第9話 宿とオルガ
ジャックがいると言ったテーブル近くに、確かにいた。
……酒を飲みながら。
「おーい、登録終わったぞー、ジャック」
「んあ? ユートか、意外と長かったな~。これでお前も冒険者か」
「ああ、遅くなってすまないな、それにありがとう」
「あっはっはっ! 気にしゅんなよな!」
あれ? こいつ、もう酔っぱらってね?
ジャックは大きく口を開け、笑いながら身振り手振りをした。
それにしても酒臭いな……。
「あんたがジャックを助けたんだって!? やるじゃないか!」
「そうだな、ジャックはアホだが一応ベテランだからな……」
ジャックと同じく飲み物を飲みながら、二人の男女が俺に話しかけてきた。
「そういうことになっているな。ジャックを助けたと言うより、自分が森を出るためだったんだけどな」
「あっはっはっ! あんた本人がいる前でぶっちゃけるなんて面白いね!」
「しかも、助けたのは自分のためでジャックはついでか……クク」
何故か二人にはウケたようだ。ただ本当のことを言っただけなんだが。
「うわっ、ひっでぇなユート! もう少し優しくしても良いんじゃねぇか!?」
「うるさい。人が冒険者登録をしているときに自分は酒とは良いご身分だな」
「の、喉が渇いただけだから。な?」
「な? じゃねぇよ! 昼間っから何で酒飲んでんだよ……」
そうなのだ。俺がこの世界に来たのは5、6時頃だったようで、そして今がちょうどお昼時なのだ。
何で知っているかといえば、さっきジャネットに聞いたんだが、それは置いといて。
「そりゃおめぇ、あんなことがあったんだぞ!」
「……もしかしてお前、そんなにあのモンスターが怖かっ――」
「チャーリーちゃんにフラれちゃったんだよ!」
――チャーリーって誰だよ!
しかもアサルトボアがそんなに恐かったのかと思ったら、そんなくだらないことかよ!
俺の優しさを返せよっ!
と優人の心の中は一瞬にして荒れたが、すぐにいつも通りの落ち着きを取り戻した
「はぁーまったく。それでこれからどうするんだ?」
「あ~、この街を回ろうと思ってたが今が昼時だし、食べたら一旦家に帰るわ。明日この街について教えてやっからよ。とりあえずオススメの宿を紹介してやるよ」
「分かった。それじゃ引き続きよろしく頼む」
「ごちそ~さん!! ……それじゃ行くか。お前たちもまたな!」
そう言うと、ジャックはカッコつけながら金を置いて出ていこうとするが――
「ちょっと待ちな! あたしらもついていくよ!」
となし崩しに四人で行くことになった。
ガヤガヤと中央通りの賑やかな人達の声が耳に入る。
そんな中を俺とジャック、そして先程の二人が歩いていた。
「あたしの名前はオルガ! オルガ・ロルガンだよ! 敬語もさん付けもいらないよ! そんでこっちは――」
「俺の名前はアルジェルフ・ブラッドリーだ。オルガと同じく敬語はいらない」
「あたしたちは二人でパーティーを組んでるんだよ!」
そう言ったのは女性のオルガだった。
オルガは腰まである赤く長い髪と切れ長のクールな目が特徴で、服は動きやすさを重視した何らかの革鎧で良くいえば男らしく、悪くいえば大雑把な美人さんだ。
主に大剣と身体強化の魔法を扱っているらしく、酒場にいたのは依頼が終わったからだそうだ。
メリハリのついた体は一朝一夕で出来たものではなさそうだ。
聞いたところによると、過去にオルガが女だと侮って襲おうと思った男がいたらしいが、逆にボコボコにされてそれが噂となり、遠くから見ている分には良いが、近寄るのはちょっと……と周りの男からだんだん距離を置かれたらしい。
他の女性冒険者や少数の男達からは『姐さん』と慕われているとジャックが教えてくれた。
