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複垢調査官 飛騨亜礼 ≪短編連作版≫  作者: 坂崎文明
第三章 ネット小説投稿サイト三国志
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疾風剣

 高速の刀撃がマリア機の胴を薙ぎ払ったと思われたが、半身になって辛うじて躱されていた。


 メガネ機もまた、マリアの十字槍の三連撃を半身になって躱したが、左肩の肩鎧を損傷した。

 だが、さらに踏み込んで左アッパーを突きあげる。


 マリア機は躱し切れずに、弧を描きながら背後に吹っ飛ばされた。

 そして、さらに追撃して、空中で必殺の<疾風剣>を叩き込んだ。


 風のような十連撃。

 しかし、手応えがない。


 マリアは十字槍を地面にさして、反動を利用して空に逃げた。


「なかなかやるわね」


 真紅のマリア機に白い翼が生えて空中に静止していた。


「では、これはどうかしら」


 背中から抜かれた白銀の剣が大地を切り裂いた。

 

「十二聖刀<十字剣>かあ」


 メガネは何とか攻撃をかわしながら、思わず、額の汗をぬぐった。

 

 元々、十二聖刀は敵の本拠地攻撃を想定した大規模攻撃兵器である。

 メガネの聖刀<水龍剣>もなかなかの攻撃力であるが、十二聖刀には及ばない。


 しかも、<十字剣>は攻撃範囲が広く、回避が難しい。

 刀速を生かした接近戦を得意とするメガネ的には苦戦が予想された。

 <水龍剣>の殲滅刀技の復活までには、まだ、90秒ぐらいある。


「とりあえず、回避………な!」


「殲滅刀技<次元十字断>!」


 マリアが叫ぶと同時に、十字の無数の白銀の光が大地にばらまかれて、メガネ機の足元が崩れて機体が沈みだした。


「まずい、これは………」


 二の丸の地面がどこかの異次元空間に飛ばされつつあった。

 <十字剣>の殲滅刀技は時空間を寸断する機能があると言われている。


 絶対絶命のメガネの脳裏に、何故か、懐かしいどじょうヒゲの戦国武将の顔が浮かんだ。


(お前は決してひとりではない!)


 そんな言葉が記憶から蘇る。  

 確かに、今の自分の力では、十二聖刀持ちのマリアさんには叶わないかも知れない。

 でも、俺には仲間がいる。

 

 あの人と一緒に戦った夢幻のような日々が、メガネを成長させていた。


 そうですよね、信長隊長。


「メガネ隊長、ただいま、到着しました!」


 ハネケの声が聴こえた。


「二の丸にいる。ハネケさん、城ごとぶった斬ってくれ!」


 メガネはとっさに叫んだ。

 すでにメガネの<ボトムストライカー>は膝の辺りまで地面に沈んでいた。


「了解! 攻城刀技<グレートソード>!」


 ハネケの聖刀<オリハルコン>が黄金色に輝き、巨大な光に包まれた。


 エネルギーが膨張して巨大化した聖刀を一気に振り下ろす。


 立花城は二の丸で見事に両断されて、先端の方から落下を始めた。


 メガネもそれに巻き込まれて、空に投げ出された。


 青い空が視界いっぱいに広がった。




なぜ、こんなところで織田信長の記憶がでてくるのかは、「安倍晴明と安東総理のやり直し転生譚」に書かれているのですが、このお話はその後の話しということになります。


今回、1000文字と短いですが、切りがいいので、次回に続きます。

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