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169話

「敵の後方に回り込めました。」

「よし、どうするかな。個人魔法で行くか、魔力機関弾で行くかだな。」

「師匠、個人魔法でお願いします。」

「アクラー。これから人殺しをするんだいいな。」

「はい。」


「報告します。敵軍砦を攻撃中です。」

「乱戦になっているのか。」

「はい、敵味方が入り乱れています。」

「そうか、各人戦闘用意。下に降りて斬りこむぞ。」

「「はい。」」


「アレク隊、空兵隊。いくぞ。」

アレク達は空から飛び降りた。

敵の真後ろに飛び降りたアレク達は、大声を上げながら敵に突っ込んでいった。

「うおおおお。」

アレクは剣を敵兵に突き刺していく。アレク隊と空兵隊も敵軍の中に突撃していく。

真後ろに現れた敵にレンズ軍は混乱していた。自分たちが攻撃していたが逆に攻撃をされている前と後ろに敵がいる状態に戸惑ってしまっている。その混乱に乗じてアレクは次々と串刺しにしていく。

アレクは剣を振り回さない、突くのだ。振り回すより動作が少ないからだ。動作が小さければそれだけ速く他の動きが出来る。突いて引き、突いて引くを何度も繰り返す。アレクの突きは致命傷を負うが即死はしていない。数秒、数十秒、生きている。苦しみながら死んでいくのだ。だがそんな事は気にしない、戦争なのだから。真後ろから突入したアレク達は、最前線で戦うベレーヌ軍まで到達した。

「ここの指揮官は誰だ。アレクが来たと伝えろ。」


「ううおおおおおおおおーー。」


ベルーヌ軍から大歓声が上がる。その歓声で敵軍は怯みベルーヌ軍の餌食となっていく。

アレク達も向きを変え、再度、敵に突入をしていく。レンズ軍は後ろに艦隊が待ち構えている状態では退却もうまくいかずに数を減らしていく。1万に及ぶ敵軍は3000まで数を減らし退却していった。


アレクは砦の中に入り、指揮官と挨拶を交わす。


「おおお、アレク殿、お待ちしておりました。援軍ありがとうございます。申し遅れました私はメイシス・カンダー男爵です。」

「アレクスだ、宜しく。」

「アレクス殿。隊の皆さんと食事でもとってください。ご用意いたします。」

「それはありがたい。ありがたく頂こう。」


その日はレンズ軍の砦への再攻撃は無かった。


「カンダー男爵、敵を駆逐した後はどうする、何か作戦を考えているのか。」

「アレクス殿、敵を駆逐とおっしゃいますが、敵総数は数万はおります。」

「問題ない。すべて殺す。」

「・・・出来るのですか。」

「ああ出来る。だから私がここにいるのだ。」


カンダーはアレクに説明をする。この砦攻略と他の地域への攻略部隊の拠点が砦まで約5キロの地点に攻略拠点の基地があり、その場所から各地に兵と物資を振り分けていると情報を伝える。

「そうか、ならその基地を頂こう。逆侵攻するのに使えそうじゃないか。」

「え、破壊ではなく、奪うんですか。」

「使える物は使わないと勿体無いだろう。」

「まぁ、そうですが。攻略となりますと兵の数が足りません。死者数も増えますのでなるべく防衛だけをしていくよう上の指示なのです。」

「なに、心配するな攻略は私がやる。アレク艦隊でやるから大丈夫だ。」

「あんな人数で攻略ですか。」

「カンダーは攻略後の維持を頼むぞ。明日攻略するからな。」


アレクは隊員たちと艦に戻って行く。


「明日、敵拠点の基地を攻略する。今回は攻略後に使用するから破壊はしない。艦隊攻撃は今回は出番がないな。」

艦長は渋い顔をしているがこればかりは仕方がない事だ。


「作戦を伝える。まずワイバーン隊が敵基地を攻撃。施設は破壊するなよ。人だけ攻撃だ。いいなこれは守れ。ワイバーン隊攻撃後にアレク隊と空兵隊が基地内に侵入して施設を占拠する。明日の日の出と共に攻撃するぞ。それまで各自は休む様にな。」



翌日


「ワイバーン隊、出るぞ。」



ワイバーン隊が大空に飛び立っていく。

ワイバーン隊は決められたコースをたどり低空で敵基地に侵入を果たす。基地の見張りを搭乗員たちは派手な魔法で倒していく。攻撃の音と悲鳴で基地の中にいる兵たちが表に出てくる。出てきた敵兵をワイバーンがファイヤーボールを口から吐き倒していく、又搭乗員も様々な魔法で敵兵を殺していく。

上空を30分ほど飛び回り基地を後にしていった。

入れ替わりにアレク隊と空兵隊が基地に侵入をしてくる。ワイバーンが去っていき、安心した所に敵の突入である。どうする事も出来ずに降伏したのである。


アレク達は昼前に基地の攻略を完了させた。砦に連絡をさせ兵を送ってもらう段取りを取った。アレクは基地の中を確認していく。色々と物資や武器などがあり戦利品として貰う事にしたようだ。

敵の指揮官室に入り室内を確認していくと作戦計画書を見つける。中身の確認をしていくとこの基地の重要性が分かってきた。この基地を中心にして作戦が立てられていたのだ。


レンズ軍の戦略がすべて崩れた瞬間であった。


夕刻にはカンダー男爵が到着した。

アレクは敵の作戦書をカンダー男爵に見せる。カンダーも驚いていたが今後のベレーヌ王国軍の行動を左右する重要なものだ。

カンダー男爵とアレクは今後の作戦を考えていくとこにしたのだ。この基地を侵略拠点にして敵の都市を落としていく。ベレーヌ王国軍の主力をこの場所に集め各地に送り出すようにしたのだ。敵が考えていた事を逆にやってやることにしたのだ。何ともひねくれた性格をしている。アレクなのかカンダーなのか、両者なのかは分からないが考えた者はひねくれ者である。


「アレクス殿、中央を進軍してください、私は右翼第2隊からの進軍となります。」

「左第1は誰が行くんだ、」「それが人出不足で優秀な指揮官がいません。臨時の指揮官となります。」「左第1が無いのはきついな。アクラー陸上歩兵隊の指揮をとれ。」

「師匠。」

「空兵隊を2隊連れていけ。アクラー負けそうになったらすぐに逃げろ。これは厳命だ。」


「ワイバーン隊はアクラーに1部隊をつけるぞ。アクラーを含めてこの基地からの攻略部隊は5部隊です。ならば、ワイバーン隊を5部隊に分けて上空を護衛させよう。今は40頭いるから8頭で1隊とするか。ユリ1人ワイバーン隊長を誰か指名してね。」

「了解しました。」

「よし明日の為に、今日は食べていいけど、飲むなよ最初の1杯だけだぞいいな。」

「「「ヨッシャー、おおお」」」


その日の飲み食いはみんながっつり食べていた。みんな楽しそうに食べている。

「もう一杯酒が欲しいな」ボソ。

大食いの男たちが食べる量は尋常ではない。牛一頭など軽くなくなるのだ。


そしてまだ食べられるようだ。腹が異次元になっているようだ。



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