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129話

ルーアニア王国王都


「アレクス殿、ありがとうございます。」

「ゲートル伯爵、どうしたの。お礼なんてして。」

「アレクス殿、私は陛下からミルトン軍をお預かりして来ているのです。」

「ああ、ごめん。トレイス義父上の祖国だったね。」

「そうですとも、元はルーアニア王国の王族ですから。」


アレクはゲートルと話をしながら、ルーアニア国王に謁見する事を話す。


「今からルーアニア王に会いに行くんだ。」

「例のオースト王国の侵攻の件ですか。」

「そうだよ、今なら、オースト王国も油断しているでしょう。逃亡して兵も王都には着いていないでしょうしね。」

「そうでしょうな。どんなに急いでも3,4日はかかるでしょう。」

「僕の船なら、今日中にオースト王国王都に行けるからね。」


アレクはルーアニア国王と謁見をしたのだ。


国王はミルトン国王との約束通りにオースト王国の侵略の承認を認めたが。アレクはオースト王国を占領したときにルーアニア王国からの報酬としてもらう事にしたのだ。アレクは、ルーアニア王に終戦の案を出したのだ。アレクがオースト王国を速やかに降伏をさせる。オースト王国を降伏をさせた後に、ベレーヌ王国とブライ王国に降伏勧告を出し有利な条件で降伏を進めてはどうかと囁いたのだ。


ルーアニア王は、このアレクならオースト王国を降伏させるのだろうと思っていた。

王はアレクの条件を聞き入れて誓約書を交わした。


アレク艦隊は、ユリ艦隊、マック艦隊、リック艦隊を引連れてオースト王国王都に向かった。


「師匠、本当にオースト王国は降伏するでしょうか。」

「降伏はするね。だけど、その後が厄介かもね。」

「親グラムット帝国だからですか。」

「それもあるけど国土が広い。それ故、元からの住人がいるからね。今までカイン兄が滅ぼした小国と違って歴史のある国だからね、滅んだら反発もあるだろうね。」

「懐柔をするんですか。」

「やれる事はすべてやるさ。降伏させてからは予想が付かないからね。出たとこ勝負だね。」

「そうですよね、北部と違って民の感情が読みにくいですよ。」

「親グラムット帝国って分かんないよね。」

「そうだよ、リック。人の心なんて誰にも分らないよ。」


アレク艦隊は、その夜にオースト王国王都上空に到着した。


作戦を説明する。

アレクはオースト王国の攻略作戦を伝えていく。「まず王都の出入口4か所を各小型艦2隻で封鎖、各2小隊で行う。城門も同じ様に封鎖をする。ガレオン号は城に強行着陸で進入をする。残りの艦隊は上空警戒と他の支援、ワイバーン隊は2隊を城の上空警戒、他は王都周辺の警戒に当たる。」

「機人と木人兵が城門を封鎖するから出入りは不可能だろうけど抜け穴とか在りそうだし警戒を怠らないようにな。」


「よし。各艦はガレオン号が城に突入後に艦のライトを点けるようにな。それで異常に気付くだろう。」

「そうですよね、夜だし音がしないから気づいていない様ですね。」



「ガレオン号、突入せよ。」



ガレオン号が、城に向かい移動していく。他の艦も各自の目的物に向かって移動を始まる。

ガレオン号が城の広場に強行着陸をしたのだ。「ガガガガーガアガガアー。」


鎧機人が城門に向かう。その後に木人兵たちも着いていく。

アレク隊の各小隊は、隊ごとに城の中に散らばっていった。アレクは、機人4体を連れて城の奥に向かった。


ガレオン号が突入するまで城は寝静まっていた。真夜中に敵が攻めてくるとはこの世界の常識では考えられない事なのだ。ろくな照明もないこの国の夜は寝るものとなっていたのだ。そこに目が潰れるような明るい光が王都中を照らしているのだ。王城、王都民の人々は驚き、慌てた。逃げようと出口に向かうが封鎖されている為に、どうにもできなかった。

オースト王国の兵たちもほとんどが出兵している為に、殆ど兵がいない状態であった。唯一いる所は、城にいる衛兵と騎士たちであったが、機人に瞬殺されていた。

アレクは、城内の人間を捕まえては、王族の居場所を聞いて回った。やっとの事で王族の居住区に着き捜査を開始したのだ。

アレクは捜索を小隊と機人に任せて、大広間に移動していた。捕虜をこの場所に集めているからだ。大広間は、人ですし詰め状態になっていた。

これでは尋問もできない。アレクは部屋を分けた、偉そうな者とそうでない者に分けた。服装と態度で決めたようだ。

アレクは偉そうにしている者は、狭い部屋に軟禁をした。他の者は大広間にそのままで待機をさせたのだ。


アレクは数人に尋問を行っていた。城で働いている者たちは、ルーアニアの侵略が失敗に終わったことに驚いていた。まさか3か国で攻めて敗北をするとは想像もしていなかったのだ。

アレクは、その報復としてこの国を逆侵攻してきたことを告げていく。話を聞いている者たちは顔が青ざめていく。


そして王族が見つかったと報告が入ってくる。


「それじゃ、会ってみようか。」


王族が捕らえられている部屋に入っていく。


「こんばんは。この中で王は誰ですか。」

「・・・・・・・」

「王は誰ですか。」

「・・・・」

「いないようですね。すべて殺しなさい。」

「ま。まて、王は私だ。」

「あなたが王ですか、降伏勧告に来ました。降伏するなら命は助けましょう。」

「え、こ、降伏すれば助かるのか。」

「ええ、降伏すれば命を奪いませんよ。」


オースト王は考えてが今、命を繋ぎとめるためには降伏しかない。降伏すれば助かる、この男の言葉を信じるしかない。


「じ、条件がある。」

「まぁ、なるべくご希望に沿いましょう。どの様な条件ですか。」

「降伏する、だから財産の持ち出しを許可してくれ。」

「その前に少し質問です。王族はこれで全員ですか。」

「そうだ私の家族だ。第一夫人、第二夫人、子供が4人だ。」

「それ以外は殺しますがいいですね。」

「待て、待ってくれ、もう結婚している息子が1人いるその妻と子供も助けてくれ。」

「いいでしょう。助けましょう。財産の持ち出しも金貨1000枚とします。普通の家なら人生を何十回も出来る金額です。大事に使ってください。」



「この降伏文章をよく読んでからサインをしてください。」



その降伏文章はオースト王国の国王の退位。王族の国外追放。国土をすべてアレクスに譲渡する旨が記されていた。

ルーアニア王国への侵略戦争を上記の条件によって終結となっていた。

王の条件追加により王族の生命の保証も追加された。だが上記の誓約を破った場合には王族の命で償うことも記された。


こうして降伏文章は誓約書としてオースト王国国王は最後の仕事として誓約書にサインをした。



アレクはこの誓約書を持って王族と共に大広間に行き、元王に読ませ聞かせた。

この行動は城内中で行い、翌日には王都人の前でも行った。



そしてその翌日には、元オースト王の家族たちは、豪華な馬車に乗り、護衛付きでオースト王国を後にした。


その豪華な馬車を見送った王都民達の心境は複雑であった。自分たちを見捨てて逃げていくように見えていたのだ。



そして数日後に、ボロボロの格好をした兵士たちが王都に帰ってきたのだ。一人二人と帰ってくる兵士を王都民は冷めた目で見ていた。





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