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126話

迷宮都市


アレクは、獣王国での色々な手配を終えて、湖の村に戻ってきていた。


「ミル、聞きたいんだけど。迷宮都市の貴族って少ないの。」

「貴族ですか、そうですねこの規模の都市ですと、4,50人はいりますね。」

「やっぱり少ないんだ。増やそうか。」

「大丈夫ですよ、迷宮都市の貴族はいませんが、オリオン王国の貴族が居ますから問題ありませんよ。」

「なんだあの人たちは、貴族だったんだ。」

「領地持ちだけが貴族ではないですよ、法衣貴族もたくさんいますから。」

「そっか、ならいいや。で今日は何する買い物。」

「そうですね、買い物に行きましょう。」



アレクとミルは迷宮都市最大の商店街メイン通りを歩いていた。



「アレク、ここは不思議な都市ですね。」

「ん。不思議?」

「そうですよ、この山脈には誰も人が住んで居なかったと聞きました。それが数年でここまでの大都市が出来ているんですよ。それにみんな笑っていますよ。ここの生活に余裕があるからですよ。」

「そうだね、まだ10年たっていないね。それにここは自治権が有るから、誰からも干渉されないからね。」

「一つの国ですよ。都市国家ですね。ふふふっ。」



「こ、このお店に入ろうか。」

「はい。」

アレクとミルは色々な店を見て回った。



楽しい日常を送っているが、アレクは同時に迷宮都市の改造も行っていた。




この迷宮都市には、自治権がある。所属はローエム帝国だがアレク自治領主が治める都市国家だろう。

北部と南部をトンネルで繋ぐ山脈の中に存在する大都市である。この都市には迷宮が二つ存在している故に迷宮都市の名で有名である。都市防衛も下手な国家など及びも付かないほどの、強固なものになっている。

だが、現在何も問題がないわけではない。人口の増加で自給自足が出来なくなっていた。アレクはこの問題を解決するために迷宮の改造と都市の周りに農地を作り、改善するつもりのようだ。

迷宮の改造は、今までは1層から10層までを農地、酪農等にしていた。二つの迷宮で20層だ。それを各2層から15層を農地、酪農層にしようとしている。二つの迷宮で28層分の農地に改造する。約8万人の食料を生産できる予定だ。冒険者の為に16層からの下層は魔物が蔓延る世界となっている。

その迷宮でも初心者用を16層から20層、初心者、中級者用を21層から30層、上級者用を31層から40層と各層を改造している。41層から50層にも魔物はいるが、上級の冒険者でも生きて帰れないだろう。このことは、冒険者ギルドにも伝えている。自己責任だ。今二つの迷宮は最下層が60層と80層である。51層より下層は緊急時のために、何かの為に、アレクが何かをやっているようだ。


そして今回最大の迷宮改造は、1層を都市に変更する事だ。

今の迷宮都市は、迷宮の外にある。そこに10万人もの人が生活をしている。広さ的にはまだ問題はないが、将来を見据えると手狭になっていくだろう。アレクは、今のうちに改造を行い、本当の迷宮都市を造ろうとしていた。迷宮の1層の広さはいまの迷宮都市がすっぽりと入ってしまうほどの広さがある。そこに今以上の都市を迷宮内に造る。もちろん今ある都市も残すつもりだ。


迷宮内都市は10万の人が生活できるように設計をしている。ただ今までの都市と大きく違うのは防壁が無い事だろう。迷宮自体が防壁の役目をしている為、必要が無いのだ。万一人口が増加しても簡単に区画を増やすことが出来るため居住地以外は農地も残している。



そんな忙しい日々を送っていた。そしてアレクはパパになった。いやパパになる予定だ。



アレクは、ミルから妊娠の事を聞いて。嬉しくなり都市に住む住人に祝いとして酒と食べ物を無料にしたのだ。迷宮都市は、お祭り騒ぎとなり2日後の酒が無くなるまで騒ぎは続いた。


行政の人達は、酒の緊急輸入を決定した。各所に連絡をして輸入を開始したが2日では到着しなかった。数日後に酒と一緒に各国の要人が一緒に来ていた。


ローエム帝国からは、マリウスとエルティナ。オリオン王国からはハロルドとエレメル。ミルトン王国からはトレイス王とエスティナ王妃がやってきたのだ。

実際はマリウスはエルティナの付き添い。ハロルドは仕事をサボる為に来ていた。他の人達は純粋にお祝いとして来たのだ。


アレクは、大喜びでみんなを歓迎をした。


「アレク、おめでとう。」

「母上、ありがとうございます。」

「アレクもこれで父親だな。」

「父上まで態々、お越しとは仕事はいいのですか。」

「・・・・・」

「そんなことだと思いましたよ。早く帰らないと怒られますよ。」

「・・・・・だ、大丈夫だ。少しぐらい。」

「マリウス君とエルティナちゃんも来てくれてうれしいよ、ありがとうね。」

「「アレクスお兄様、おめでとうございます。」」

「二人ともありがとう。ミルが奥で休んでるから顔を見せてやってよ。」

「「はい、ではお姉ちゃんにあってきます。」

「早くいこう。マリウスーぅ。」


「おめでとう。アレクス殿。」

「トレイス義父上、エスティナ義母上。アレクでいいですよ。殿を付けられると堅苦しいですよ。」

「そ、そうだな。アレク、おめでとう。

「ありがとうございます。奥にミルが居ますのでどうぞ。」

「では一緒に行こうか。」


アレクはミルに安静にと言い張り挨拶を一人で行っていたのだ。ミルは呆れていたが、アレクが真剣に話をしていたので、仕方なく奥で休んでいたのだ。

それを聞いたエレメルは、アレクを怒っていた。

アレクは過剰に反応している。エレメルは、女同士で話し合い。決定した。マリウス、エルティナ夫妻とエスティナ王妃をミルティナの子供が生まれるまで付き添いとしてこの屋敷で暮らすようにしたのだ。

それに反対をしたのが、ハロルドとトレイス義父だ。自分たちも滞在すると言い張ったのだ。これは一瞬で二人の王妃に却下されていた。


アレクはミルの母と妹が滞在をしてくれることを喜んでいた。

ミルも凄く嬉しそうにしているので、アレクは又張り切ってしまった。


エスティナとマリウス、エルティナの為に高速の飛行船を造船してプレゼントをしたのだ。


またエレメルに怒られていたが、最後に褒められていた。


アレク少し、照れていた。



エスティナ、ミルティナ。エルティナの親子は楽しそうに生活をしてる。



アレクは、都市開発を急ぎ行っていた。マリウスもアレクに付いて回り色々と教えてもらっているようだ。ローエム帝国皇帝の差しがねのようだが、マリウスは純粋にアレクを慕っている。

アレクもその事が分かっているので、マリウスを指導しているのだろう。



そしてカインからも、子供が出来たと連絡が来たのである。



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