読んだのならポイント置いてけ堀の改(怪)
「あれ以来ランキング上位作品ばかり読んでたけど、俺のスコッパー魂がうずいてきたぞ。しかたない、たまには無名の作品をスコップするか……あんな怪奇現象はもう二度と起きないだろうし」
「完結作品に何か良さげなのはないかなっと……お、今日はこれにするか。口さびしいし、お菓子も用意して、と……」
「……うーん……ラストの展開にもう少しひねりが欲しかったところだな。俺を満足させるほどじゃなかったか。……まあいいや。まだお菓子も残ってるし、別の作品も見てみ……」
……や……
「ん? なんだ? 今、変な声が聞こえたような……っていうか何か嫌な予感が……」
……しや……
「や、やっぱり聞こえる! この前みたいに、また小説サイトから怪異が現れたのか!?」
……うらめしや~、いち……
「こ、これはまさか怪談とかでおなじみの皿屋敷!? ま、待ってくれ! 俺は別に皿を隠したりは……」
ポイント、2ポイント、3ポイント……
「……って皿じゃなくてポイントかよ!?」
……7ポイント、8ポイント、9ポイント、10ポイント……
「そういえば、この作品にはすでに他の読者の10ポイントが入ってたな……つまり足りているってことか?」
9990ポイント足りない~
「強欲すぎるだろこいつ!!」
ポイント置いてけ~
「結局最後はそれかよ!? ポイントに飢えている作者は皆こうなっちまうのか!?」
ポイント置いてけ~
ポイント置いてけ~
「やばい、声が近づいてくる! 前と同じパターンだ! ああもう、出血大サービスだ! 10ポイント受け取れ!」
……
「……ふう、退散してくれたか……なんだかお札を投げつけているような気分だな……」
「……しかし冷静に考えてみると、あと9980ポイント貯まるまでさっきの怪異は存在し続けるってことか……怖いなあ……」
「……他にも怪異がうようよしてそうだし、やっぱり大人しくランキング上位作品だけ読むことにするか……」
ポイント置いてけ~
ポイント置いてけ~