その事を本人に聞いてみたところ、
「いや~、ちょっと恥ずかしいけど面倒なのが減ってせいせいしたよ!」
とのことらしい。
見た目以上に活発で明るく、快活な女性のようだ。
男のアルジェルフは薄茶けた短髪にジャックより鋭い眼差しで、一見殺し屋みたいに見えるが、中身はよくわからない所でツボに嵌まる、変な人だ。
口元から足首まで隠れる真っ黒なロングコートを着ており、動きにくそうでとても暑そうな服だが気に入っているらしい。
本人曰く、短剣や投擲、罠などを得意としているらしく、見た目だけじゃなく中身まで暗殺者にそっくりな戦闘方法だった。もしかしたら本職は暗殺者なのかもしれない。
そう二人は自己紹介してくれた。だから俺も自己紹介をした。
「俺の名前は「ユートだろ」……知ってたのか」
「そりゃね、あんたが受付で登録してるときに、ジャックから教えてもらったんだよ。なんでもアサルトボアを一撃だってね~。ちょーっと見た目からは信じられないけどね」
そう言うと、オルガは疑わしそうな目を向けてきた。
「まあ、そりゃそうだよな。俺でも普通に『はいそうですか』って信じられるとは思えないからな」
「ははっ! やっぱりあんた面白いね~!!」
「普通の冒険者だったら、喧嘩腰で信じられねぇのか! って怒ってくるところだぞ」
俺の反応にオルガとジャックは面白かったのか笑った。
俺としては、むしろ冒険者の沸点の方が低すぎだろと頭に過ったが、そんなことを考えている間に、オルガからの疑わしげな視線は綺麗サッパリ消えていた。
「どうするんだよ、俺が怒り出したら?」
「これでも人を見る目はあるつもりだからね、まあもしそんなことになったら力ずくで抑えるまでだよ! アハハ!」
「それはごめん被りたいな……」
俺は少し苦笑いをした。
どうやら試されていたのは俺のようだ。
そういえば、さっき聞きそびれたことをジャックに訊ねた。
「なぁ、さっき昼を食べたら家に帰るって、誰か家にいんのか?」
「あれ、言ってなかったか? 家には嫁と3歳になる娘がいるんだよ」
「お、お前に嫁なんかいたのか!?」
確かにジャックは、俺から見て悪くないと思う。堀が深い顔で、日に焼けた茶色い肌、少し鋭い眼差し、お調子者っぽいがお人好しなところなんかは人に好かれそうな長所だろう。
「お前もか! まったく、どいつもこいつもそんなに俺には嫁がいなさそうな顔してるのか」
「あっはっはっ! 仕方ないよ! あんたにあの嫁さんは勿体ないくらいだからね」
とそんなことを言ってオルガが煽るが、ちょっとめんどくさくなりそうなので話をそらした。
「いや、ただ単純に驚いただけだ。それよりジャックは今いくつなんだ?」
「俺か? 俺はな、もうすぐ25だな!」
「あれ、アルジェルフさんは?」
「俺は26だ。それと“さん”はいらないぞ」
「あ、あたしもいらないからな!」
「ん、そうか。了解。それにしても、二人とも結構若かったんだな」
「おい、そりゃどういう意味だよ」
「いや、特に意味は無いけど。ただ見た目より若かったと思っただけだ」
「そ、そうか? そんなことを言われたのは初めてだぜ!」
そう言うとジャックが笑顔を向けてニコニコしてきた。
もしかしてまだ酔いが残っているのだろうか。
悪戯心がモアモアと湧いてきて、
「お前の笑顔なんかいらねぇーよ! 気持ち悪い!」
と言ってしまった俺は悪くないと思いたい。
それにジャックは今のが褒められていると思ったようだし、逆にアルジェルフは複雑そうな顔をしていた。
男の笑顔なんて誰得なんだよと俺は悪態づいた。
「おまっ! なんてこというんだ!」
ジャックは怒ったような顔でじゃれついてきた。
