あ る 雨 の 日
秋「今日は慄君、遅れてくるのかー…」
あの朝のドタバタがあった次の日。
今日はあいにくの雨。
もう発表も近いから、今日は大道具を作る事に。
私は1人、部室の隣の小部屋にこもり、大きな看板を作っていた。
今日は1日練習だが
同じグループの彼は午後からしか来ない。
だから1人で作っていた。
もう、板を組み合わせ終わり、後はペンキを塗るだけだった。
「ふぅ…あと一息。がんばろ~!!」
?「こんにちは~!あ、秋ちゃん!」
秋「ああ~っ!!麻奈先輩!!」
この人は風葉 麻奈先輩。
もう部活は引退してしまって、今は部活にたまに来る。
麻「看板作り?1人で?」
秋「はい…もう1人は遅刻です。」
麻「そっか。この部屋、いろんな物が山積みになってるの。
ずっと前に1回地震があって、いろんな物が崩れ落ちて。
誰もいなかったからよかったんだけどね…気をつけてね;」
秋「は、はい…」
麻「それじゃ、私は帰るわね。またね~」
1時間後
秋「ふぅ…やっと大体終わったわ。」
今は11時50分。
秋「早く終わらせよ~」
その時。
地震が学校を襲った。
麻奈先輩の言った通り
私の背後の荷物が崩れおちてしまった。
私はあえなく下敷きになった。
「慄…く…ん…」
そしてそのまま気を失ってしまった
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慄「千草…?」
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そのころ、部室では皆が集まっていた。
けっこう大きな地震で、机の上の物が落ちたりして大変だったからである。
部長の由紀先輩が皆居るか確認する。
そこに丁度慄君が帰ってきた。
そこで秋が居ない事に気づいて、るいが声をあげた。
る「由紀先輩っ!秋が…秋が居ません!」
由「ええっ!たしかあの子は…隣の小部屋だわ!」
10分後。
秋はがれきの下から、柚歩先輩、由紀先輩や、るい、慄君
達に発見された。
その時は気絶していて、少し怪我もしていた。
そしてさらに10分後。
秋が目を覚ました。
る「秋!!大丈夫なの!?」
秋「……?」
慄「なんで黙ってるんだ…?」
秋「『秋』が私の名前ですか…?」
柚「ど、どう…した…の…?」
秋「私は…誰ですか…?なぜ…私はここにいるんですか…?」
慄「うそ…だろ?」
秋は慄君を見ると虚ろな目で、ただこう言った。
秋「あなた……だれ…?」
場の空気が凍りついた。