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複垢調査官 飛騨亜礼 ≪短編連作版≫  作者: 坂崎文明
第七章 AIヒューマン
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仮想通貨バリューコイン

「あとは、紗英さんだけだな」


 飛騨亜礼がいつものダークブルーのサイバーグラスと黒い背広姿でソファに座ってコーヒーを飲んでいる。

 そこは京都の神沢優の探偵事務所である。

 『石田三成オフ会』の待ち合わせ中である。


「やっぱり、コスプレしてくるんでしょうね。楽しみだ」


 メガネ君がよだれを垂らしそうだ。


「これだから男って奴は………」


 深いため息をつく神楽舞である。 


「しかし、最近、バリューコインの下落が激しいな。トップの時価総額が55億から47億に減ってる」


 飛騨がスマホでバリュースターのサイトを覗きながら気になることをいう。


「あ、私の時価総額が3億円に減っている! どういうことよ!」


 舞が慌てている。


「<バリュースター>はその評価に仮想通貨バリューコインを使ってますが、バリューコイン自体も為替相場のように市場があって、日々、価格が変動するんですよ」


 メガネ君が丁寧に解説してくれた。


「あれま。それは」


 舞が理解してるかどうかあやしかった。


「しかも、ここの所、バリューコインは値段が三倍ぐらいになっていて、そろそろ価格調整がかかる頃です」


「なるほど。あれ、時価総額が3億五千万円に増えてきた」 


「舞さん、分かりやすいというか、バリュースター13位の人気者だし、逆に割安感でファンが買ってくれてるんですよ」


 メガネ君が嬉しいことを言ってくれる。


「そうよね。そうよね。なんたって『お嬢様は悪役令嬢』は二巻までの累計で13万部は売れてるんだし」


「でも、二巻で打ち切り阻止するためには、まだまだ売らないといけないですよ。僕に秘策があります」 


 メガネ君の秘策とやらが気になる。


「それは何なの?」


「すでに担当編集者の上山さんに手配済みです。『石田三成オフ会』には『お嬢様は悪役令嬢』の一、二巻が山積みになっています。神楽坂舞子のサイン会も予定しています」


「なんてこと! メガネ君、ありがとう! あなたは出来る子だと思ってたわよ。ありがとう!」


 舞は感激してメガネに抱きつきそうな勢いだったが、飛騨の手前、ちょっと自制していた。

 

「おまたせ☆」


 そこへ<バリュースター>の運営担当の渡瀬紗英こと、コスプレイヤー<さえさえ☆>が到着した。

 今日は純白のウサギ耳コスプレで、丸い尻尾(しっぽ)がかわいい。

 しかもミニスカである。


「いいなあ」


 メガネ君がよだれをたらしている。


「まったく! まあ、今日はメガネ君の秘策もあったし、大目にみるわ」


 機嫌がいいので、舞も優しい。


「では、『石田三成オフ会』に出発するか。まあ、潜入捜査といっても、いつものように自然に振舞ってくれたらいい。オフ会を楽しむのも大事だよ」


「<<<了解>>>」


 メンバー三人の声が揃う。

 『お嬢様は悪役令嬢』の本も売れて、楽しいオフ会になればいいなとおもう舞であった。




ビットコインの分岐問題について

http://markethack.net/archives/52050646.html


国内13の取引所がビットコイン取引を停止へ--8月1日の“分裂”に備え

https://japan.cnet.com/article/35104383/


ビットコイン分裂騒ぎで8/1~3日ぐらいは取引停止になるようです。


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