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144話

仮称デリック王国の7伯爵会議で着々と建国の段取り、内容等が決められていく。参加していないのはデリック一人だけである。

「デリック王国は軍国家として。貴族は全員軍に所属させましょう。」

「アレクどうしてだ。」

「はい、父上。それはですね、貴族を鍛える事。それと貴族を振るいにかけます。あまりにもひどい者は仕方ないですが平民に落としましょう。財産を持たせて農家でもさせときましょう。」

「そうだなデリックが王に成ったら側近も平民出身で固めるか。」

「そうなるでしょう。何しろデリックはオリオンの騎士団長でしたからね。部下達は皆、今は貴族ですがオリオン騎士爵時代の者はみんな平民でしたからね。父上以外は貴族がいませんでしたからね。」

「まぁ、そうだったな。そう考えると今は凄いな。」

「そうですよ、大森林を入れると超大国ですよ。」

「・・・・大森林なしだと普通の国だな。」

「いいえ違いますよ、オリオン王国は王国連合の盟主ですよ。普通の国ではありません。普通の大国です。」


「ハ、ハロルド様、そ、それは無いでしょう。」

デリックの絞り出すような声にみんなが振り向く。


「デリック、頼む。内政はマリアとイリアがすべて受け持つ。デリックは軍隊だけでいいからな、なっ、なぁー。頼む。」


「ハーー。ハロルド様、時期を見てオリオン王国に合併してください。これを約束して貰わないと受けれません。必ずです。絶対です。約束ですよ。」


「分かった。分かってる。分かっているとも。デリックありがとう。」


「「「「おおおおおお、パチパチパチ・・・・」」」」


「フレー、フレー、お、う、さ、ま。王様ーがんばれよー。」アレクはデリックに掛声をかけている。


こうしてデリック王の誕生が決まった。



サウスローエムの城内


元サウスローエムの貴族たちが勢ぞろいしている。


そこにオリオン王国ハロルド王が登場する。

「サウスローエムの者たちよ。皆に集まってもらったのは、今回オリオン王国とローエム帝国との協定で決まったことを伝えようと思ってな。」


「私は、サウスローエム王国のダラシ・ナイット準男爵です。ローエム帝国がオリオン王国にサウスローエムの地を譲渡したことは理解しております。我らの領地は保証していただけるのでしょうか。」

「ナイット準男爵よ。お前は今、何故、この場所にいるのだ。ウェルソン王とドレイブに移るのではないのか。」

「・・・・・」

「他の者達も同じだ。何故ここに残っておるのだ。」

「・・・・・・」

「国外退去を命ずる、良いな1週間以内に国外退去するように。」

「お、お待ちください。オリオン王。」

「ナイットよ、もう用は済んだ。」

「お待ちください、オリオン王。我らはこの地以外に住む場所がありません。ローエム帝国では爵位もなく帰れません。ウェルソン王にも見捨てられました。どうかこの地に留まる事をお許しください。」

「サウスローエムでは貴族であったようだが、オリオン王国では、お前たちはサウスローエム王国の元貴族となる。優秀な者がいればオリオン王国で雇ってやっても良いぞ。全員は無理だが数人程度なら雇うぞ。」

「・・・・・・・」

「オリオン王。私はコレット・アダムス騎士爵です。私には今領地があります。今の領地を継続する事は出来ないでしょうか。」

「お前たちは何も理解をしていないようだな。何故見捨てられたのか。何故おいて行かれたのか。

お前たちはサウスローエムを細かく領地を分割してしまい、200にも分けていた。貴族、領民と問題を起こし今に至るのではないか。お前たちに領地の管理が出来るとは思えんな。」

「り、領地に残った、ば、場合はどうなりますでしょうか。」

「当然、討伐するぞ。許可なく居座っているのだからな。」

「私はもう行く当てもありません。オリオン王国で雇ってください。何でもしますお願いします。」

「・・余には決められないのだ。このサウスローエムは余の筆頭家臣が引継ぐ事になっていてな。その者の考え一つだな。」

「お、お取次ぎを、お、お願い、で、できますでしょうか。」

「お前の目の前にいるぞ。」

「デ、デリック公爵ですか。ローエム王国の平民ではありませんか。」

「アダムスよ、何か勘違いをしているようだな。今のお前は平民ですらないのだぞ。」

「・・・・・・」

「デリックよ、あとはすべて任せる。」

「陛下の御意のままに。」


ハロルドは部屋を出て行ってしまった。その入れ替わりにオリオン軍の者達が入ってきたのだ。

残されている貴族達に緊張が走る。


「私がこのサウスローエムの地を預かる。デリック・グローブだ。」


「1週間以内に出ていくよう、通達があったができれば従ったほうがよいぞ。残れば悲惨な目にあうだろうからな。」

「デ、デリック閣下。何とかなりませんか。」

「ほう、急に強気になったか。俺も舐められているようだな。」

「い、い、いえそ、そそ、そうではありませんも、もも、申し訳ございません。」

「先程、陛下が仰っていたが、お前たちは今は平民ですらないのだ。だが私に従うのであれば、私から騎士爵を与えてもよいぞ。」

「本当でございますか。」

「ああ、この元平民に従うのならな。」

「・・・・・・」

「わ、私は、準男爵であります、なぜ騎士爵なのでしょうか。」

「誰かは名前は知らぬが、勘違いをしたままだな。いいか今のお前たちは平民ですらないのだ。どこの国の者でもないのだ。準男爵大いに結構だ。準男爵、貴様はどこの国の準男爵なのだ。」

「・・・サウスローエム王国の準男爵です。」

「では、サウスローエム王国はどこにあるのだ。私の記憶では存在はしていないのだが。」

「・・・・・・・」

「では元準男爵、貴様はどこの国の者だ。」

「・・・・・・」


「いいか貴様らは、見捨てられ不要とされたのだ。私に従う者は、一時的に滞在を許可する。全員が軍に所属をしてもらう。1年間耐えた者だけに、騎士爵の位を授ける。騎士爵とは騎士だ。戦えない者には必要あるまい。ああ、だが心配するでない。戦いに不向きな者もいる事は理解している。軍は戦闘だけではないから安心してよいぞ。」


サウスローエムに残っていた、元貴族達150人の内、120人がデリックに従うと誓約を交わした。残りの30人はローエム帝国に戻るようだ。


残った120人の軍人達は、デリックの部下に連れられてオリオン王国の軍宿舎に入れられた。120人は過酷な訓練に励む事だろう。  



デリックがサウスローエム王国元貴族の処理を完了すると、マリアとイリアが領地再編と開発を始めるのであった。

オリオン王国の隣地であり、オリオン王国より大量の労働者が元サウスローエムに流れていった。

多少は開発されていたこの地は優良な土地である。少しだけ手を加えればいいだけであったのだ。

現領民との開発の話し合いもスムーズに進んでいる。今までが酷過ぎたようだ。




デリック王、誕生はもうすぐのようだ。


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