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181話

SEオリオン王国


「みんな緊急事態だ。メルス王国、ルオス王国との戦争で弱った所をレゲルト王国が両国に侵略戦争を仕掛けた。」

「・・・・・・」

「今まではSEオリオンは静観していたが、難民がSEオリオンに押しかけてきている。これをどう処理するかが一点。もう一つは参戦するかどうかだ。参戦理由も必要だがな。」

「師匠は、参戦するつもりですか。」

「ユリ、私はSEオリオン王国に被害が出なければ何方でもよい。」

「陛下。」

「なんだ、センドリー宰相。」

「SEオリオン王国は参戦するべきです。隣国を纏めなければいけません。」

「・・・ローガン外務大臣はどうかな。」

「私なら参戦しませんな。3か国の仲裁役がいなくなります。」

「マルキス内務大臣の意見はどうか。」

「そうですな、このままなら難民がすべてSEオリオン王国に押し寄せるでしょう。そうなると国内が荒れます。私は内務大臣です。国内が荒れて治安が悪くなることは容認できません。参戦するに賛成です。」

「セルス軍務大臣はどう考える。」

「個人的な意見では参戦です。SEオリオン軍としても参戦です。」

「同じじゃないか。」

「いいえ。同じ参戦でも理由が違います。」

「・・・・まぁよい、他の者はどう思う。」

「師匠、SEオリオン王国が参戦したら勝つでしょう。勝った時、いいえ勝ち方です。一つの国とするのか、4か国のままで行くのか。それによって戦い方が違ってします。」

「アクラーは参戦派だな。」

「そうなります。SEオリオン王国に難民が来ていますから、難民同士はメルスもルオスも関係なしに仲がいいんです。余裕がないせいかもしれませんが。」

「そうだな余裕があれば余計な事を考えるのが人間だしな。ああそういう事か。メルスとルオスの仲が悪い理由が分かったぞ。」

「えっ。」

「メルスもオルスも国が民を先導しているんだ。国を保つためにな。」

「師匠、よくわかりません。」

「つまりだな国に不満がこない様に隣のせいにしているのだ。」

「それって酷くないですか。」

「ユリもそう思うか。」

「思います。両国の民がかわいそうです。」

「そうだなメルス王国、オルス王国、レゲルト王国も碌なもんじゃないな。ならSEオリオン王国として一つにまとめるか。」

「師匠、参戦理由をどうしますか。」

「リック、お前なら理由をどうつける。」

「そうですね。俺なら、難民救済を理由にします。」

「理由としては弱いな。だが細工をすれば行けるな。メルス王国とルオス王国に噂を流せ。噂の内容はメルス王国とルオス王国は国民同士を争わせているとな。戦争どころでは無くなるだろう。両国はレゲルト王国に負けるだろうな。負ける寸前にSEオリオンが参戦する。レゲルトも油断しているだろうから一気に片が付けられるぞ。それまで難民を保護しろ。すべての難民を保護するつもりでやれ。」

「はい。」

「セルス軍務大臣は戦局をどう見る。」

「そうですな、メルス、ルオス両国は今の状況では持って2か月、その噂次第ですが早ければ1か月でレゲルト王国に負けます。」

「そうか、アルツ、エンリケ、両国に誰か侵入させて噂を流せ。色々な噂で構わんぞ。共通させる事は国が民を騙している。この事だけを混ぜろいいな。」

「はい早速手配いたします。」

「各自2週間後までに参戦準備を整えるように。」


「「「「はっ。」」」」


アレクのメルスとルオスの仲たがいの理由は正解であった。国力がない両国は国民の不満を隣国が妨害しているせいとしていた。隣国のせいで豊かにならないと宣伝をしていた事が争いの原因であった。国政に不満がこない様に国が誘導していたのだ。


噂はあっという間に広がった。メルス王国とルオス王国内で両国の仲の悪い理由が酒場から流れた。それは王国が民を騙している。元々は一つの国であった仲間であると。両国が一つになればレゲルトに勝てる可能性が出る。その日以降、各地の酒場で噂が流れだした。噂には尾ひれも付き酒場から国の中枢まで流れるのに5日ほどであった。尾ひれはSEオリオン王国が助けてくれるとなっていた。これも噂を流した後に再び流した物であった。


2週間後には、メルス王国もルオス王国も国民から見放されていた。戦争で負けている状態では国も何もできない。レゲルト王国が完全に勝利するように御膳立てが出来ているようであった。


SEオリオン王都


「センドリー軍務大臣、義勇兵を募れ。メルス王国とルオス王国の義勇兵だ。」

「国を救うためにですな。」

「分かっているではないか。」

「メルス王国、ルオス王国も10日以内に王都は落ちるだろう。王都が落ちたらレゲルト王国に宣戦布告するぞ。メルス王国、ルオス王国の敵討ちだ。」

「では9日後に出立が出来るように手配いたしましょう。」

「そうだな王都が落ちる前に出兵しよう。」


SEオリオン王国では義勇兵の募集が始まった。メルス、ルオス関係なしの募集であった。SEオリオン王国が両国を救うために行うとポスターも作成されていた。

噂の一文もポスターに書かれていたこともあり両国の義勇兵に争いは起きなかった。

レゲルト王国がメルス王都を陥落させたと噂が流れた。この噂を聞いた義勇兵はメルス王都を目指し出立してしまった。

焦ったのはSEオリオン王国だ。メルス王都陥落は誤報であった。この時点ではまだ陥落はしていなかったのだ。SEオリオン王国は仕方なしと判断を出した。レゲルト王国に対し宣戦布告をしたのである。ただメルス王都とルオス王都には兵を派遣はまだしていない。先にレゲルト王国王都を攻めるつもりなのだ。


今回のSEオリオン王国は王国連合の兵は使わない。SEオリオン軍で作戦を行う。オリオン王国空軍の参戦は無いがアレク艦隊は参戦をするようだ。これはアレク独自の艦隊となっているからだ。

王国連合の艦隊を使わないとなると輸送の問題が出てくる。アレクは貨物船を総動員してSEオリオン陸軍の輸送をすることにした。警備の小型艦も総動員している。飛べる船はすべて使い、レゲルト王都に向かわせる。

ユリ、マック、リック等の者達は参戦できない事に不満を言っていたが、アレクが説得をしていた。今回だけはSEオリオン王国の陸軍でやらなければいけないと説得をしていた。SEオリオン陸軍は戦争をしたことが無いのだ。今まで空軍が戦争をしていたのだ。ユリたちもその話をされると弱い。納得をしてしまった。

だがアレクの本当の理由は空軍を使うと言い訳が大変だからであった。ハロルドに対しての言い訳である、義勇兵が先走ったと説明するつもりのようだ。空軍を使うと速度が違うので防げてしまうのだ。だから空軍には通常勤務をさせるのだ。各地の防衛である。


義勇兵がメルス王都に到着したときに王都が陥落した。目の前で王都が炎に包まれるのを見た義勇兵は奮起したが戦闘にはならなかった。王都民達を逃がす事に専念したからである。これは同行していたアクラーが誘導していた。義勇兵を死なせるわけには行かない。戦わせない方法を考えたのが王都民救出作戦であった。


アレク艦隊と陸軍はレゲルト王国王都を目指していた。





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