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ヘレティックワンダー 〜異端な冒険者〜  作者: Twilight
第二章 魔物大氾濫篇

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38/105

第38話 多対一


「マジか……」


 これがいわゆる絶句というのだろうか……などと現実逃避するが今現在も奴らは続々と集まってきている。

 まあ、中には何も無いと分かったのか立ち去る奴もいるので、増える数はほんの微々たるものだ。

 それに上から見ているだけだが、「意外にも気付かれないもんだな」とか思っていたら、緑小鬼が俺の木の真下にいるではないか。


(ちょっ、見つかったら死ぬ!) 

 

 いつにも増して本気で気配を消そうとお坊さんの様に心中で「俺は空気、俺は空気」と唱える。

 一分ほど続けてチラッと薄目を開けて下を見ると既に通り過ぎていた。


(ふぅー……心臓に悪いな)


 自分のせいだというのに他人事の様に言うさまは、素の性格が滲み出ているようだ。

 それにしても、まだまだ終わりが無いのかワラワラと何処にそんなにいたんだというほど溢れ出てくる。

 まるでG(ゴキ)のようだ。

 「一匹見れば三十匹いると思え」とは良く言ったものだ。

 けれど、中には普通の緑小鬼だけじゃなく、剣や槍、短剣に弓など様々な武器を持っている緑小鬼も見える。

 しかもそいつらは他の緑小鬼よりも一回りデカく、強そうだ。 

 とりあえず【鑑定】してみた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ーーー

種族:ゴブリン

称号:

Lv:6

HP:110/110

MP:36/36


スキル

ひっかくLv2

棍棒術Lv1

悪臭Lv2

夜目Lv1

採取Lv1

採掘Lv1


世界で最弱と見なされ忌み嫌われている魔物。臭い、汚い、気持ち悪いと三拍子揃っている。狡賢く、残忍な性格をしており、個体によっては罠を使う知能があることも。様々な環境に適応しやすい性質を持っているため世界中に存在している。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ーーー

種族:ゴブリンソードマン

称号:駆け出し剣士

Lv:13

HP:210/210

MP:58/58


スキル

ひっかくLv2

棍棒術Lv1

剣術Lv2

悪臭Lv2

夜目Lv2

採取Lv1

採掘Lv1


剣に適性を持つ緑小鬼ゴブリンが一段上に通常進化した魔物。武器適正を持って進化した緑小鬼ゴブリンには、「生体武具」と言われるその個体専用の武器も同時に生まれる。その剣術の腕前は初心者よりも高い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ーーー

種族:ゴブリンアーチャー

称号:駆け出し弓士

Lv:12

HP:160/160

MP:64/64


スキル

ひっかくLv2

弓術Lv2

悪臭Lv2

夜目Lv3

採取Lv2


弓に適性を持つ緑小鬼ゴブリンが一段上に通常進化した魔物。武器適正を持って進化した緑小鬼ゴブリンには、「生体武具」と言われるその個体専用の武器も同時に生まれる。その弓術の腕前は初心者よりも高い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ーーー

種族:ゴブリンランサー

称号:駆け出し槍士

Lv:15

HP:223/223

MP:55/55


スキル

ひっかくLv3

槍術Lv2

棍棒術Lv1

悪臭Lv2

夜目Lv2

採取Lv1

採掘Lv1


槍に適性を持つ緑小鬼ゴブリンが一段上に通常進化した魔物。武器適正を持って進化した緑小鬼ゴブリンには、「生体武具」と言われるその個体専用の武器も同時に生まれる。その槍術の腕前は初心者よりも高い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ーーー

種族:ゴブリンシーフ

称号:駆け出し盗人

Lv:13

HP:150/150

MP:60/60


スキル

ひっかくLv3

短剣術Lv2

棍棒術Lv1

悪臭Lv3

夜目Lv2

盗むLv2

採取Lv1

採掘Lv1


短剣に適性を持つ緑小鬼ゴブリンが一段上に通常進化した魔物。武器適正を持って進化した緑小鬼ゴブリンには、「生体武具」と言われるその個体専用の武器も同時に生まれる。その短剣術の腕前は初心者よりも高い。中にはその名の通り盗みを好む個体もいる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ーーー

