1 君との夕立
僕は夏の夕立の中、君と別れた。
忘れもしないあの日のこと、初めて君と会った日。
僕の親はがんで、そのお見舞いに来ていた僕は、帰り道、病院で雨が止むのを待っていた君を見つけた
午後四時のこと。
傘を忘れた君は僕と同じように、病院の中で外を見つめていた、10分ほど時間が経って僕は勇気を振り絞って言った
「あ、雨…やみませんね」一目惚れした僕は君にさりげなく、小さな声で言った 今考えると僕はヤバい奴だっただろう、
しかしそんな僕に君は答えてくれた
「…そ、そうですね」高校二年生の当時友達も彼女もいなかった僕は実に中学生ぶりの女性との会話だ。
僕は嬉しくなり、調子に乗ってさらに会話をしようとした
「どうして病院に来たんですか?」「親のお見舞いで…」
僕と同じですね、言いかけた言葉を飲み込んだ
少ししたらこの夕立は僕らを別れさせてしまうだろうそんな別れは嫌だ まだ一度しか喋っていない女性にそんな思いを抱く。馬鹿馬鹿しい、こんなとき喋れていたらとっくに彼女はできている、そんなことを考えながら夕立は止んでいく、僕の焦る気持ちは少し僕を変にした。「あの…僕も親のお見舞いで来たんです亅
(…!バカ!初対面の女性だぞ!何を言ってる!!)
理性は僕を止める 本能は僕を突き動かす
「名前を聞いてもいいですか?」「は、はい」
「西山あずさ、です」可愛い名前だ、もう僕は彼女に惚れ込んでいる。「いい名前ですね」
「僕は、京地航…です」全く予想できなかった
思いの外喋れていることに驚きが隠せない
「あの…連絡先交換しませんか?」先に言ってきたのは彼女の方だった「…えっ、は、はい!」喜びを抑えきれない、天にも登りそうな気分でスマホを取り出す
気持ちは大きく高ぶっている 「これで…できましたね」「いいんですか?初対面なのに」「いいですよ、私クラスの中では浮いてる方なんで。前から誰かと友達になりたかったんです」「こんなにきれいなのにですか?」本音を言ってしまった。彼女の顔が紅く染まるもうどうしようもなく彼女が好きだ
会話に夢中になっていると、夕立は止んでいた。
「あ、雨止んでる、それじゃあもう帰りますね」
「僕ももう帰ります」二人は家に向かって歩き出す「あれ?帰り道一緒なんですね」僕は心が弾んだ
まだ一緒にいられる!心のなかでガッツポーズした
はじめまして!初投稿のケロケロパーです!
今まで小説は読んだことはありますが
書いたことは無い素人です!
これからじゃんじゃん投稿しようと思います!
私生活が忙しく不定期投稿になってしまいますが
暖かく見守っていただけたら幸いです!
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