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前科三犯、現在逃走中のオッサンは老後が心配  作者: ma-no
05 カーボエルテ王国 王都2
105/330

105-1 特級ダンジョン8


 リッチエンペラーを倒した勇者一行は、ドロップアイテムを回収したら奥の小部屋でランチ。クリスタたちはけっこうな経験値が入ったらしく、レベルアップに喜んでいた。

 ヤルモもレベルアップしたらしく、ボソッと呟いたらイロナの目がキラーンと光った。しかしそれは一瞬だったので、ヤルモは謎の悪寒に震えるだけであった。


 地下51階からは、イロナとヤルモだけ『ガンガン行こう』。モンスターの強さもさることながら、クリスタたちのMPも底を突き掛けているので、ほとんどアイテム拾いの従者となっている。

 ただ、あまりにも暇そうにしているので、ヤルモはたまに瀕死のモンスターを送り込んで緊張感を維持させていた。


 クリスタたちはヤルモの戦い方を見ていたからか、冷静に対応。クリスタはヤルモのように戦い、余裕があればリュリュに攻撃魔法を少しだけ使わせていた。



 順調に地下60階のセーフティエリアに着いたら夜営の開始。夕食を済ませてイロナの夜の押し売りが始まるが、ヤルモは昨日のダメージが抜けきっていないので、リュリュに聞かれていたと言って断っていた……



  *   *   *   *   *   *   *   *   *



 一方、ヤルモたちとは離れた場所にあるクリスタたちのテントには、震えるリュリュが訪れていた。


「あの……またあの声が聞こえているんですけど……やっぱりおばけがいるんじゃ……」


 今日は体の拭き合いっこだけなのだが、拷問のようなイロナの体拭きにヤルモは悲鳴をあげるものだから、リュリュは怯えてしまっている。


「かわいそうに……こっちおいで」


 クリスタはリュリュをテントに招き入れると、オルガとクリスタの間で寝させる。そうして二人で優しく頭を撫でていたら、リュリュは安心して眠ったようだ。


「やめろって言ったのにあの二人は……」

「いちおうやめてるんじゃないですか?」

「どゆこと?」

「ほら、昨日はヤルモさんの悲鳴は凄かったですけど、今日はもう終わっています」

「あ、本当だ」

「今日の声の感じだと、たぶん体を拭いてただけでしょうね」

「まぁイロナさんに体を拭かれたら拷問と変わらないもんね。でも、聖女様って……」


 クリスタが嫌な笑みを浮かべるので、オルガは首を傾げる。


「なんですか?」

「声で何をやってるかわかるんだ~……聖女様のエッチ」

「なっ……わかるわけないでしょ!」


 こうしてムッツリ聖女が言い訳しながら夜が更けていくのであった……



  *   *   *   *   *   *   *   *   *



 翌日はイロナだけ『ガンガン行こう』。巨大なモンスターも出るようになって来たので、イロナのテンションが高くなっている。

 ヤルモの出番も奪って突っ込んで行くので、集合して話し合っていた。


「あんなに大きなモンスターを……あわわわ」

「リュリュ。どっちにビビッているかわからないが、ちゃんと話を聞け」

「は、はい……」


 リュリュ的には巨大なモンスターに驚いていたのだが、ヤルモはイロナだと思っての叱責。どうも、今日もクリスタたちのテントからリュリュが出て来たから苛立っているようだ。童貞オッサンはハーレム展開が許せないから……


 イロナが戦っている間に、巨大モンスターの簡単な倒し方講座。各々の役割を説明しつつ、イロナの戦闘は参考にならないと補足。

 モンスターのぶっとい腕や足が舞ったり、体が真っ二つになったりしているので、全員ウンウン頷いていた。



 イロナのテンションに合わせて進んでいたら、もう地下80階手前。階段の前には巨大なドラゴンと四つ首のヒュドラが待ち構えていた。


「ドラゴンは我がもらうぞ!」

「「「「どうぞどうぞ」」」」


 クリスタ班の獲物であっても、ドラゴンならばイロナの別腹。リュリュもイロナの性格がわかって来たらしく、ヤルモたちと同じようにイロナを笑顔で送り出すのであった。


「まずはヒュドラを引き離すぞ! 撃ちまくれ!!」


 イロナが我先に突っ込むものだから、ヒュドラもイロナをターゲットにしているので、こちらに目を向けさせようとするヤルモ。

 しかし、リュリュの攻撃魔法ではヒュドラとレベル差があってダメージにもならないので歯牙にもかけない。クリスタの攻撃魔法はダメージが入ったが、こちらを優先させるほどではなかった。

 そこに、ヤルモは急接近。クリスタたちの攻撃で弱いと思われたのか、ヒュドラの後ろを簡単に取れた。普通はこのまま攻撃をするのだろうが、ヤルモは前に回り込んでから渾身の回転斬り。遠心力を上乗せして、ヒュドラをブッ飛ばした。


「横から攻めろ!!」


 イロナから引き離したヒュドラに、ヤルモは突っ込みながらの指示。ヒュドラも大ダメージを喰らったからか、ヤルモに突撃。からの集中砲火。

 ヤルモはどんな攻撃を受けても盾で防いで一歩も下がらない。さらには剣での攻撃を決めるので、ヒュドラもヤルモばかりを攻撃してしまう。

 そこにクリスタのヒットアンドアウェイ。一撃入れては大きく後ろに跳び、そこにリュリュの攻撃魔法が放たれ、またクリスタが斬り付け。

 ダメージの割合でいうと、ヤルモ七割九分、クリスタ二割、リュリュ一分、オルガは支援魔法オンリーなのでゼロ。

 ほとんどヤルモの攻撃で、ヒュドラは倒れるのであった。


 ……あっ! ドラゴンは、イロナに首を斬り落とされて簡単に倒されたのであったとさ。


次話『 105-2 』は性的な描写が含まれていますのでアルファポリスにて『 R-11 』のサブタイトルで、明日更新します。

18歳以上でもしも読まれたい方は、アルファポリスにてしばしお待ちください。

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