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s i d e 秋
ほんとは、最初ショックだった。
庄君の事がずっと好きだったから、その分真実を知らされた時、
ショックは大きかった。
あの時泣いて、倒れてしまって
その時に初めて彼―慄君―の気持ちを知った。
「そして…俺の前に今、いる奴だよ―」
この瞬間、戸惑いと驚きが交錯した。
それから…あの地震にあったとき。
私は覚えていないけれど、
るい達の話によると命懸けでも助けようとしてくれてたんだって。
少し嬉しかった。
そして、記憶がないことが残念だった。
カシスやテノーさん、ソラさん。天界という世界。
まるで、おとぎ話のような、不思議な時間だった。
私がイヴだなんて、いまだに信じられないんだけれどね。
それに、天界を救ったっていうことも。
だけど…慄君が名前で呼んでくれて嬉しかった。
みんなに…―アリガトウ―…