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120話

ハロルドとルドルフの対決が終わり、一息ついていた。


「アレク。」

「なに、ルドルフ兄。」

「俺の子供にも、能力解放出来るのかな。」

「出来るけど、もっと大きくなってからだね、物事をきちんと考えれるようになってからだよ。」

「そうだな、悪かったな。変なこと言って。」

「いいよ、親なら当然、考える事でしょう。ルドルフ兄の子供だけじゃなくオリオン一族の者はすべて能力解放を出来るようにするよ。これは、僕が死んだ後も出来るようにしておく積もりだよ。」


ルドルフは、アレクの言葉に驚いた。このアレクは、どこまでの事を考え、行動しているのだろうか。アレクはなるべく自分より兄弟を目立つようにさせているように感じているルドルフである。

ルドルフの考えは当たっている。アレクは、兄弟たちを前に出し、自分は支援に徹しようとしている。

オリオン王国、アレクはこの国を大国にしようとしているのだ。


だがこの世界は広い、アレクの考えているよりも大陸は大きいのだ。


「ルドルフ兄。オリオン王国の次期国王だからね。父上の上をいかないとね。父上が浮かばれないよ。」


「この馬鹿者が、私はまだ生きてるぞ。」ゴン。


アレク久しぶりのゲンコツを喰らう。


「いたーー。」


みんなが笑いだす。


「バカだねー。」

「毎度のことだね。」

「いつもの事よ。」

「ハハハハ。」


仲の良い兄弟たちを見ているエレメル。


エレメルは、息子たちの妻たちと話をしている。マリア、イリアの夫も此処にいるのだが、あまりしゃべらないのだ。下手に喋ってカウンターパンチを貰うよりは黙っていた方がいいと判断しているようだ。デリックの助言があったのだ。


エレメルはカインの妻、カミュウと一番仲がいい。カミュウの親は亡くなっている。エレメルが結婚の準備等をしたせいもあるが、カミュウがエレメルを頼っているのだ。カミュウは獣人だ。オリオン王国は、種族の事を気にしていないし差別もしない。だが諸外国は違う、獣人というだけで差別されるのだ。カミュウは、エレメルを頼り、諸外国、特に北部に獣王国の事を宣伝をしている。少しでも獣人の地位向上をさせたいためである。南部では差別がありすぐには差別はなくならない、だが北部では獣人自体がいなかったので差別はあまりないが、人間主体の考えになっている。

獣人の宣伝等は、余り上手くは行ってはいないが、いずれは。少しずつでも知れていけばいいと思っているようだ。

カミュウの事はクリスとメアリーも協力をしている。クリスはロ-エム帝国の皇帝の子だ。交友関係が広い。メアリーも大使次官で諸外国との繋がりがある。二人は獣人の地位向上為に、事あるごとに話をしているようだ。

アレクの妻ミルは、南部のミルトン王国の王族ではる。南部は獣人の差別があるが、比較的ミルトン王国は差別が少ない地域だった。王族というのもありミル自身は差別を意識さえしていなかったようだ。

なので、ミルとカミュウは非常に仲がいいのだ。アレクとカインが仲がいいのも手伝っている。かもしれない。


そんな嫁と義母は仲いい。実の娘は、仕事の鬼だ。だが仲いい。


そんな和やかな中、獣王国より通信が入る。


「カイン様、獣王国より。至急の通信が入っております。」

「おう、今行く。」


数分後。


「大変だ、隣のムレットが攻め込んできた。」

カインはアレク達の集まる部屋に駆け込んできた。

「カイン兄、ムレット王国ですか。」

「そうだムレット王国だ。」

「親グラムット帝国ですね。大至急戻りましょう。父上、僕とカイン兄は獣王国に向かいます。」

「分かった。オリオン王国も兵を出すか。」

「いいえ大丈夫だと思います。機人と木人を多数配置していますから大丈夫でしょう。それよりもオリオン王国側の警戒をお願いします。陽動だとは思いませんが、万一がありますから。ホリーとバレーの艦隊をオリオン側の防衛にしておきますので、なにか有れば対応は出来ます。」


「皆もオリオン王国に戻るぞ。」


オリオンの人達は各自の場所に戻っていった。


アレクとカインは、急ぎ獣王国に向かっていた。


「アレク、ムレット王国は何で今攻撃してくるんだ。」

「カイン兄がいない事を知ったのかもしれませんね。だけど様子見程度でしょう。」

「本気で攻めてきてないってことか。」

「そう思います。」

「なんか馬鹿にされてるようで、ムカつくな。」

「カイン兄らしいですね。ハハハッ。」

「なんかアレクにもムカつく。」

「カイン兄、敵が攻めてきたのは間違いないです。撃退したら此方から逆侵攻してやりましょうよ。」

「おおお、いいな、いいな。それで行こう。やっぱり攻めだよな。」

「そうでしょう。国を大きくしましょうよ。」

「大きくはヤダな、大変になるから。」

「大丈夫ですよ、僕に任せて。」

「まぁ、その辺は任せるよ。俺は戦えればいいしな。」



カインとアレクはその日のうちに獣王国に到着をしていた。


「状況を教えてくれ。」

「はっ、カイン様。隣国のムレット王国が兵1000で国境を越え侵略をしてきましたが、木人兵と鎧機人の50体に殲滅させられました。捕虜を10人ほどではありますが捕まえております。」

「尋問はしたのか。」

「はい、尋問をしたところ、獣王国に侵攻の前段階の様です。」

「そうか分かった。」

「カイン兄、一度僕が尋問するよ。いいよね。」

「アレクがか、まあ、じゃぁ頼む。」


アレクは、捕虜を独房に移した。そして一人一人に尋問をしていった。

「あなたの所属国と姓名は。」

「ムレット王国。セルンです。」

「あれ、随分と素直な方ですね。驚きました。」

「もう殴られるのは嫌です。」

「ああ、そうでしたか失礼しました。」


獣人達の尋問は、人間には異常で獣人では普通であった。答えなければ殴る。獣人は当たり前の様に行っていたが、人間には拷問であったらしい。


アレクはその事を聞き、セルンに謝っていた。

セルンは、優しくされて安心したのか、知っていることを素直に話した。

ムレット王国は、侵攻の準備をしていたが、まだ先の話だと聞いていた。だが突然に2個中隊1000人が威力偵察として出されたようだ。その結果により作戦の変更が検討されるようである。

ムレット王国の兵力、グラムット帝国の人間の有無を聞いていった。

セルンは知っていることは素直に答え。協力的であった。

アレクは他の捕虜にも同じように尋問を行い。同様の答えを聞いていた。


「カイン兄、この侵攻は少しおかしいよ。」

「獣王国が、逆侵攻をするように待っているかも。」

「なんでそう思うんだ。」

「捕虜が、協力的過ぎるのが一つ。1000人の侵攻後にムレット王国の国境警備にも兵の増員がない。攻めてくれと言っているんだよ。」

「じゃぁ、どうすんだよ。」

「勿論、ムレット王国を攻めますよ。」



アレクはカインにムレット王国の逆侵攻の作戦を伝える。








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