132話
迷宮都市
「ミル、ミル。」
「どうしました、オースト王国の事ですか。」
「そうなんだ、国王にされたんだ。こんなはずでは無かったんだ。」
「アレク。オースト王国を滅ぼしたのですよ。責任は取らないといけません。私も協力します。」
「そうだよね。ごめん。」
アレクとミルは話し合いをした。ミルは妊娠している為、すぐには旧オーストには行けない。子供が生まれて少し経ってから旧オーストで暮らすようにする。それまでに、迷宮都市で領主代理を出来る者を探し育てる事になった。迷宮都市には母と妹が滞在しているので問題はない。
アレクはエスティナ義母とエルティナ妹に了解とお願いをしていた。この場に残る唯一の男の子のマリウスにも頼んでいた。マリウスは頼られて嬉しそうにしていた。張り切っているのが分かる。
そしてアレクは義母エスティナに人の紹介を頼んだのだ。ミルトン王国で誰かいないか探してもらおうと考えたのだ。
エスティナも承諾していた。早急に人材を送る事となった。
アレクは迷宮核に木人兵と機人製造の指示をだした。完成後にSEオリオン王国に輸送の指示も出した。
迷宮都市での一通りの指示を終えたアレクは、ガレオン号に乗り水の都と湖の島に向かい、今後の事を説明して回っていた。
湖の島から水の都を経由してSEオリオン王国に定期船を運行させることや、空からも定期便を出すことを告げていく。カリーナ女爵とサリーナ女爵にも人材を探して送ってもらうようにお願いをしていた。
水の都も湖の島も開発が進み都市として完成をしていた。周りの開発も進んでいるようだ。
アレクはSEオリオン王国に一度戻り、また来ると言い放ち、ガレオン号で消えていった。
アレクはSEオリオン王国に戻ってきた。そこで衝撃的な事実が待っていたのだ。
ユリが妊娠を告げたのだ。ユリは長期休暇に入ってしまうのだ。
当分はこの王都に住む予定であるという。
アレクは気を取り直して人事の話をしていく。
「そうなると、防衛の振り分けを変更だな。リック。」
「はい、師匠。」
「リックには、水の都で艦隊を指揮してくれ。グラムット帝国への防衛だな。中型艦1隻、空母1隻、小型艦を4隊で16隻だ。頼むぞ。水の都と湖の島にはワイバーン隊が4隊常駐しているからそれも指揮下に入れるよ。」
「分かりました。」
「マックはこのSEオリオン王国の全域の防衛艦隊の指揮を執ってくれ。戦力は中型艦1隻、小型艦32隻で8隊と空母2隻だな。マルコ隊、トリス隊も一緒だな。マックは、マルコ分隊とトリス分隊で分隊で警戒網を作れ。今は国境の砦兵もいない状態だ。空兵隊をフル活用してくれな。」
「了解しました。」
「後、バレーとホリーにも艦隊で獣王国、水の都、湖の島、王都ブレストそしてSEオリオン王国を回ってくれ警戒任務だ。戦力は中型艦1隻、空母1隻、小型艦を12隻で3隊を2艦隊だ。重要だからな頼むぞ。」
「「頑張ります。」」
「カイとレイカは僕の艦隊に所属してもらう。戦力はガレオン号、中型艦2隻、小型艦8隻、空母1隻。ガレオン号が単独行動の時はカイが艦隊指揮官だいいな。レイカはワイバーン部隊の総指揮官だ。」
「「はい了解しました。」」
「また建造中の艦が出来たら新しい艦隊編成をするからな。北部にも出さなきゃいけないからな。」
「師匠、レンジ、ライト、マイケルの3人なら使えますよ。」
「んー。リックと同じ孤児院だったな、空兵隊の隊長か。」
「そうです孤児院出身ですが、人望があり頭がいいです。艦隊も指揮できますよ。」
「そうだな陸戦も出来るよな。」
「そうだな、レンジに北部の巡回任務に就かせるか、中型艦1隻、空母2隻、小型艦8隻で行こう。」
「空軍はこれでいいな。後はSEオリオン王国内の事なんだが人がいない。」
