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前科三犯、現在逃走中のオッサンは老後が心配  作者: ma-no
11 アルタニア帝国 帝都2
247/330

247 第三回特級ダンジョン攻略2


「よっ!」

「生きてたのか……」


 地下80階のセーフティーエリア。ヤルモたちの営みを覗いていた勇者パーティはイロナに半殺しにされたのに、オスカリは反省の色無くやって来た。


「さすがに死ぬかと思ったぜ~。がっはっはっ」

「頑丈なヤツらだな」

「お前にだけは言われたくねぇ。嬢ちゃんを受け止められるお前にだけはな。いや、ギリギリか?」

「忘れろ!!」


 もちろん、イロナの性的虐待を受けてヤルモが苦しんでいる姿も見られていたので恥ずかしい模様。なので、ヤルモは話を変える。


「俺たちはもう出発するけど、なんか用か?」

「ああ。一緒に行かないかと思ってな。俺たちと一緒なら、楽ができるぞ?」

「お前たちが楽したいからだろ。俺はマッピングなんて手伝わないからな!」

「チッ……バレたか。じゃあ、金を払うぞ?」


 オスカリはお手上げのポーズで金額を提示すると、金の亡者のヤルモは一瞬なびいたが、イロナを見てしゅんとする。


「んなのに時間かけてる暇はないんだよ。先に行くな」

「あ、ああ。気を付けろよ。嬢ちゃんにも……」


 だってイロナは、早く行きたそうにして機嫌が悪そうだったんだもん。



 それからセーフティーエリアを立ったヤルモとイロナは『ガンガン行こう』。モンスターを蹴散らし、次のセーフティーエリアでは半日遅れで勇者パーティが合流。

 しかし、ヤルモたちのテントは完全に閉じていたので、寝てると判断して声は掛けない。これは、冒険者は攻略速度が違うので、知人であっても寝ているところを起こすのはマナー違反だからだ。

 ヤルモたちが目覚めた時に、勇者パーティのテントを発見したが声を掛けない。これは、ヤルモは人見知りだから、知人であっても声を掛けたりしないからだ。


 地下100階からもヤルモとイロナは『ガンガン行こう』。120階のセーフティーエリアともなると、勇者パーティも二人に追い付けず。ヤルモたちが出発してからしばらく経った頃にやって来ていた。


 そして地下140階のセーフティーエリアは、ゆっくりと休息。温泉に浸かり、これまでの疲れを落とす。あんなことやそんなこともやりたい放題で……



 人のいない解放感のあるセーフティーエリアだったので、ちょっとやり過ぎたヤルモたちは寝坊。出発前にまた温泉に浸かっていたら……


「うおっ!? 何してやがんだ!!」


 オスカリ登場。しかも、出て行くわけでなくイロナをガン見してやがる。


「「お前がな……」」

「待った! すぐ離れるから。な? 殺さないで……」


 イロナに半殺しにされたことを思い出したオスカリは命乞いしながら去って行ったが、また半殺しにされるのであったとさ。



「こんな公共の場所で全裸でいるお前たちが悪いんだろ~」


 ヘンリクに治療してもらって復活したオスカリは、涙目で苦情。イロナには通じなかったようだが、ヤルモには一理あると通じていた。


「てか、思ったより早かったな」


 朝食がまだだったので、仕方なく勇者パーティと席を共にするヤルモたち。メニューも別々だが、いちおう共にしているのでオスカリに話を振った。


「まぁ上層より地図が細かく書いてあるからな。最初は半信半疑だったが、後半は疑うのはやめたってのも大きい」


 ヤルモの作った地図は、上層は一本道しか書いていないので、勇者パーティの書き込む内容が多かった。しかし、中層からは宝箱が書いてあったので、いちおう回収しに向かったとのこと。

 すると100%宝箱があったので、ヤルモの地図は全て正しいと感じたそうだ。なので、後半はヤルモが向かっていないところを攻めて地図を埋めたから、時短になったのだ。


「そんなんでいいのか? 宝箱を回収しないと儲けが減るだろ」

「俺たちは金に困ってないからいいんだよ。それに、完璧な地図はめちゃくちゃ高く買い取ってくれるからな」

「あん? そんなに高いのか??」

「あ、そうか。マッピングなんて面倒な仕事、勇者かギルドのお抱え冒険者しか回って来ないから知らないか。ちなみに金額は……」


 オスカリから聞かされた料金はヤルモが思っていたよりも多かったので、何か怒りの炎を燃やしていた。


「あんの勇者……俺たちに分け前よこさなかったな……」


 そう。カーボエルテでマッピングを手伝ったのに、給料がそのままだったからヤルモは怒っているのだ。

 事実は、クリスタからの支払いとドロップアイテムでヤルモのほうが稼ぎが多いので、恨むほどのことではない。まぁクリスタはそのことをすっかり忘れていたので、今ごろ謎の寒気に襲われていたが……


「やっぱ金に困ってんだろ? ちょっとぐらいなら相談に乗るぞ??」


 そんなこととは露知らず、オスカリはヤルモのことを心配するのであったとさ。


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