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201話

ギレント軍


「早く敵に切り込め。敵がいなくなるぞ。」

「いけーー。いけーー。」

「押すなもう前には行けない。」

「押すなーー、苦しい。」

「おすなーー。」・・・・・・・


ギレント軍は円の中心に向かう兵と円内で戦闘をしている兵で身動きが取れない状態である。

そこにギレント軍を囲むように小型艦が現われた。小型艦はギレント軍を取り囲むと魔力機関弾を敵に撃ち込んでいく。

ダダダダダダダダダダ、ダダダダダダダダダダ、ダダダダダダダダ、ダダダダダダダダダ・・・


突然の攻撃にギレント軍は狼狽した、もう少しで勝利目前であった。あと一押しであった。




群がるギレント軍は壊滅した。



10万の敵が2万になっていた。この2万の軍は戦闘には参加をしていなかった。ギレント王が率いる軍団である。


「コルン、カイン兄出番だよ。」


コルンとコルンの騎士30、カインと獣人隊300である。

コルンはギレント軍2万と対峙した。

「ギレント軍、お前らには滅んでもらう。我がコルン王国軍がお前らを壊滅させる。」

ギレント軍より一際豪華な鎧を着た騎士が出てきた、後ろに二人付いてきている。

「コルンの王か。我が精鋭2万をたかが300程度の兵で勝てると思っているのか。」

「勝てるさ。」

「ならば、その兵が負けたら全軍撤退しろ。自信があるのなら問題なかろう。」

「ああ、その条件を飲んでやる。ここにいる兵だけでお前らを潰してやる。逃げるなよ、逃げたら約束は無効だ。」

「よかろう。」



「親分、俺たちも戦っていいんだよな。」

「戦うに決まってるだろ。どうしてそんなこと言うんだ。」

「ほら、今回はコルン王が主役だってアレク様が言ってたから。」

「ああ気にすんな、暴れていいぞ。」

「おおーーー。いっちょやるか。」


「コルン、最初に敵に突っ込んでいいからな、フォローは任せろ。ギレント王の首を取れよ。」

「カイン師匠、ありがとうございます。」

カインは舞い上がってしまった。初めての師匠である。「野郎どもコルンの後に続けよ、分かったなー。」

「おおおおおおおおおおおお、おう。」


「いきます。」


コルンを先頭にギレント軍に突撃をしていった。後には騎士たちが続き、その後ろにはカインと獣人隊がいた。獣人隊は横に広がりコルンが戦闘していない場所に飛び込んでいった。

コルンは無我夢中であった、目の前の敵を倒すだけであった。目の前の敵を斬る、殴るを繰り返し気づいたときには敵はいなくなっていた。


「コルンよくやった。敵を壊滅させたぞ。」

「か、カイン師匠ありがとうございます。」

「お、おう。」

アレクもコルンとカインの近くまで来ていた。

「コルン中々やるな。これなら今度は一人でも行けそうだな。ねえカイン兄もそう思うでしょう。」

「そうだな、敵が1万以下で補助付きだな。」カインは初めての弟子を過保護にするようだ。

「・・・・・・」アレクにジト目で見られるカイン。


「それよりもコルン。ギレント軍は少数だが逃げ出したぞ。」

「まぁ、あれでは逃げるだろうな。」

「カイン兄たちが派手に暴れましたからね。」

「師匠、ギレント王は逃げましたか。」

「ああ王たちだろうな。いまアレク隊が捕まえに行っているから、もうすぐこちらに連れて来るだろう。」



「アレクス様、ご報告いたします。ギレント王を拘束いたしました。」

「そうかでは中央の天幕に連れて来るように。」



ギレント王は縄で縛られて天幕の中の転がされている。数人の偉そうな者達も同じように縛られている。

アレクが天幕に入ってくる。


「お前がギレントの王か。」

「そうだ、余がギレント王国の王だ。」

「そうかでは数日後に公開処刑する。」

「え、まぁまて、まてぇ。何で処刑なんだ。普通は王族は処刑などにならない。」

「そんなこと知るか、私が処刑と判断したのだ死ね。」

「・・・私が何をした。貴様らが侵略してきたのだ。」

「いいだろう答えてやる。コルン王国を滅ぼそうとしたからだ。」

「そんな事、他の国も同じではないか、何故わが国だけがこんなことになるのだ。」

「ハハハハ、ギレント王国だけではないぞ。コルン王国に謀略を仕掛けた国はすべて滅ぼすぞ。」

「・・・・・・」

「まぁいい、この中で5人だけ命を助けてやる、王以外だがな。」

「そ、それは誠ですか。忠誠を誓います、私を助けてください。」

「いいえ、私を・・・

「私をお助け・・・・

「・・・・・・」


「諸外国に、いいや外国に顔の売れている者は誰だ。」


アレクは外務に関わっていた5人を殺さずに捕虜とした。他の者は王都広場にて処刑をする予定になった。


アレクは王都にいる商人たちを呼び寄せた。

商人たちは、もう顔が真っ青である。王都の城が崩れ落ち、10万の軍勢が負けたのである。自分たちも命を奪われるのかと生きた心地がしていない。


「よく来たな。心配するなお前らは殺さん。私の役に立つからな、お前たちに少し仕事を頼みたい。」

「し、仕事でございますか。」

「そうだ仕事だ、お前たちはギレントの外にも商売で行き来をしているだろう。諸外国の者達にこの戦争の結末と理由を伝える事が仕事だ。」

「わ、私たちは殺されないのですか、ギレント軍に物資などを売っていたのです。」

「それは仕方がなかろう、自国の軍に販売をするのは当たり前のことだ。それに商売では敵にも売る事もある。商人であれば売り買いで儲けるのだ、そんなことで殺していたら人がいなくなるぞ。」

殺しまくっているアレクが言える事ではないが、商人は感動していた。殺されない、助かった。商売の分かる人だ。敵にも売れる。等々色々な商人たちの思いは別として。アレクは商人たちにコルン王国への謀略の話を伝えていく。商人たちも何か思うことがあるのか、納得顔である。



「よいか、我がオリオンは民と商人を大事にしよう。私を裏切らない限りお前たちを守ってやる。」

「は、はい。オリオン様に忠誠をお誓いいたします。」


ギレント王と多くの貴族は公開処刑となった。王都広場にて処刑の理由と経緯を伝えられた王都民はその理由に驚愕した。この大陸の英雄の子孫を殺そうと各国が暗躍していた事に驚きそして憤慨した。

この話は商人たちによって諸外国に知れ渡った。各国の王たちは民に対して言い訳をしたが効果はあまりなかったようだ。


アレクはギレント全土に支配者が変わったことを伝えていく。アレク艦隊は各地に散らばり、村、町、都市にて暫定の統治者を決めていく。

王都も城を破壊したものを撤去作業を行い公共事業にしている。民にお金が流れるようにしたのだ。緊急の対応として一段落したアレクはユリ、マック、リックに任せ一度コルンに戻る事になった。


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