二人してじゃれあいながら笑いあった。
「そんなことより、あたしには聞かないの?」
「女性に年齢を聞くほど世間知らずでは無いからな」
「ははっ! あたしを女扱いしてくれるのかい。まあ、大したことじゃないから気にしなくて良いんだよ。あたしは今23だよ」
「見た目通りな年齢だな」
そんな他愛もない話をしながら目的の宿まで歩き続けた。
「ふぅ~、やっとついたぞ!」
そこには白い大きな宿があった。
裏には馬車や馬を置いておくところがあるのだろう。宿としては大きく、警備がしっかりしていそうな良いところだった。
ギルドからも10~15分ってところだし結構良い立地なのではないだろうか。
「ここがジャックが言っていた、オススメの宿なのか」
「そうだ、今もたまに飯食べに来るんだけどよ、昔はここに寝泊まりしていたんだ」
「へぇ~、ジャックがここで……」
それはつまり、ジャックが冒険者として若い頃はここで過ごしていたんだろう。
「じゃあ入るぞ」
言うが早いか、さっさと中に入ってしまった。あとを追いかけて扉を開けると、中央に幾つかの丸テーブルがあったり、端には四角いテーブルや1人掛け用のテーブルなど、色々種類があったが全てブラウンで揃えてあった。内装も白で床は温かみのある長方形の木製タイルで、広々と感じる作りになっており、左側奥には階段も見える。
そんな風に中を見回していると、エプロンをつけたふくよかな女性がこちらに向かってきた。
「おっ! ジャックじゃないか。あんたまた奥さんとケンカしてきたのかい?」
「全然ちげーよ! 今日は客を連れてきたんだ」
そう言うとジャックは俺を前に押し出した。
「初めまして。俺はユート・ヘイズと申します。ユートと呼んでください」
「そうかい、あたしはアマンダ・ヘッドバーンだよ! アマンダと呼んでおくれ」
アマンダと言ったそのふくよかな女性は、大きな笑い声でそう自己紹介してくれた。その外見通り酒場の女将のような朗らかさで、時として大声で怒鳴り散らす姿を想像し、これ以上ない程似合っていた。
「今日は飯を食いに来たのと、ユートに宿を教えに来たんだよ」
「なるほどね、ちょうど今1つ部屋が空いているからね。そこなら大丈夫だよ」
「ジャックのオススメもあるし、そこでお願いするよ」
「朝食と夕食ついて一泊小銀貨4枚だ! 一週間だと大銀貨4枚になるよ」
俺はとりあえず休めるところがあれば何でも良いと思い、一週間分の金を払った。
でも、一日四千円ほどか……予想よりも安いし、むしろ好条件の宿なのかもしれない。
「分かった。この帳簿に名前を書いといてくれ。鍵は後で渡すからね。じゃあ適当に座りな!」
忙しいのか大声でバタバタとしながら、奥に帰っていった。
近くにあった丸テーブルに四人で腰掛けてから、アマンダが水を持ってきた。
「そんで何を食べるんだい?」
そんなことを聞いてきたが、俺は初めてで何も知らないのにみんな次々と頼んでいく。
「じゃあ俺、オークのステーキとシチュー、それに酒とつまみのジャーキーで」
「あたしは、ガッツリ食べたいからね……フォレストボアの三種盛りにコンソメスープ。あたしも酒!」
「俺は野菜の珍味とキノコのソテーで」
「えっ? え~と、俺は……お、オススメで! 酒はいらないけど」
「あっはっはっ! わかったよ。ちょっと待ってな!」
アマンダはそう言うと他の客のところに行った。
ぬるい水をちょびちょび飲みながら話をしていると、そういえばさっき聞き忘れたのでオルガに聞いた。
「そう言えば、パーティー名は何て言うんだ?」
「えっ! そ、それはね…」
勿体ぶるようにというよりかは、何故か恥ずかしがっているように感じる。
