善悪なんて
善悪 美醜 真偽
そんな価値など つゆ知らず
草の先端は 朝露を宿し
そこに温かな 朝日が光る
ぼくの善は 偽りで
犯した過ちに 悪意はないけれど
それでも社会が 悪といえば
ぼくの善は 偽りとなる
そんな罪など つゆ知らず
辺りは暗くなり 月が浮かび
淡い雲の隙間に 星が瞬く
どれだけの人が 自分に正直でいるのか
素直でいることが いつも善とは かぎらないのではないか
性善説なのか 性悪説なのか
そんな迷いなど つゆ知らず
人は笑い 泣き 怒りを覚える
全てを貫く 必然の鎖
それは運命と呼ばれるけれど
それに抗う 微かな命も 必然で
ただそれを眺める 穏やかな心に
ああ 朝露は宿り 月が浮かび 人は笑うのだな