「・・・・・ライト、マイケルをSEオリオン王国の軍隊に引き抜きますか。」
「んーーー。ライトとマイケルを呼んでくれ。」
「はい。すぐに呼びます。」
そうアレクは、ここまで空軍だけを担当していた。空兵隊が艦隊の人員なのだ。あくまでアレク艦隊はオリオン空軍なのだ。他の所属にするわけには行かないのだ。オリオン王国連合の空軍なのだ。
オリオン王国連合各国の空を守るのが任務なのだ。
ライトとマイケルがアレクの元に現れた。アレクは二人に事情を話し、SEオリオン軍に移動を打診したのだ。ライトとマイケルはアレクの打診を快諾をしたのだ。ライトとマイケルはアレクの役に立れば何でも関係は無かった。移動がSEオリオン王国軍というのも大きかったようだ。
アレクは現状戦力を説明をした。SEオリオン軍は全兵力、衛兵、警備等も含め25000人である。広い国内全域での人数である。通常、この広さの国であれば5万の兵力が必要なのだ。警備兵、衛兵、も入れると8万~10万であろう。だが戦争で数を減らした影響で兵がいないのである。
アレクは警察組織に20000人、SEオリオン軍に5000人とした。SEオリオン軍は兵を募集して補う事となった。この5000人はベテランの兵を残していた。全員を士官とするためだ。5000人の士官に教育をさせて兵を育てるのだ。
警察は軍所属の予備軍扱いとなった。こちらも人員の募集はするがSEオリオン軍が優先とされた。警察は、国内の犯罪捜査、警備等のすべてを行うのだ、もちろん交番勤務も含まれていた。
実際には20000人では到底足りない。足りない人員は、退役軍人を臨時で雇用する事となった。SEオリオン王国では治安維持が急務だからだ。ライトに警察組織の長官にした。マイケルは陸軍の将軍としていた。
その後の話でライト、マイケルは男爵に陞爵された。2人は信頼する部下として空兵隊から各10人を直臣として引き抜く許可を貰いに来た。
アレクはその者たちにも騎士爵を与え警察と陸軍に組み入れた。
「軍と警察はこれでいいな。後は、内政の大臣か。」
後日
城内に、元オーストスト王国の生き残った大臣と官僚達が集められていた。アレクはその者たちにステータスカードを登録をさせたのだ。能力を確認するためである。元大臣、官僚は法衣貴族が殆どを占めていた。アレクは、中堅以上の地位にある中から能力の高い者を役職に就けるのだ。
アレクは次々と能力のある者を要職に就けていく。
「後は大臣か。センドリー・ノースト。」
「はい。」
「貴様は北部出身だな。」
「はい。イングリット王国の割譲時に貴族籍が抜かれました。ローエム帝国に滞在時にイリア様に拾われ、こちらに参りました。」
「そうか卿のステータスカードは優秀だ。イングリットも勿体無い事をするな。」
「ありがとうございます。」
「卿は、今からSEオリオン王国の宰相だ。爵位も伯爵とする。以後励め。」
「あ、ありがとうございます、陛下に忠誠を誓います。」
「まぁ、そんなの後でいいから、後が閊えてるから。」
「財務大臣はルビー・トレロートはマリア姉の紹介か、子爵位を与える励めよ。」
「ありがとうございます。」
アレクは、外務大臣をローガン・フォレント子爵を伯爵にした。内務大臣をマルキス・レーセント男爵を子爵にしてすべての内政の長とした。内務大臣の下に商業庁、工業庁などを組織を作っていったのだ。外務大臣の下は各国の大使が置かれる。
「この人事は、見直す。仕事が出来ない様なら入れ替えるからな。宰相。」
「はっ。」
「SEオリオン王国の民全員にステータスカードの登録を義務とする。早急に手配をしろ。」
「全員ですか。」
「そうだ、赤子から老人まで。貧困している者から裕福なものまで全員だ。」
「はっ、早急に手配いたします。」
「1週間後に状況報告を各大臣より受ける。」