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夜迷い言

天体的孤独感

作者: F

自転車であぜ道をゆく

車が石を弾く音がする

振り返らずに端に寄る

用水路の溝の存在が

音と共に大きくなる


車に当たる

溝に落ちる

その間をやり過ごす

クラクションを鳴らされる

うるさいなと、思う


車が行って

溝は萎縮してしまって


ふと空を見上げてみた

雨にならないなと

何となくわかる曇り

ところどころ切れ目がある

そこから夕陽が漏れ出ている


あの雲の向こうに

太陽があると思うと

全ての雲の向こうに

宇宙があると思うと

ため息をついてしまう

頭上がソワソワする

全身で空を見ている気になる

そうすると僕は空が怖くなる


まるで自分の人生が

シャボン玉に内包されて

その表面の虹色が

パッと散ってしまう

そんな錯覚に陥る


地球ですらも

シャボン玉のような

いつかパッと散ってしまう

そんな儚さを覚える


僕は毎日学校に行っている

友達に会っている

社会に参加している


そういう実感があったとして

あの空のなすままなんだなと

パッと散ってしまうんだなと


そう思いつつ

空を見上げているまま

自転車を漕いでいたら

いつでも溝に落ちてもいいような気がした

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