種族:ゴブリンファイター

称号:駆け出し拳士

Lv:16

HP:240/240

MP:30/30


スキル

ひっかくLv3

拳闘術Lv2

棍棒術Lv1

夜目Lv3

悪臭Lv2

採取Lv2


拳に適性を持つ緑小鬼ゴブリンが一段上に通常進化した魔物。武器適正を持って進化した緑小鬼ゴブリンには、「生体武具」と言われるその個体専用の武器も同時に生まれる。その拳術の腕前は初心者よりも高い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 どうやら樹上(ここ)から見える様に、ゴブリンが進化した上位種というのがいるらしい。

 フレーバーテキスト的なモノにも書かれている通り、ゴブリンよりも一回り大きな体を持っている奴等はそれぞれ一般的な武器を持ち歩いている。


 ちなみに内訳はゴブリンが二十七体。その内、剣を持っている奴が八体、弓を持っている奴が四体、短剣を持っている奴を二体視認した。

 槍を持っている奴は一匹もおらず、他は先が膨らんだ形の棍棒を持っている。

 更に上位種のゴブリンソードマンが五体、ゴブリンアーチャーが三体、ゴブリンランサーが一体、ゴブリンシーフが三体、ゴブリンファイターが一体の約四十体がいた。


 一体一体目視で数えたので間違えないと思うが、今も出入りが激しいので正確性は低い。

 これからどうしたものかと思考しながらゴブリンを観察していると、ふと自分のステータスが気になった。


──────────────────

名前:霞野かすみの 優人ゆうと/ユート・ヘイズ

年齢:17

性別:♂

種族:人族

称号:異世界転移者・読書家・哲学者・一流キノコハンター・中級薬師・駆け出し剣士


Lv:18 +5

HP:468/468 +83

MP:1500/1500 +206

筋力:274 +71

体力:258 +57

耐久:433 +68

敏捷:292 +64

魔力:272 +58

知力:446 +50


スキル

剣術Lv2 +Lv1up 

疾駆Lv1 +Lv1up new

隠密Lv1 +Lv1up new

高速思考Lv4

算術Lv5

速読術Lv3 

採取Lv3 +Lv1up

調合Lv4 

魔力操作Lv4

気力操作Lv1

火魔法Lv2 

水魔法Lv2 

風魔法Lv1  

土魔法Lv1 

光魔法Lv1

闇魔法Lv1 

無魔法Lv3 

氷魔法Lv3

生活魔法Lv2 

神聖魔法Lv3 +Lv1up

空間魔法Lv2 

瘴気耐性Lv1

呪い耐性Lv2 


ユニークスキル

鑑定Lv4 

言語術

──────────────────


 午前中に戦ったハニーベア(くまさん)のおかげでレベルが上がり、それに伴いステータスも上昇した様だ。

 特にスキルがまた二つ増えたので戦闘力が前よりもアップした事だろう。

 ちなみに新しく得たスキルも【鑑定】してみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


疾駆:速く走ることが出来るようになる。風のように自らが自由だと認識することで更に効果を高められる。


隠密:自らの気配を薄めることが出来るようになる。精神を落ち着かせ集中することで更に効果を高められる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 何と言うか地味だが、すごく役立ちそうなスキルだ。

 多分、先程の隠れようとする一心がスキルとなったのだろうと頭の片隅で何となく考えながら、ユートは自分のステータスとゴブリンのを見比べて、戦うための作戦を練り始める。

 最初はこのままジッとしている事も考えたのだが、奴等が散らばらずにここに居座り続けたら、辺りが暗くなってどんどん不利になるのは俺だろう、と思い直し戦う事に決めた。


 幸いまだ誰にも気付かれていないので、奇襲することが出来れば一気にこちらが優勢になるだろう。

 とりあえず上位種を先に潰して、後々自らが有利になるように進めなければならない。

 数は圧倒的に奴等が有利だ。

 一瞬でも気を抜けば、容赦なく四方から攻撃がくるだろう。

 初めての近接での戦いは五対一くらいが良かったのだが、どうやらRPGの勇者のように少しづつ経験を積んで強くなるシナリオではないらしい。

 そんなアホなことを独り心中で考えながら気持ちを昂らせていく。

 そうでもしなきゃ流石に心が折れそうだ。


 ――とその時突然思ったのだが、急に頭が冷えて来て、今の状況が何だかおかしなものだと気付いた。

 あっ、そうか!

