表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/919

10話 命名領都オリオン

オリオン領は、最初本村、奥の村、西の村と正式名称が無く、通称で各村を呼んでいた。

だがここに来て、弊害が出てきている。

人口が増え、新しい村ができたため、本村から見て、位置がずれてしまったのだ。

オリオン領の領主ハロルド、妻エレメル、長男ルドルフ、従士長デリックの4人が、話し合いをしている。

「あなた、本村の名称は決まりましたか」

「中々、名前が思いつかなくて、本村のままではまずいか」

「ハロルド様、それはだめでしょう。もう村じゃないですよ、町です」

「もう村ではないですよね、普通村に商店街とかないし」

「ルドルフ、開発計画の領地設計図があったはずだが」

「こちらにあります」

「領地から見ると本村の位置は北側だな」

「今までは、本村から見た位置で名前を呼んでいましたが、領地を中心に考えると、全く違う方角になります」

ん~~、ん~~、言いながら悩んでいた領主ハロルドが、決めた。

「ルドルフ、お前は将来オリオン男爵家を継ぐ、自分の領地だ。領主権限でルドルフに本村の命名を命ずる。ほかの村は、各村長に一任とする。」

ルドルフ、口をパクパクしながら、目が点である。


ハロルド見事な、丸投げだ。


後日、ルドルフは領都オリオンと命名した。まだ都市とはいえないが、将来を見越した命名である。


その頃、他の兄弟たちは、新しい領主館への引越し作業中だ。

この領主館、アレクが凝りに凝った造りになっている。

3階建のレンガ造りで1階を領の行政を行うスペースとし、2階を行事・客室等のスペース、3階をオリオン一家の居住スペースにした。

今までの家が、10戸ほど入るぐらい広い。


アレクはこの領主館を、魔道具で埋め尽くした。

魔石を加工した魔力タンクを造り、館内に供給し、照明・給湯・冷暖房・冷蔵庫の魔化製品を設置した。

2・3階に大きいお風呂を造り、1階に行政員用のシャワー室まで設置したのだ。

極めつけは、秘密の地下研究室(家族は承知している)まで造ってしまった。


快適生活が出来ると、アレク、ルンルン気分だ。


「マリ姉、イリ姉、このお風呂いいでしょう」

「毎日、お風呂に入れるなんて、幸せよね」

「浴槽に浸かると、は~~~って、感じよね」

「でしょう~」

3人が雑談していると、ぶつぶつ言いながら、ルドルフが歩いてくる。

ルドルフは3人に、気づかず素通りしていく。

「ルドルフ兄ぃ、大丈夫かな、何か疲れ切った顔してたね」

「大丈夫よ、あれで結構、要領がいいから。」

「2階の客室と、お風呂凄く豪華ね」

「でしょう~、最近のオリオン領はお客が多いからね、万一の為に造ったんだ。」

「まぁ、本村に、高級宿も出来たし、使うことはないでしょうけどね」

「そういえば、カインが地下室で練習したいと言ってたわよ」

「あっ、まだ入室制限の解除してなかった」



アレクは地下の研究室に向かう。

この地下室、3階からしか入れない構造にしている。

何しろ、秘密だらけの地下室なのだから。

地下室は、研究室(寝泊り可、キッチン・シャワー付き)、魔法の練習場、倉庫と、かなり広く造ってある。


アレク、住む気満々だ。


アレクの趣味部屋いや、研究室には、魔物の皮、魔石、牙、鉱石、等々の素材が山積みになっている。

魔力の通りの良い物を探して、商品にしようとしているのだ。

出来ればオリオン領内でとれる素材で商品化を考えるが、中々良い素材が無いようだ。

そんな、こんなで、ガチャガチャやってる内に、アレクは眠ってしまった。


アレクよ、もう住んでるよ。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