「こいつらのパーティー名は『竜の翼』だ」
そんなオルガを無視して、さっとバラしたのはジャックだ。
「ちょ、あんたジャック!」
「何だよ、まだ恥ずかしがっているのか?」
「だ、だって…あんなにカッコつけて今はまだCランクだし……」
「もうすぐBランクの奴がなに言ってんだよ」
「さっきから、何を言ってるんだ?」
いまいち話がよく分からなかったので、優人は単刀直入に聞いた。
「それはなユート。こいつらが、と言うよりオルガが『竜』と名前がついたパーティー名が今の自分に相応しく無いってんで恥ずかしがっているんだ」
「だって……そもそも竜なんて見たことは一度しかないし、今の実力はワイバーンにも劣るんだよ!!」
オルガがちょっと泣きそうな表情で、そう訴えてきた。
つまり、本人は自分の実力が劣っているのに、竜と名前がついたパーティー名が恥ずかしいと、そういう訳か。
おそらく、若い頃にかっこいいと思って名前を付けたは良いものの、数年たって実力に伸び悩み、“竜”という名前をつけたことを後悔しているってとこか。
なんか……平和な理由だな。
「はぁ、なに言ってんだよ。そもそも他の奴なんて竜すら見たことないのに、自分には実力があるんだって粋がっている奴が大半なんだぞ。お前は向上心があるし、今まで努力し続けてきただろ。しかも、10年以上前から続けてきた名前じゃねぇか」
「だって~……」
つまり、13から冒険者をやっているのか。
というか、オルガがそろそろ泣いてしまうんじゃないかと思い、優人は呆れた顔を口を挟んだ。
「そんなにそのパーティー名は嫌なのか? というか名前は変えられないのか?」
「ああ、基本的に名前は変えられないようになっているんだよ。気に入らないからって毎回パーティー名を変えられちゃギルドも大変だからな」
「なるほどね。なぁオルガ」
「なんだい……?」
もう既に目が赤くなっているが、自分で撒いた種であり、自分で踏んだ地雷なので諦めて自分で回収することにした。
「そんなにそのパーティー名は嫌なのか?」
「そりゃそうだよ! 最初は自分でつけたからって我慢してたけど、みんな馬鹿にするし、竜を見たって言ってもウソつき呼ばわりしてくるんだよ!」
俺は話を聞いているときに、オルガもちゃんと女の子なんだとそんなことを考えた。それに周りの幼稚な悪戯でそんなに思い詰めていたオルガに少し同情した。
自分もこんなことが昔にあったなぁ、と。
「オルガが嫌なことはパーティー名に竜という名前が入っていることじゃなくて、自分に実力が足りないことでもなくて、自分が弱いって他の奴に思われたくないからじゃないか?」
「……どういう意味だい?」
「さっきジャックが10年間続けてきたって言っただろ。なのにそれから実力が全然伸びなくて焦り続けてきた。だからもう諦めたいって気持ちが心の表面に出てきている。でも、生来の負けず嫌いであり、そのための努力を重ねてきたあんたは逃げることも出来ず、雁字搦めに嵌まってるんじゃないか」
「あんたに何がわかるってんだい!!」
オルガが大声で叫んだ。多分これは、今まで耐えてきたオルガの心の声なんだろう。誰にも言えず、封じ込めてきた、オルガの想い。だから俺がそのちっぽけなプライドを砕いてやる。
「わかるよ。いや、正確な意味ではわかることは出来ないだろう。残念ながら俺はオルガではないからな。よく言われる『俺にはお前の気持ちがわかる』とか言うけど、本当のところ誰にもわかる筈がない。だってそいつは全く同じ想いを、経験を、状況を積み重ねて感じたモノではないからだ。立場が違えば、結果もまた違う。わかると言ったそいつはただの憐みだ」
