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145話

正式名 グローブオリオン王国  通称名 デリック王国と決まった。


建国の式典も無事に終わり。デリック王は一息ついていなかった。忙しさが倍増してしまった。

もう寝る暇もないほどに忙しいのだ。


「何が軍の事だけだ。くそーー。」


国の運営をやらなければならない。いくら軍事国家でマリア、イリアが行政、開発、財務を取り仕切り内政を行なっていても、王の決済は必要であった。今までの公爵領の4倍以上の広さである。仕事も4倍になっている。プラス、オリオン軍の管理があるのだ。




このデリック王国の貴族は全員が元平民である。元いた貴族は、一時的に平民に落とされている。現状のデリック王国は元平民の貴族しかいないのだ。この噂は北部、南部共にものすごい速さで広まっていった。

平民が建国をしたのだ。南部ドリームとなり我も我もと南部に来るものが増えていったのだ。


オリオン王国とデリック王国には国境はあるが身分証の提示だけで往来が自由である。デリック王国の民はオリオン王国に自由に行き来出来るようになり生活が向上した。女性の働き口が増えたのが原因の一つのようだ。今までのサウスローエムでは、働く事の出来なかった者が仕事に就く事が出来るようになり、家庭の収入が増えていったのだ。

人が増えれば問題も出てくる、オリオン王国はデリック王国に交番の設置を急がせた。

デリックは、すぐに許可を出したが追いついていない。軍の訓練を一時停止にして町の巡回にまわしている。

デリック王国の隣はオリオン王国であるが反対側の隣国はバッハ獣王国でありバッハ獣王国の隣にデオドール王国がある。要はオリオン王国、デリック王国、バッハ獣王国、デオドール王国と並んでいるのだ。このデオドール王国からの移民がデリック王国に増えているのだ。王国連合の中でデオドール王国の開発が遅れている。別の国であるためにオリオン王国は援助をしていないのだ。それでもデオドール王国の民は、以前のグラムット帝国時代より数段豊かな暮らしをしている。だが近くの国でもっと豊かに暮らせるとなれば話は違ってくるようだ。



デオドール国王は、オリオン王国に相談に来ていた。


相手をしているのは、ルドルフである。

「デオドール殿、いいかがしました。お疲れのようですな。」

「ルドルフ殿、お力をお貸しください。」

「開発の資金ですかな。」

「はい、何とかお借り出来ないでしょうか。このままではデオドール王国だけが貧困地帯になってしまいます。」

「デオドール殿、貴殿の国では獣人はどのように見ていますか。」

「どのようにとは、差別の事でしょうか。」

「それも一つです。」

「正直に申しますと、まだ差別意識はあるでしょう。ですが以前のような露骨に差別をするような者はいなくなっています。国民の多くは差別意識自体が無くなってきていると思えます。これもオリオン王国が教育に力を入れ意識改革を推進したおかげでしょう。」

「まぁ、お世辞はいいですから。話を戻しましょう。これは提案ですが、オリオン王国、デリック王国、バッハ獣王国、デオドール王国この4か国の国境を撤廃しようと思います。」


「国境の撤廃ですが。」

「そうです、国境の往来が自由になれば人も増え、仕事も増え、活気が出ます。デオドール王国の税収も上がる事でしょう。」


ルドルフはデオドールに国境撤廃の利点を説明をしていく。デオドールも経済圏という聞きなれない言葉にも慣れて理解を深めていく。


「どうでしょう、一番の懸念材料が先ほど言いましたが、獣人との関係です。家との間にバッハ獣王国がありますからな。」

「分かりました、国境の撤廃をいたします。その代わりに資金の援助をお約束してください。」

「いいでしょう。開発資金を出しましょう。ついでにすべて手配もいたしましょう。オリオン王国が開発するスピードは速いですからな。」

「私はオリオン王国に助けられた身の上です。オリオン王国にすべて従いますので、どうか宜しくお願い致します。」

「そんなに、遜らないでください。デオドール殿、あなたは賢い方だ。いい案にはきちんとして対応が出来る人だ。今は資金がなく。一時的に困っているだけでしょう。これから必ず盛り返せますよ。一緒に頑張りましょう。」

「あ、ありがとうございます。王国連合でよかったです。」

「そう言っていただけると、こちらも嬉しいですな。バッハ獣王国との調整がありますから、実行はまだ先になりますよ。資金はすぐにでも用意しますのでご安心をしてください。」


この4か国の国境撤廃はもう少し話が大きくなっていく。


オリオン王国の大森林に隣接するエルフ王国とエルフ王国の隣のドワーフ王国も参加する話になっていたのだ。大森林の川を使い行き来が出来るようになった事が参加のきっかけである。大森林の湖の島は中継地点都市として人口が爆発的に増えていく。


湖の島


「サリーナ女爵、後は頼んだ。」

「か、確保ーーー。逃がしませんよ、アレク様、私は毎日毎日と増える仕事に追われているのですよ。子が困っているのです。助けるのが寄り親の役目でしょう。」

「そ、そうなんだけど、無理でしょう。」

「そこを解決するのがアレク様ですよ。」


アレクには、どうすることも出来ない。大森林は開発をしている。追いつかないのだ。6か国の国境の撤廃、この噂だけでこの状況になっている。元々

湖の島は運河で繋がっているために往来は自由であった。そこに今回の話が持ち上がり商機に敏感な者達が押し寄せているのだ。

人口の多い南部では仕事を求めて移動するものが多い。川という移動手段が出来た事で拍車がかかっているのだ。


「アレク様、何か案はありませんか。」

「この島はもう広げられないからね、困ったね。」

「他の2つの小さい島をこの島の様に出来ませんか。」

「無理だね、最初に調べているんだ。水深が浅いこの島だから出来たんだよ。他の島は出来ても数百メートルの島にしかならないよ。」

「うううぅー。そうですか。どうしましょう。」

「湖の周りを開発するしかないでしょう。」

「開発はしています。追いついていないから相談しているのです。」

「取りあえず、湖の周りに仮設の建物を建てるから当座はそれでしのいでよ。」

「分かりました。当座は何とかしますから、何とか解決をしてください。」

「んーーーん。困ったね。大森林だと大きく開発が出来ないからね。各地に少しずつ村を造る感じだしね。この島の都市も広げられないしどうしよう。」



アレクは一人で考え込んでしまった。



アレクはこの大森林の調査書を眺めている。何かいい案が無いか、ヒントを探しているのだ。


いい案も浮かばず取りあえずアレクは、ガレオン号で大森林の他の湖を見てみる事にしたのだ。



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