 別に真正面から戦う必要が無いのか。

 よくよく考えれば分かる事だった……。

 どういう訳か俺は、こんなうじゃうじゃと群れているゴブリン相手に、アホみたいな特攻をし掛けようと思っていたらしい。

 そんな事をせずともチマチマ樹上から攻撃すればいいだけなのに。

 はぁ……流石に俺も緊張して視野が狭くなっていたらしい。

 危うく特攻隊のようになるところだった。


 偶然気が付いて、九死に一生を得たユートは大きな溜息を吐き、頭を切り替える。

 深呼吸を三度繰り返して眼を見開き、覚悟を決める。

 最初に狙うのは、遠距離から攻撃されたら厄介なゴブリンアーチャーだ。

 そのため初撃は弓矢で一体、氷魔法の【氷の矢(アイスアロー)】で残りと周囲の雑兵(ぞうひょう)を一網打尽にする。

 次に、樹上から全てのゴブリンに向けて適当に【火球ファイアーボール】を連射する。

 そして最後に、爆風と火炎に怯んだうちに上位種を優先的に狙い、片っ端から弓で仕留めていく。


(完璧な作戦だ。わざわざ真正面から戦うなんてとんだ馬鹿のする事だと思えるほどに。俺は樹上(うえ)から魔法をまき散らして最後に高らかに笑えばいいだけだ!)


 しいていえば、広範囲魔法は自分も巻き添えを食らうので使えないくらいだろうか。

 口角を上げながら成功を確信して笑みを浮かべるユート。

 その笑顔を悪魔の様な笑みだと指摘する者は、残念ながらここにはいない。

 ユートは今の作戦を手順通り遂行するために頭で何度も反復させると、右手に矢を持ち弓に番える。

 枝の上のせいで弓が安定しないが、しゃがんで樹に寄りかかりながら態勢を保つと、的であるゴブリンアーチャーの頭に狙いを定める。

 敵がのんびりと無警戒の内に矢を放った。

 ヒュウッと風切り音を鳴らしながらゴブリンの頭上を飛んでいくと、吸い込まれるようにアーチャーの左脳側の蟀谷(こめかみ)辺りに刺さった。

 

「ギャッ!?」

「グギャ!?」

「ギィギャギャギャ!?」


 ゴブリンアーチャーが即死してそのまま地面に横倒しに倒れると、周りのゴブリンが慌てふためいた。

 それにつられてどんどん周りのゴブリンも巻き込み、果てはここに居る全てのゴブリンまで動揺が伝わる事となった。


 そもそもユートは勘違いしていたが、ゴブリンは元々群れているだけであってきちんと統率がとれている訳ではない。

 しかも進化していないゴブリンなど知能は最低限で、その中身はほぼ本能と欲望が占めているため、基本的に頭が悪い。

 そのため、一匹が慌てると周りのゴブリンもつられて波及していくという事態に発展するのだ。

 更にゴブリンにとって不幸だったのが、上位種がいる中で殺さ(やら)れたという事が動揺に拍車をかけた。


終わらなかったので二つに分けます。


──────────────────

名前:霞野かすみの 優人ゆうと/ユート・ヘイズ

年齢:17

性別:♂

種族:人族

称号:異世界転移者・読書家・哲学者・一流キノコハンター・中級薬師・駆け出し剣士


Lv:18 +5

HP:468/468 +83

MP:1500/1500 +206

筋力:274 +71

体力:258 +57

耐久:433 +68

敏捷:292 +64

魔力:272 +58

知力:446 +50


スキル

剣術Lv2 +Lv1up 

疾駆Lv1 +Lv1up new

隠密Lv1 +Lv1up new

高速思考Lv4

算術Lv5

速読術Lv3 

採取Lv3 +Lv1up

調合Lv4 

魔力操作Lv4

気力操作Lv1

火魔法Lv2 

水魔法Lv2 

風魔法Lv1  

土魔法Lv1 

光魔法Lv1

闇魔法Lv1 

無魔法Lv3 

氷魔法Lv3

生活魔法Lv2 

神聖魔法Lv3 +Lv1up

空間魔法Lv2 

瘴気耐性Lv1

呪い耐性Lv2 


ユニークスキル

鑑定Lv4 

言語術

──────────────────

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