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191話

「アクラー殿、宜しくお願いします。」

「キース殿、ご案内いたします。師匠の命令ですので。」

「師匠ですか。」

「ああ、アレクス王は俺の師匠なんです。俺が一番下っ端の弟子です。」

「え、そうなんですか。アクラー殿が一番上かと思いました。」

「キース殿はお世辞が上手いですね。」

キースは本気で言ったのだ。アクラーは艦隊を引き連れている実力があるのは間違いがない。

そこにテルセが話に加わる。

「アクラー。アレク様を捕まえたら、俺に連絡をくれ頼んだぞ。」

「師匠を捕まえたらな。」

「フン。」


「よし行くぞ、アレク艦隊は上空で護衛、ワイバーン隊は師匠の捜索に出るぞ。」

「アクラー様、中型艦と小型艦6隻は先にSEオリオンに戻ります。実は・・・・・」

「分かった。そちらは任せる。」

「アクラー殿、お聞きしてもよろしいでしょうか。」

「なんですか。」

キースはSEオリオン王国と他の国の関係を聞いてきた、アクラーは問題のない範囲でキースに概要を説明していた。説明を聞いたキースは驚きを隠せない。SEオリオン王国の国土の広さはタンドラ大陸では超大国である。このアース大陸でも大国であるが。グラムット帝国がこの南部では一番の大国である。それとオリオン王国と王国連合の事が衝撃だったようだ。SEオリオン王国はオリオン王国の下の存在と聞いた時は目眩がした。オリオン王国連合は12の国を纏めている。そしてこの大陸はタンドラ大陸よりも大きい事だ。南部の国だけで4,50はありそうだ。それに北部もあるという。


キースに同行している、もう一人の商人カイル・マルティーはSEオリオン王国を見て驚愕した。大都会だ。こんな都市は見たことがない。キースもアダムス子爵も驚いている。それに空を飛び回るワイバーンの数の多さに恐怖を感じる。アクラーに聞くと戦争が多い地域だと言われただけだった。

納得は出来ないがこの大陸は軍事力が違う。桁違いにアース大陸の方が強いのが分かる。

カイルは戦争は絶対してはいけないと確信をする、キースに聞いていたが自分の目で見てやっと理解が出来た。だがアダムスにはそう映っていないようだ。野心が見え隠れしている。危険な状態である。

同行者のアクラーは気づいているようだが何も言わない。

キース達一行は数日をSEオリオン王国で過ごし。オリオン王国にも足を伸ばしていた。驚きすぎてもう驚けなくなっていた。



その頃アレクはガレオン号で海の上を飛行していた。

その後を3隻の中型艦と6隻の小型艦が後に続いていた。目指す場所はタンドラ大陸である。

「後数日でタンドラ大陸に到着するだろう。もう海は見飽きたな。」

「お茶をお持ちいたしましょう。」

「ああ、お願いしよう。」


「アレク様、島を発見しました。ただ今上空を旋回しています。いかがいたしましょう。」

「島か、見てみるか。降りるぞ。」

「はっ、着陸態勢に入ります。」



「まぁ普通の島だね。」

「人はいなさそうです。」

「少し島の中を見て回ろうか。」

アレク達一行は島をぐるりと一周したが特に変わったことも何もなかった。魔物も殆んどいないこの島は直径4,5キロの小さな島である。川や湖などの水辺が無い事がこの島を放置している理由だろうとアレクは思っていた。水が補給できれば大陸間にあるこの島は重要な補給基地となるだろう。アレク達にしてみれば魔道具で水などは補給できるため必要が無い。


「せっかく上陸したからな、記念にオリオンの旗でも立てとくかな。」

「はい。SEオリオン王国の旗を立てておきます。」


アレク艦隊は再びタンドラ大陸に向けて飛び立った。


そしてタンドラ大陸が見える位置まで接近していた。

「アレクス様、タンドラ大陸を目視出来るまで接近しました。」

「そうか、ならドラゴンで驚かせてやるか。ブロいくよ。」アレクはドラゴンの名前を何回も変えている。ブロンズドラゴンは気にしていないが乗組員たちは戸惑っているようだ。

