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202話

コルン王国


「コルン、コルン王国王都の場所は決まったのか。」

「師匠、それなんですが、師匠が初めて上陸した港町を王都にしようと思います。」

「あの町かいいな。すぐに取り掛かれるようにするか。今の住人たちに配慮しながらの都市計画をつくらせよう。」

「なんか師匠がやると大都市になりそうですね。」

「大都市にするんだよ。コルン伝説の始まりの町だからな。」

「・・・・・」


「アクラー、SEオリオン王国へ連絡してくれ、木人の輸送と都市開発と農地開発の出来る者を送るようしてくれ。」

「はい分かりました、すぐに手配します。」


数日後、ルガー城


そこには元ルガー王国貴族、元ギレント王国貴族が集まっていた。元ギレント王国貴族は当主がほとんどなくなっている為に相続人又は婦人の出席が多かった。元ギレント王国の王族の姿もあった。


「皆よく来た。始めるぞ、まずは元ルガーの貴族たちよ。元ルガー王国はコルン王国と私のTオリオン王国の二つに分かれる。コルン王国への領地返上と戦争賠償として国の半分はコルン王国となる。地図だと下半分だな。そこに領地を持つ者はコルン王が采配をすることになったが、決定しておるからこの場で伝える事になる。新しい爵位と領地を伝える。」

淡々と進む話に貴族達は戦々恐々としていた、もし名前が呼ばれなかったら平民になってしまう。もう恐怖でしかなかった。特にルガー時代にギレント王国と懇意にしていた者は恐怖で気絶しそうであった。

元ルガー貴族家200家の内Tオリオン王国側は100家そのうち80家が貴族として新たな国の貴族となった。コルン王国は100家の内70家であった。爵位は下がり、領地は半分となったが生き残ったのだ。

「今呼ばれた者達は別室で待っていろ。」

名の呼ばれた者達は別室に移された。明らかにほっとした顔をしている。

「名を呼ばれていない者達よ、前に出て来い。」

元ルガー王国貴族50家がアレクの前に出てきた。

「お前たちは、ルガー王国内でも問題の多かったものだ。心当たりがあろう。」

「わ、私はル、ルガー王国へ忠誠を誓っておりました、ルガー王国に背くようなことはしていません。」

「お主の名は何という。」

「私はアルベルト・レイストと申します。」

アクラーが資料を渡す。

「アルベルト。お前は元伯爵だな、お前は商人と結託してコルン王国との交易を妨害して安くコルン王国より物を買い叩いてたようだがどうだ。商人からの証言があるがどうだ。」

「わ、私はルガー王国の指示に従い行ったことです。ルガー王の指示に従いました。」

「ルガー王国がコルン王国へ交易を妨害するよう指示を出していたのか。」

「は、はいさようです。ですから私には責任はありません。」

「そうか、なら商人から金を受け取っているな。指示で行っていたのならその金はルガー王国に入っているはずだな。」

「え、う、あ、いや、その。」

「このルガー王国の書類には何も乗ってはいないぞ。お前は何年も前から妨害をしていたな。」

「な、内密な指示でしたので王に直接お渡ししておりました。」

「そうか、では仕方がないな。」

「ほっ。」

「アルベルト、ルガー王はもういない。お前にコルン王国への賠償を命ずる。賠償金額は金貨1万枚とする。賠償が済んだら騎士爵位を与えるが領地は無しだな。さすがに平民になったとたんに殺されそうだしな。騎士爵はくれてやる、きちんと1万枚用意しろ。」


「では次は・・・・・・・」


「今の者達はコルン王国へ賠償金を支払え。賠償が完了した時に騎士爵位を与える。」

賠償を命じられたもの達は項垂れている。財産のほとんどが賠償で消えていくのが分かっているからだ。

「さて残りは10家程だな、お前たちには心当たりがあろう。」

「・・・・・・・」

「思い当たるだろうな、戦争の張本人たちだからな。」

「お、お助けください。命だけはお助け下さい。」

「ルガー王国時代での当主で生きている者は誰だ。」

10家中8家の物がルガー王国時からの生き残りであった。

「8家もいるのか、お前らは戦闘に参加もしていないのか。」

「・・・・・・・」

「話にならんな。戦争をやらせて、自分たちは見ているだけか。お前らは処刑だな。」

「お。お助け下さい。お助け下さい。お願いします。」

「当主の処刑は変わらん、だが家族までは処刑をしないでやる。当主がすべての責任を取るでよいな。」

元貴族の当主は全員が項垂れている。

「この10家は平民に戻り。やり直せ財産は相続を認める。」

「は、はい。」

「さてルガーの事は済んだ、待たせたな、ギレントの者達よ。」

ギレントの者達は無言で礼をしていた。


「ギレント王国時での当主の生き残りは前に出よ。」

この言葉で周りが氷ついた。ギレントの貴族達が顔を見合わす。30人余りの者が前に出てきた。半分がまだ子供である。もう半分は老人であった。

「・・・・・お前たちには他に当主になれるものは要るか。」

「お、おります。」

「子供はそのまま相続を認める。だがご老人方は引退だ。次期当主は私がその一族から選ぶ良いな。」

「ギレントの者達は爵位を一段落とす、領地は半分、領地替えを行うので場所はあとでだな。」

「あ、すいません、よろしいでしょうか。」

「どうしたお嬢さん。」

「す、すいません。私の家は騎士爵です。一段落とされてしまうと平民でしょうか。」

「ハハ、済まぬ。面白いな、こんな雰囲気の中でよく言えるな。」

「も、申し訳ございません。でもお家の事ですから今でないとお伺いが出来なくなります、申し訳ございません。」

「いいよいいよ。お前の名は何という。」

「はい、私はマリカ・アイスバーグと申します。」

「アイスバーグは当主か。」

「はい。ギレント王国では女は当主になれません、ですので当主代理としてやってきました。」

「そうか女は当主になれんのか。ギレントの貴族当主は殆んど無くなっている状態だ。みんな戦に出ていたからな、皆勇敢であったぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

「Tオリオン王国は女当主は認めている。きちんと申請を行なえば認める。」

ザワザワザワザワザワザワ・・・

「あ、あのう本当に女当主を御認めになさるのでしょうか。」

「ああ、認める。私の国では4分の1が女当主だな。」

ザワザワザワザワザワザワ・・・

「よいか、私に忠誠を誓い、国の為、民の為に尽くす者だけだ。それと騎士爵位の者はそのままだ。アイスバーンよ、お前の領地はどのくらいだ。」

「はいアイスバーン家の領地は村が2つです。」

「お前は度胸がよい。私に意見を言った褒美だ。領地はそのままでよい。」

「えっ、あ、ありがとうございます。」


「後日、正式に爵位授与式を行う。滞在中の費用を気のするな、私が出してやる。アクラー手配してやれ。」


「はい。手配いたします。」



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