オルガは静かに聞いていたが少し焦れてきたようなので、俺は結論を急いだ。
「まあ、何が言いたいのかというと、結局のところ本心は誰にも解らないモノってことだ。つまり、本当にわかることは自分自身ってことさ。お前が何を感じ、何を思い、何をしたいのか。それは全てお前の心の中に入っているはずだ」
俺が言い終えると、オルガは深く考え込んでいた。
「……あたしが何をしたいのか、か……」
少し考えていたのか、下げていた頭を上げると、オルガはさっぱりとした笑顔を見せた。
「ありがとう、ユート。少しだけ分かった気がするよ」
そう言ったオルガは、とても美しい晴れやかな顔だった。
そして――
「あたしは甘すぎた!」
「えっ?」
驚いて声が出てしまうが、ジャックとアルジェルフも同様に頭に疑問符を浮かべている。
「努力が足りなかったからこんな悩みにウジウジしていたんだ! だからあたしは心を入れ替えて、もっと努力するよ。そしてこのパーティー名にも恥じない強さを手に入れるよ!!」
「え、うん。ま、まあ、気にすんな。ただ俺にも思う所はあっただけさ」
「いや、そういう訳にはいかないよ! こんなくだらないことでも、数年間思い悩んできたことだからね!」
「くだらないと思うのは他人にとってだ。他人にとってはくだらなくても、自分にとっては大事な事なんて幾らでもあるさ。そんなことは誰しも一つや二つはあるもんだ。それにこんなことで気が晴れたのならよかったよ」
「こんなことなんかじゃないよ。あたしはとても嬉しかったさ! 誰も彼も『気にすんな』って、『大したことじゃない、あとから実力はついてくる』って言ってくれたけど、あんただけがあたしを否定しなかった。あたしの心を真っ直ぐ見て、肯定してくれた」
「ま、気分が晴れたんならよかったよ。ありがたく受け取っておくよ」
笑みを浮かべながら、何でもないように流した。
「だから、明日から今までの五倍、いや、十倍頑張るよ!!」
「……これは、俺も頑張らなきゃいけない様だ……」
「すまん、アルジェルフ……」
細かいようだけど、今日からじゃないんだな。
「頑張れや、オルガのあ・い・ぼ・うさん!」
ニヤニヤしながらジャックがアルジェルフに向かって煽った。
二人の間でちょっとしたじゃれ合いが起こったが割愛する。
「なんだかさっきとは雰囲気が変わったようだね」
アマンダさんはどうやって持ってるのか、大量の皿を持ってきながら言った。
「アマンダさん……聞いてたんですね」
「そりゃそうさ。あんなに大きな声で喋ってるんだからね。まあ色々あるんだろうけど、それが人生ってもんさ! まあそんなことより、いっぱい料理はあるからね! たーんとお食べ!」
ゴトゴトガチャガチャと音をたてて皿を置いた。
「ちょっと辛気くさくなっちまったし、腹一杯食うか!」
「そうだな、食べるとしよう」
気を使ったのか、空気を変えるようにジャックとアルジェルフがそう言った。オルガも渡りに船と思ったのか、それに続いた。
「それじゃあ食べようぜ! いただきます!」
「「「いただきます!」」」
と流れで合掌したのだが、ふと違和感に気付いた。
(あれ、なんでこいつらナチュラルに『いただきます』っていってるんだ?)
みんな当たり前の事のようにしているが、とても違和感があった。
「なぁ、この『いただきます』って言葉、誰が最初に使ったのか知ってるか?」
「ん? それはな、初代聖人様だよ」
「ふ~んそうなのか」
(異世界人の痕跡、多くね? 古代文明の宇宙人かよ)
そんな取り留めの無いことを思いながら、今のことを忘れるように美味そうな食事を口いっぱいに頬張った。
現在の残高
177000-40000(宿代)=137000ノル




