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196話

「さて、ゼストの事はどうするか、コルン王国はどこまであったのだ。」

「はい元はゼストの半分はコルン王国であったと聞いています。」

「それなら、半分をコルン王国に戻してもらう。そして戦争賠償としてその半分をコルン王国の物とする。」

「お、お待ちください。そ、それではゼスト王国は潰れてしまいます。」

「いいではないか、滅びるなら滅びろ。お前たちがコルンを滅ぼそうとしていたではないか。コルン王国よりも国は大きいぞ、やってやれない事はあるまい。コルン王国に頼ればよい事だ。」


アレク隊の隊員がアレクの所に駆けよってくる。アレクに耳打ちをしている。

「まぁマジか。」

「はい事実です。」

「コルン、聞きたいことがある。ルガー王国は元コルン王国としてはどのくらいあった。」

「はい、聞いた話では今のルガーの3分の1ぐらいです。」

「・・・・・そうか分かった。」

「ま、まさかカイン様が負けたのですか。」

「そんな訳あるかー。カイン兄が負けるか。ルガーを滅ぼしてしまったんだ。」

アレクのこの言葉はゼスト王国の人々にとって自国の負けた事以上の衝撃であった。ルガー王国が戦争をしていることも知らなかった。まさかゼストと同じように戦争をして滅びるなどと思えない。カインという一人の者にルガー王国が負けたような話なのだ。

「オリオン王様、お聞きしてよろしいでしょうか。ルガー王国が滅びたとは誠の事でしょうか。」

「お前は宰相だったな、いいだろう教えてやる。コルン王国はゼスト王国、ルガー王国、トミス王国へ同時侵攻した。先日宣戦布告をしたであろう。宰相は知らなかったのか。」

「申し訳ございません。コルン王国からの書状は読んでおりません。」

「お前ら本当に馬鹿だな、国を預かる者が他国の書状を読まないことなどありえんぞ。だから国が滅びるんだ。」

「・・・・・・3か国同時に戦争を行っているのですか。」

「ああそうだが何かあるのか。」

「いいえ、そんなことが出来るのかと思いまして。」

「3か国程度の相手なら。今のコルンなら勝てるだろう。」

「えええーー、いえいえ師匠そんなことできませんよ。無理です。」

「いいや多分出来るぞ。カインからも習っているだろう。魔法と身体強化を合わせると、力が変わるぞ今度やってみろ。」

「そ、そうなんですか。カイン様は別格ですよ。カイン様こそ英雄です。」

「あれ、コルンは知らなかったのかカインは英雄だぞ。」

「えええーー。本当ですか。」

「アース大陸南部でカインを知らない者はいないぞ。特に獣人はカインを崇拝しているしな。」


「あのー、オリオン王様。」

「ああ、話の途中だったな。ルガー王国は滅んだ。もうすぐトミス王国も負けたと知らせが入るだろう。流石に滅ぼさないだろう、私は信じている。」

「まさかそんな短期間でありえない。」

「事実だよ。そのくらいお前らは弱い国なのだ。良かったな私がゼストの担当になったから滅びずに済んだのだぞ。」


ルガー王国


カインと獣人隊たちはルガー王国軍と対峙していた。

ルガー軍、5万対カイン、獣人300である。アレク隊の中型艦1隻、小型艦10隻、空母2隻、大型輸送船1隻。アレク艦隊はカインの補助を目的としている。地上の事はすべてカインが指揮を執るのである。

「小型艦俺が突撃したら魔力機関弾で相手をビビらせろ。後、取り逃がした者の始末も頼むな。後は適当に戦うぞ。」

何ともいい加減な指示である。この指示を理解して、現実的に運用しなければならないアレク艦隊の人々は実に優秀である。



「野郎どもいくぞーーーー。」

「おおおおおおおおおお、おう。」


カインが敵陣めがけて飛び込んでいく。アレク艦隊の小型艦10隻は横一列に広がり魔力機関弾を大量に広範囲に撃ちこんでいく。カインが敵と接触した瞬間に魔力機関弾は撃つことを止めていた。後はこぼれてきた兵と味方のいないところを探し撃ちこんでいく。

小型艦の砲撃により敵は総崩れとなっていた。1万の兵は戦闘不能になっているだろう。そこにカインと獣人隊が突っ込んできたのだ。破壊力が何倍にもなっている。

カインは両手にガントレットを装着しているが、このガントレットは特殊なものだ。アレクがカインの為に作成した物である。魔法のガントレット。このガントレットは手刀が跳ぶようになっている。ガントレットに魔力を流すと刀の様に少し離れた相手を斬る事が出来るのだ、カイン以外は使いこなせないだろう。

カインは敵を倒すのに手間が省けると大喜びであった。カインは殴る、蹴るが多い、特に敵が多い時は剣を使わない。剣の方が持たないからだ。

獣人達もガントレットを装着している。鎧だろうと剣だろうと関係なしに殴っていく。剣と当たっても負けない、剣を折ってしまうのだ。鎧はぼっこりと窪んでいる。着ている人は衝撃で死んでいるか重症だろう。

2時間が経過していた。戦場で立っている者は獣人達とカインだけである。

「こんなもんか。弱いな。」

「親分、こいつらは戦ったことが無いですよ。素人の集まりですね。」

「ルガー王国って外れじゃないか。」

「大きい国って聞いてますから。こいつらは2軍ではないですか。」

カイン達は勘違いをしている、ルガー王国の精鋭軍なのだ。戦いの素人ではない。アース大陸のようないつも戦争をしている地域ではないが、それなりの強さを持っているはずなのだ。多分だが。


「さっさと王城を占領するぞ。」

「おう。」


ルガー王国王都王城上空


「いくぞーー。」

カインは空から飛び降りる。獣人達も後に続き飛び降りていく。

「ぎゃーーー。ひゃーーー。はあーーーいやーー。ぎゃーーー。」

いつもの雄たけびと共に獣人達は城の中に飛び込んでいった。

城内はパニックになっていた。獣人が襲ってきた。この大陸でも獣人達は迫害の対象になっていた。

「この獣人が何しに来た、死ねーー。」

ボコッ。「げほっ,ガク。」兵士は死んだ。

そんな言葉と同時に拳が兵士たちに襲い掛かる、今の獣人達には迫害を恐れる気持ちなど微塵もない。カインを信じているからだ。カインは人間だが獣人達は魂は獣人と思っているようだ。カインが聞いたら照れるだろう。

カインは城の中を殴り倒しながら進んでいく。すると身なりの良い集団とかち合う。

「お前らは貴族か王族のどっちだ。」

「余はこの国の王ぞ。控えよ。」

「お前は馬鹿か。敵にそんなこと言って聞くやつがいるか。」

カインは王を殴り飛ばした。王は飛ばされ壁に激突した、打ちどころが悪かったのだろう頭から血を流している。死んでいる。それを見て激怒したこの集団がカインに斬りかかっていく。だがカインにはなんでもない事だ。剣ごと殴り飛ばしている。

だがカイン達は失敗をしてしまった。王族の捕虜を見つけることを忘れていたのだ。関係なく殴り倒し殺してしまっていた。すべてを倒し終えた時にアレク隊の面々が現れ倒れている者達を確認していった。王族は全滅であった。

カインは、まぁたまにある事だと笑っていたが。アレク艦隊の者は又面倒なという顔をしていた。

ルガー王国は降伏する者がいなくなり。王族の大捜索が始まった。幸い子供の王族は別の場所にいた為に死なずに済んでいた。だがまだ幼い為にアレクに連絡する事となった。事実上ルガー王国は滅んだ。






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