命 の 代 償
秋「カシス!!」
カシスは波の反動で吹き飛ばされた上に、
体中に火傷を負っていた。
秋「ばか…なんで私なんてかばったの!!」
カ「ごめんなさい、秋さん。ソラ様。
ソラ様…私は…実はもともと魔王の側近の天使でした。それと…秋さん。
あなたの記憶をなくしたのも…私です…ごめんなさい…
慄さん。あなたの大切なものをなくすと言っていましたが…
あれは、秋さんの記憶喪失中の記憶です。」
ソ「…いいのです。あなたが、たとえ前に魔王の側近だったとしても、
あなたは…この天界のれっきとした記憶の神なのです。」
秋「そうよ!それに…私、記憶を奪われたのかもしれないけれど…
でも…でもね、今はその事に感謝してるわ!あの事が無かったら…
カシスの事も、テノーさんやソラさん、魔王さん。そしてこの天界っていう
素敵な世界も知らなかったと思うから。
カシス。ありがとう…」
カ「秋さん…ソラ様…」
リ「カシス…」
カ「リト様。私が…行きます。私も…一緒です。だから…
もう、さみしくなんかないでしょう?」
リ「カシス…ありが…と…う…」
そう言った瞬間、魔王が消えて行き…
そしてカシスも、涙を一筋落としながらゆっくりと目を閉じた。
永遠の眠りについたのだ。
今までで一番安らかな顔だった。
秋「カシス…!!いやあっ!目を開けて…っ!!」
慄「カシス…千草…」
慄はふいに秋を抱きしめた。
秋は泣いていた。
ソ「…カシスを救う手立ては…あります。」