204話
アレクは久しぶりに迷宮都市に戻ってきた。
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
「あれ、子供たちは。」
「外で遊んでいますよ。もうすぐ帰ってきます。」
「そうか、なら仕方ないかな。」
アレクは少し寂しい気持になっていた。いつも帰ると子供が待ち構えていてくれたのに今回はいなかった。
「ミル、レリウスとマリアーヌはどうだい慣れたかい。」
「はいもううちの子ですよ。」
「そうかよかった。」
「アレク、レリウスとマリアーヌの将来の事はきちんと考えてやってくださいね。」
「ああ大丈夫だよ。きちんと考えている。」
「よかった。フフフ。少し心配してましたの。」
「大丈夫だよ。あっそうだルドルフ兄の子供たちが遊びに来ると言っていたな。来たら頼むよ。」
「そうですか、あの子たちもこの村が大好きなようですからね。」
「そんなに頻繁に来ているのか。」
「ええご兄弟の方たちが入れ替わり来ていますよ。」
「そ、そうなのか。」
「あーー、父上だーー。父上ただいまーーー。」
「お帰り。」
「レリウス兄ちゃん、オスカー、父上に魔法を教えてもらおうよ。」
「あ、あ、あのう父上お、お願いします。」
「レリウス訓練はきついぞ、頑張れよ。明日からみんなで訓練だな。」
「はい、お願いします。」
「父上、僕ファイヤーボールが出来るんだ。」
「おお凄いな、オスカーはいい子だな。」
アレクはレリウス、ファーレス、オスカーの3人に魔法の使い方を教えていく。
3人は真剣に魔法を習っている、何やら3人は迷宮で冒険者をするつもりのようだ。アレクは1年間修業をする事。その後にアレクと一緒に迷宮に行く事になった。
アレクは身体強化を中心に教えていく。体が強くならなければ魔法が使えてもいざという時に使い物にならないからだ。
「レリウス、ファーレス、オスカーお前たちに剣と槍の先生を探してやる。」
「ええーー。父上じゃないの。」
「私は、ここにいないときがあるからな、毎日訓練できる方がいいだろう。」
「んーー。でも父上がいるときは父上が教えてくれる。」
「ああいいぞ。」
「うん、それなら先生に教えてもらうよ。」
「レリウスもオスカーもそれでいいな。」
「「はい。」」
SEオリオン王国
「アルツ、人材を確保してくれ。」
「アレクス様、簡単に言いますが無理です。」
「・・・・分かっているが何とかしてくれよ。」
「アレクス様、どれほど急激に国が大きくなっているかお判りですか。」
「・・・・・」
「このSEオリオン王国だけでも4倍になっているのです、そして別大陸ですか。ハーーー。」
「まぁ、頼むよ。人がいないんだ。管理が出来る人がほしい、探してくれ。」
「ヘレンもエンリケもボアンももう手一杯ですからね。」
「あ、シルビアを呼び戻すか。」
「シルビアは迷宮都市を事実上管理していますから無理です。」
「そ、そうだよな。ミルが子育てしているからな。」
「アレクス様、ユリ伯爵をTオリオンの宰相にしたらどうですか。」
「ユリか。だが空軍から引っ張ると何かとうるさいんだよな。」
「空軍に所属したままにするんです。タンドラ大陸防衛です。」
「おおーそれで行こう。そうなるとマックも一緒だな。マックには軍の指揮を任せるか。」
「エンリケも派遣しましょう。」
「SEオリオンとTオリオン内で再編しないとまずいな。案を考えてくれ。」
「分かりました。大移動になると思いますよ。」
「それは仕方ないな。国の情勢は変わる物だ。」
「・・・・・・・」
「それと私は一度Tオリオンに戻るが各艦隊指揮官にTオリオンに来るように連絡をしてくれ、空軍の再編を行なう。」
Tオリオン王国
「ユリ、マック話がある。」
「どうしましたか。何か問題でも出ましたか。」
「問題と言えばそうなんだがな、ユリにTオリオン王国の宰相をしてもらう。マックは軍の指揮だ。引っ越してくれ。頼む。」
「・・・・・・・・・・」
「師匠、人手が無いのは分かりますが、私では無理です。私たちは孤児院で育ち、平民でした。国の宰相はいくら何でも無理ですよ。」
「関係ないとは言わないが、このタンドラ大陸で元ギレント、元ルガーの貴族達は当主が亡くなり代が変わっている、女性当主も多い。まぁほとんどが当主予定でない者が当主になっている状況だ。女性の宰相でも大丈夫だろう。それに王は私だしな。」
「師匠の頼みでは断れませんからね。マック引越しするわよ。」
「ユ、ユリ、俺の意見は聞いてくれないのか。」
「マックは反対なの。」
「いや反対じゃないけど、なんか寂しいなーー。」
「マック、頼むよ。Tオリオン王国の為に引っ越してくれ。」
「はいもちろんですよ、師匠の為ですから、なぁーユリ。」
「・・・・・・」
「師匠、お願いがあります。」
「何だ寄り改まって。」
「宰相を引き受けるのでしたら、元王族の扱いも任せてもらえませんか。」
「任せるのはいいが、説明をしてくれ。」
「はい、師匠は元貴族の方針は示しましたが、王族については何も触れていませんでした。ギレント王国の王族が生きていました。出来れば貴族としてTオリオン王国にて暮らさせてやりたいと思います。」
「そうか、ユリに任せるよ。領地も与えてやるようにな。優秀なら国の中枢での仕事もさせろ。」
「はい、ありがとうございます。」
「Tオリオン王国の王都はどうする。」
「そうですねコルン王国の王都とあまり近くですと交易で争うので離したほうがいいですね。」
「そうだな、だが内陸部にはいきたくないな。」
「二つ都市を造りませんか。元ルガーと元ギレントの内陸部の境目と元ギレントの海側の北寄りの二か所です。二つの国が合わさったのですから王都が二つあってもいいではないですか。」
「そ、それは拙いだろう。だが二つ都市を造るのはやってくれ。王都の名称は保留で都市として造ってくれ。」
「はい、分かりました。」
だがTオリオン王国でその後、元ギレントの海の都市を第一王都、元ギレントと元ルガーの境目に出来た都市を第二王都を呼ぶ者が多くいた。そして誰が言ったのかは不明だが第三の王都と呼ぶ内陸部最北に大都市をアイスバーンが造り上げ後に大貴族へと転身していく。Tオリオン王国では女貴族当主が主流となり仕事の割合が女性6男性4の割合である。これは戦争で男性が少なくなった影響が大きいが。女性が働く環境と女貴族が多くなった事が女性の力を大きくした要因である。
アレクは一通りの采配を行なった。そしてコルン王国に行く事にしたのだ。ユリには空軍の編成までには戻るようにきつく言われ、アクラーにもきつく言っていた。
アクラーは素直に「任せてください必ず連れてきます。」と確約をしていた。