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162話

「グラムット帝国から使者だと。」

「はい、グラムット帝国皇帝からの親書を持ってきているとの事です。」

「なら会わねばならんな。」



「使者殿。友好を結びたいと申すか。」

「はい、国王陛下。我が、グラムット帝国は本来貴国、オリオン王国とは戦争状態ではありません。この機に一度近隣国に対しても停戦条約を結ぶつもりであります。近隣諸国の盟主である貴国も和平に賛同しているという事を伝えるために友好又は交易の協定を結びたいと思います。」


「そうよな。後日親書を渡そうぞ。」



ハロルドは、この時期に友好、交易には何かあると思っている。簡単には返事は出来ない。グラムット帝国は何かを企んでいるのは間違いはない。

だが近隣諸国が停戦を希望した場合はオリオン王国も流されてしまうだろう。オリオン王国はグラムット帝国とは戦争状態にないとグラムット帝国が伝えているのだ。グラムット帝国の領地を奪い合っていて戦争はしていないと良く言い切る事が出来ると感心してしまう程だ。どうしても当事者としたくないのだろう。思惑が見え隠れするだけに、歯がゆく感じてしまう。グラムット帝国は何としてもオリオン王国と関係改善を目的としている。ハロルドにわかる事が一つだけある。グラムット帝国が今オリオン王国と友好関係を結ぶ必要がある。何かしらの為に必要なのだろう。


後日の親書にはオリオン王国はグラムット帝国との友好を歓迎するとの内容であった。


7公爵会議


「皆はどう考える。」

「オリオン王国にあり。グラムット帝国にない物がこのオリオンにあるのでしょう。」

「そうだろうな。その何かが分からんがな。」

「分かるよ。」

「えぇっ。アレク分かるのか。」

「多分だけどね。グラムット帝国はオリオン王国との戦争に勝つつもりだという事。そのためには手段を選んでいない。グラムット帝国は今の戦力ではオリオン王国には勝てないと判断したんだね。だから今は友好を結び、勝てる時期が来るまで待つことにしたんだよ。ただ黙って待つつもりは無いのでしょう、オリオン国内に入り色々とやるのでしょうね。戦闘行為以外をするための友好条約でしょうね。

グラムット帝国は自由にこの国に往来できることを目的にしていますよ。だから友好又は交易なんですよ。戦争の停戦ではそれで終わりですからね。」

「戦闘行為以外か一番厄介だな。アレク何か対策はあるのか。」

「あるけどでも問題もある。」

「まず対策だけど入国者にステータスカードの登録義務をして行く事だね。グラムット帝国の登録には少し細工をしておくから。これでほとんどの犯罪は防げると思うよ。だけど自由に入国できるとオリオン王国の技術等はグラムット帝国に行くことになるよ。友好の話が進めば魔通機の販売、魔法の販売等色々と断りにくい事が出てくるでしょう。グラムット帝国は自国の戦力強化していくでしょうね。国土と人口は圧倒的にグラムット帝国が上ですから。100ある力が110になれば総合でグラムット帝国の総戦力は上がります。総戦力も厄介ですが一番厄介なのが、魔法使いが大量にグラムット帝国に誕生してしまいます。オリオン王国がいくら強くても同時に数か所、いえ数十か所を攻められたら対応が出来ないでしょう。もし魔法使い、或いはオリオン王国の技術取得を目的とした友好条約ならグラムット帝国は相当本気だよ。勝つために敵にへりくだる事が出来る相手だという事だね。」

「グラムット帝国は国土も切り捨てるのよ、そのくらいやるわよ。」

「そうねやるわね。」

「・・・・・アレクの考えなら拙い状況だな。」

「そうですね、今までの様に圧倒的な強さでは勝てなくなるだろうね。苦戦も多少はするようになるかもね。オリオン王国も被害は出てくるだろうね。」

「そうなると今の前職では到底足りないな。」

「グラムット帝国の広さは大森林を入れたオリオン王国連合ぐらいあるはずだから。全く足りないね。そんな超大国がこんな判断が出来る事の方が怖いよ。皇帝と家臣たちが団結しているから出来るんだよ。以前のローエム帝国を考えてみてよ。皇帝が今の策を戦争状態の国に友好条約を結ぶことが出来るかどうか。」

「まず出来んだろうな、貴族共が猛反発してくるだろう。」

「そうです、だけどグラムット帝国はそれが出来る国なんですよ。」


「アレク、皇帝を殺してしまえば終わりじゃないか。」

「カイン兄、それは悪手だね。このグラムット帝国はもし皇帝を殺せば最後の1人まで戦うよ。戦争が終わらなくなるかもしれない。皇帝は殺したら今回はダメだね。」

「それじゃ、占領もうまくは行かないな。」

「レオン兄のおっしゃる通りです。今までのグラムット帝国外縁のような帝国民なら可能でしょうが、グラムット帝国国境坊壁内の土地は難しいでしょうね。帝国民の忠誠度が全く違うと思いますね。」

「そうなるとグラムット帝国にやられっぱなしか。」

「ルドルフ兄、今回はむこうが上手だったと諦めましょう。」

「アレク簡単に言うな。」

「父上。現状をみれば今は打つ手がありません、仕方ないですよ。ただオリオン王国も今のままの戦力ではありません。グラムット帝国以上に戦力の強化を考えればいいんですよ。」

「出来ればグラムット帝国とは戦争は避けたいな。」

「父上、私もそう思いますが、グラムット帝国は戦争に勝つためのに今回の策ですから無理です。」

「そうだな、こちらも色々と対策を考えんといかんな。」

「父上、」

「なんだルドルフ。」

「王国連合の強化も視野に入れて考えましょう。対グラムット帝国は総力戦になるでしょう。」

「そうだな各自策を考えてくれ。」

「「「はい。」」」



「アレクどうするんだよ。」

「カイン兄、オリオン王国の戦力強化は出来ますよ。」

「なら問題ないな。戦争になったらつぶせばいいだけだな。」

「カイン兄、今回はそう簡単に行きませんよ。皇帝を殺せば帝国民が最後の1人まで戦う。帝国の国境防壁内を占領しても、多分ですが帝国民までが兵として襲ってきますから簡単に占領も出来ないでしょうね。」

「じゃどうすんだよ。勝てないじゃないか。」

「一つだけ勝利の条件があるんですよ。グラムット帝国皇帝が負けたと帝国民に対して宣言をする事です。グラムット帝国では皇帝の言葉は絶対なのでしょう。」

「そうか、まぁアレクが策を考えるんだろ。任せたから頼むぞ。」


カインはそのまま、獣王国に帰ってしまった。


アレクもSEオリオン王国に向かうのであった。






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