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16話 カインのアイテム

オリオン領内、訓練場の指揮所で、カインは格闘していた。

カインは戦闘狂気味だ。

「カイン様、この書類を確認されるまで、戦闘訓練は禁止です。書類の訓練をお願いします。」

カインの机の上には、確認待ちの書類の山がある。

カインは明日やるからと、何日も逃げ回っていたのだ。

今朝、従士のトムと従士のジンに捕まり、部屋に軟禁中なのだ。

カインはしょうがないと、書類を確認していく。

「なぁ、書類で兵の名称が、従士、兵、隊員、とかバラバラで見にくいんだけど。」

「仕方がないですよ。雇った時の募集名をそのまま使ってますから。」

「あっ、これアレクス様から預かりものです。」

「おっ、やっと来たか。」

「なんですかそれ。」


「ふっふっふっ、これはな、書類仕事を画期的に、効率よく、正確に、作業するアイテムだ。」

「そんなアイテムが、あるんですか」

「アレクと父上と母上とルドルフ兄とレオン兄とマリアとイリアが使っているのを見つけて、俺にも作ってもらったんだ。やっと来たよ。」

「カイン様が、最後だったんですね。」

「・・・・・」

「こっ、このアイテムは製作期間1ヶ月も掛かるアイテムだから」

「これは、何に使うんですか?」

「まずは書類を机の上に置く。そして黒い布にポンポンとやって、書類にポンとする。完了だ。」

「おぉぉ、これは作業効率が上がりますね。」


ただのハンコである。アレクが作成すれば数分で出来上がる品物だった。


このハンコでカインのサインする手間が省ける。ポンポンと書類を片付けていく。


書類も片付き、カインは打ち合わせに入っていく。

カインは一度仕事をやり始めると、のめり込む様に仕事をやりだす。


単純で、優秀なのだ。


打ち合わせも多岐にわたり、どんどん進めて決めていく。

その内容は、訓練生の読み書きそろばん、休暇の割り振り、次回のブート・キャンプの日程、寮の増設等、色々なのだ。

読書きそろばんは、殆どが平民出身の為である。大人になってから字を覚えるのは大変のようだ。


だが、読書きそろばんが出来る者もいる。王都の孤児院の子たちはオリオン領に就職するために、読み書きそろばんを学習してからオリオン領まで来ているのだ。最初から読書きそろばんが出来る者は、通常より給料が高くなる。


休暇については、訓練がきついので、休ませないと効率が落ちる。絶妙なタイミングで休みを与えているのである。


ブート・キャンプは、アレク発案の試験だ。これがきつい。喋っていいのは「イエスサー」のみ。

2泊3日で、まず寝れない。山の中を走り続ける。狩りをするときも、止まってはいけなく走りながら獲物を狩っていく。訓練生の中で、耐えられそうな者のみがやらされるのだ。

優秀で選ばれるのだが、選ばれた練習生は、皆、死んだ目をしてる。

だが、キャンプを敢行した練習生は、一回り大きくなっているようだ。

ただ、後輩に話すときに、遠い目をしているのは、気のせいかもしれない。


寮の増設は急務だ。これが一番の優先課題のようだ。

訓練生の女性比が、半々にまでなったのだ。最初は男だけだったが、女性も働けると知り、募集者は女性の方が多くなってきている。そのうち6:4ぐらいの割合になりそうな勢いだ。

女性が多くなってきたことで、寮を男女で分ける必要が有る為、部屋数が足りなくなってきているのだ。このオリオン領は女性の力が強いのだ。

他領では女性の就職が厳しく、オリオン領では男女関係なく優秀な者から雇うので、女性が多くなっていく。(ローエム王国の人口比率は男女半々である。) 

(魔王軍の兵が増えてる。)


今回、増設する寮は女性専用となる。


「寮の件は、これでいいか。他にあるか?」

「兵装を一新すると、噂が出ています。」

「もう噂になってるのか。まぁでも、その辺はまだ何も決まってないからほっとけ。」

「他には」

「後は、シャワーの時間割と、食事のおかずを一品増やすことなので、こちらで調整しときます。」

「じゃぁ、終わりだな。」「俺は、訓練場に行ってくるから。今日は、リックとマックが来る日だよな。」

「ええ多分、待ってますよ。」

「あとは、頼むぞ。」

カインは練習場にて、カインVSマックと、カインVSリックとの魔法なしで模擬戦を行い、5戦全勝する。

カインVSリック・マックペアになると、連携をされていい勝負になる。

カインは、練習生にも模擬戦を強要している。カインが練習場に入ってくると、練習生は真剣に練習をしているので、カインは声をかけづらくなっている。


カインは脳筋であった。


カイン、気づけよ。













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