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何故か、前方後円墳⁉

作者: 蓮正次

僕は今、近所の公園のベンチで一人、大好物のソフトクリームを舐めています。


しかもドンヨリとした空から、ドシャ降りの大雨の中で。


何でそんな天気に、異常な行為をしてるのかって?


実は昨日、以前からイイ仲になっていた職場の女の子から、仕事中に


「・・・・・部長にバレちゃったwそんじゃバイバイ」


とLINEでメッセージが来ちゃいまして、それが会社のグループで、

あっという間に広がっちゃって、その部長にも・・・


つまり、解雇クビになって。


そんで僕下戸なモンで、甘党なんで、こうしてソフトクリームを。


だったら家で食えばって思いますよね?


でも、僕、帰宅してから、妻と高校生の娘にバカ正直に話して、今朝キッチンのテーブルに、


(さよなら、おバカ!!)と書かれたメモが置いてあって、妻と娘の部屋は、もぬけの殻で・・・


だから僕、ヤケっぱちで、もうどうでもイイやと!!


そしたら、涙でグチャグチャな顔で、何気に空をみあげたら、

何かヘンな物体が、公園に向かってきて、


それが僕のすぐ目の前に降りて・・・


ポカンとしてたら、その物体の下から何か透明な円筒つつが伸びて、

その中から人が現れて・・・


何か髪はボサボサで無精髭を生やしてて、オマケに服はボロ切れで。


「・・・アンタ、誰?」


振り絞る声で問いかけたら、


「聖徳太子だ!!」

って・・・


「これは、前方後円墳だ、乗れ!!」

って大声で叫んだので、その勢いで僕は聖徳太子とほざいたバカと

一緒に乗っちゃいまして。


「どこ行くんですか?」と尋ねたら、


「知るか!!」と聖徳太子が叫んだので、


「降ろしてくださいよ!!」


そしたら僕が立っていたトコが、ぽっかり穴が開いて、

そのまま僕は、真っ逆さまに落ちて・・・


気がついたら、自分の部屋のベッドの上で、傍にあった目覚まし時計を見たら、

昨日の朝6時で・・・!?


あ、もしかしたら、人生やり直せるなと。


そしたら急に元気が出てきて、妻と娘と朝食を終えて、いつもの様に

娘を車で学校へ送ってから出社して・・・


翌日、気持ち良い程の晴れ渡った青空の下、公園のベンチに座って

僕は泣きながら、大好物のタコ焼きを平日の昼間に・・・


現実は甘くなく、何かショっぱいですね。


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