私の死んだ果実を
私は死んだ果実を食べている
私の死んだ果実を
私は死んだ果実を食べている
味など無いのだろうか
腐り朽ちて
辛く 冷たい 殻ばかり
色もなく 音もない
その果実を誰も知らない
そして果実は死んだのだ
私は死んだ果実を食べている
息もせず 吐き出すように
形もなくなって
それでもそれは果実であった
ああ、その果実を
誰に渡す訳もなく
飲み込んで 噛み砕いて
溶けることなく落ちていく
その中身の奥底で
光も届かぬ闇の中
食べてしまった 記憶もないまま
死んだ果実を食べている
私の死んだ果実を