「きゅゅっ。」

ブロンズドラゴンは可愛い鳴き声と共に体が大きくなっていく、「ガアァァァァウウー。」

アレクはブロンズドラゴンに飛び乗り、ブロは翼を大きく広げて大空に舞い上がっていく。

ガレオン号を一周した後、まだ小さく見えるタンドラ大陸へ向かった。

アレク艦隊もドラゴンを先頭に後ろを付いていく。

ドラゴンは港町であろう。船が停泊している町の上空を2周してから広場に降り立った。

この港町ではドラゴンが襲来したと大騒ぎとなり、衛兵、戦士、冒険者、騎士などが高い場所に上り弓などを放っていたがドラゴンの速度が速く全く当たらなかった。アレクは面白くなって2周したのだ。

以前に飛行船でローエム王国を一周したことを思い出していた。兵が追いかけてくるのを楽しそうに見ていたがここは初めての場所だと思い出し、知らん顔して町の広場に降りたのだった。


ドラゴンは伏せの状態になり、アレクを降りやすくしている。

「この港の統治者はいるのかい。」

アレクは周りにいる人々に声を掛ける。だが誰も返事をしない、するとそこに駆けてくる騎士の姿があった。先ほどドラゴンを一生懸命に追いかけていた騎士だ。

騎士がアレクの前まで来たときにドラゴンがむくっと起き上がった。周りの人々は一目散に逃げだしていった。

駆けてきた騎士も腰が引けていたが、何とか留まりアレクに話しかけることが出来た。

「き、貴殿は、そのドラゴンの飼い主であるのか。」

「飼い主、ああ、まぁそうだな、それよりここはゼスト王国で間違いないか。」

「ゼスト王国、ここはコルン王国だ、ゼストの者なのか。」

「ゼスト王国ではないのか。この地図ではゼスト王国になっているが見てくれ、間違っているのか。」

アレクは騎士に自分の持っている地図を見せる騎士もその地図を覗き込み確認してくれた。

その地図にはコルン王国は無かった。騎士は苦虫を噛むような表情をしている。悔しくて仕方ない表情だ。アレクはその騎士からコルン王国について説明をして貰った。

タンドラ大陸でここ100年は戦争は起こってはいない。それは過去に戦争で大勢の人が亡くなり、国家存亡さえ危ぶまれた為に国家間で取り決めをしたからだ。だが戦争と言わない戦いは何度も起きている。コルン王国は周りの国々から攻め立てられ、国土を削り、今ではタンドラ大陸内でも地図にも載らないないほどの扱いとなっているようだ。周りの国々はコルン王国を滅ぼすつもりのようだ。コルン王国はゼスト王国とルガー王国の間に挟まれている。かつてはルガー王国、ゼスト王国よりも強大な国であったが周りの策略、謀略等の他国同士に連携され、国土を削られているようだ。次に他国が何か仕掛けてくればコルン王国は滅びてしまうような状態だ。


「そうですか、厳しい状況ですね。これも何かの縁です。私が取られた領土を取り戻してあげましょう。」

騎士は絶句するが、ドラゴンが入り事に気が付く。

「我が、王にお会いしてくださらぬか。」

「会いましょう。」


そうしているうちに周りが又騒めきだす。

騎士は上空を見て又驚く。空飛ぶ船が何隻もいる。

アレクはあれは自分の艦隊だと説明をして何とか納得してもらった。アレク艦隊は港に着水してアレクの指示待ちとなった。だがアレク艦隊の空兵隊20人はアレクの護衛に着くと言い張り着いてく事となってしまった。アレクは嫌そうであったが空兵隊が食い下がり護衛任務を勝ち取った。


騎士達とアレク一行はコルン王のいる街へ移動する事となり、ドラゴンが小さくなった事にまたまた騎士は驚いていた。アレクは嬉しそうに笑っていた。アレクはこの騎士が気に入ったようだ。

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