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覚 醒
慄「やるしかないな…」
秋の頭を膝に載せ、口の中にカシスを含むと飲ませた。
しかし…頬に赤みがさしてきたが、一向に戻る気配はない。
慄「くそ…っ…だめか…」
慄の目に涙が浮かんだ。
そして…秋の唇に落ちた。
秋「ん…慄…くん…?泣いて…るの…?」
慄「千草…?記憶が…戻ったのか!?」
秋「え…どういうこと!?」
?「これは…こういうことよ。」
慄「カ…カシス!!」
秋「だ…だれ?」
カ「あなた達に言い忘れた事があってね。あ、秋さん。
記憶が戻ったのね。私は記憶の神、カシス。
秋さん、あなたは記憶を無くしていたのよ。」
秋「え…記憶を…?」
カ「それと、由紀さん達が目を覚まさない理由。それは、
あなた達に神様の元に行ってほしいから。ほら、これを飲んで。」
カシスからあの虹色の結晶を受け取った。
それを飲むと、秋達も薄くなり、消えた。