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107話

アレクは一人、いい演説だったと感動していた。  他の人は普通だ。


建国宣言も終了したので、一旦カミュウとカインはオリオン王国に戻り報告をしなければならない。

アレクも一緒に行くのだ。

この地を獣人達だけにするのは危険なので、ユリたちが当分の間ここに留まる事となった。


「じゃぁ、ユリ、リック、マックたち頼むね。すぐに帰ってくるからね。」

「任せてください。師匠、今度来た時には驚きますよ。」


アレクは機人も3体置いていく。開発を遅らせない為だ。それに戦力にもなる。


アレクはガレオン号でオリオン王国に向かい、カインはカミュウとレッドドラゴンに乗りオリオン王国に向かった。


オリオン王国王都ブレスト


「父上、ただ今戻りました。」

「アレク、うまくいったようだな。」

「はい、拍子抜けるぐらいに簡単に事が運びました。不思議です。」

「何かあるかも知れないな、気を付けておけよ。カインのフォローは任せるからな。」

「はい、任せてください。」


「父上、戻りました。」

ハロルド笑いながら「おお、これは、これは王様。」

カインは、本気で「やめてくれ、恥ずかしいんだ。今思い出しただけでも顔が赤くなる。」

アレクは、笑いながら「カイン兄、かっこよかったよ。」一人で納得している。うんうん。


ハロルドは、カインとアレクに詳細を聴いた。

「やはり簡単すぎるな。」

「そうなんですよ、簡単すぎるんです。」

「いいじゃんかよ、建国出来たんだし。」

「まぁ、そうですけど。」


3人は結論の出ない事は、置いといて他の話題に移っていく。もちろん結婚話だ。

カインは、事実上の結婚をしてしまっていた。カミュウとは、新しい国で生活をする予定だが、開発が済むまでは、王都ブレストに居ることになった。これは、母エレメルの希望である。エレメルはカミュウを可愛がっているからだ。カミュウは、母が出来たことを喜んでいるので、王都ブレストでの生活は楽しいものとなっている。

アレクの結婚だが、カインと合同で結婚式を挙げることとなった。アレクは別段興味も示さず、淡々としていた。ミルトン王国の準備次第で時期が決まることになった。調整はエレメルが行う。エレメルは二人の素直で素敵なお嫁が嫁いで来る事が、とても嬉しそうで張り切っている。


結婚の準備は、着々と進んでいた。



ミルトン王国は、まだ揉めていた。


「どらちゃんは、私のとこにいるの。」

「エルティナ勝手に名前を決めるな。どらちゃんは、まずいだろう。」

「お姉さまぁ、お父様に言ってください。どらちゃんの事をお願い。」

「はははぁぁ、父上、今は何を言ってもエルティナは聞きません。少し間を置きましょう。」

「ミルティナ頼むぞ。本当に頼むぞ。」

父トレイスは、ミルティナに任せ、その場を離れていく。


「エル、どらちゃんは、ミルトン王国の象徴になるのよ。エルがどらちゃんを連れて行ったらミルトン王国の人たちは、どらちゃんが居なくなって寂しがるわ、可哀想でしょ。」

「でもぉぉ、どらちゃんと一緒にいたいもん。」

「お姉ちゃんがアレクス様に相談するから、それまではどらちゃんの事は言わないこと。いいわね。」

「うん。分かった。おねがいね。」


ローエム帝国も同じようなものであった。

ローエム帝国とミルトン王国は、ほぼ同時にエレメルに相談してきたのだ。


エレメルは、笑っていた。

エレメルは二か国に対し、ドラゴンは二人の結婚の祝いとして贈った物であり二人の物でしょう。オリオン王国は、二か国に改めて贈る用意があると伝えたのだ。

エレメルは、アレクを呼び出しその事を伝えた。アレクも、面白かったのか楽しそうに聞いていた。


「では違う色のドラゴンにしましょう。」

「期待して待ってるわ、アレクお願いね。」

「子供から、取り上げたら可哀想ですからね。」


アレクは、自身も末っ子であるが、エルティナとマリウスも末っ子であった。やはり末っ子は強いなぁと思っていたのだ。多少の我儘?が通用するのが末っ子だ。末っ子最強。

アレクは、エルティナとマリウスを気に入っていたこともあるだろう。すぐに真っ白いドラゴンと黒光りしているドラゴン2頭をエレメルの所に連れて行った。

オリオン王国から、黒いドラゴンをローエム帝国に、白いドラゴンはミルトン王国に贈ることをエレメルに伝える。


そんな頃、獣王国から連絡が入った。


領主館が全焼したとの報告であった。原因は放火であった。グラムット帝国が小国群に対しての妨害工作であった。犯人は機人が捕らえたが、雇われた人間であった。機人は、雇われた人間の記憶を読み取り犯人を突き止めた。情報を集めたその結果、グラムット帝国の妨害工作が分かったのだ。


グラムット帝国は小国群の民を飢えさせ、グラムット帝国時代の方がよかったと思わせるように小国に対して方策を常に行っているのだ。小国の民の不満を増長させる計画なのだ。そして不満が頂点に達した頃に、グラムット帝国から支援をだしていく。グラムット帝国がまた飲み込むのである。

小国群は、この対応で国として形を保つのがやっとの状態であった。他に構っているどころでは無かったのだ。

その事実を掴んだアレクは、カインとハロルドに今後の対策協議を提案したのだ。


「通りで強襲が成功したか分かりましたね。」

「そうだな。小国郡を飢えさせているのか、獣王国も農地が破壊されていたな。」

「そうです、農地がなんで荒らされているのか不思議でした。理由が分かりました。」

「アレク、対策はどうする。」


アレクは、獣王国の近隣国の状況確認を急ぐ事。獣王国だけ食料が行き渡ったとしても近隣に飢えた者がいれば、獣王国に押し寄せる可能性か高いと読んでいる。

近隣の国も飢餓状態の解決をしなければ問題の解決に至らない。


「近隣国の状況を確認後、食料支援しかありませんね。」

「そうだな、後は状況次第だな。」

「俺は、何すればいい。」「カイン兄は、獣王国に行って、妨害工作している者たちを捕まえてよ。殺さないでね。」

「分かってるよ。情報を取るんだろう。」


カインは、急ぎ獣王国に向かい、アレクは、小国に状況の確認をした。


「これは酷いな。」

「ほんとですね、ほとんどの国が飢餓状態ですね。」

「グラムット帝国が動く前に手を打たないと小国郡は瓦解しますね。」

「そうだね、カイはワイバーンで各国を回ってくれ。このことを小国郡に伝えるんだ。オリオン王国からの支援の話もしてきてよ。」

「分かりました。カイ隊で回ります。」

「じゃ、頼むね。僕は獣王国に行ってくるからね。」



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