つめる。アレクは頑張って無視をしていた。オスカーは作戦を変えミルとエルにターゲットを変えた。まだドラゴンはいる。2頭余っているのだ。オスカーはいい子だから一度だけ乗ってみたいと。いい子アピールで攻めている。ミルとエルはドラゴンが言うことを聞くことを知っている。オスカーの勝利である。オスカーはエルのどらちゃんを借りて大空に舞い上がった。ドラゴンの中でどらちゃんがなぜか一番なのだ。他のドラゴンはどらちゃんに従うのだ。


マリウスの訓練はお座成りになっていたが、一通りの訓練は終了した。後はドラゴンで敵軍を攻めるだけとなった。


敵軍の位置と戦況に出撃していく事になり、戦況を確かめていた。




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