桃太郎 いきなり人生詰む
「らっしゃい らっしゃい」「光属性の刀そろえてるよー」「紅流のボディーガード...」
市場には活気の良い声が響き渡る、陰キャコミュ障の俺にとってはアレルギー反応で逃げたくなってくるほど苦手なものだ。
”ドンッ”
「いててて」
きれいな女の人にぶつかってしまっ...
「あの。大丈夫ですか?」
話しかけられたーーっ うわーーーーーーーーーっ俺なんて返せばいいの え? え? いや落ち着け俺、大きく深呼吸しこう返す
「大丈夫ですよ。そちらは?」
「私は大丈夫です、何を買いに来たのですか?」
「MoMoです」
英語の和訳みたいな会話だ。
改めてみると、とてもきれいな首飾りにドレスだ。
「あーどこか冒険にでも?」
「あ、は、はい」
鬼ヶ島に行くことは禁止されているため口が裂けても鬼ヶ島に行くためなんて言えない。
「もしかして、ワーキスト共和国にでも行くのですか?」
ワーキスト共和国にはたくさんの怪物が住んでいる、討伐したら世界怪物討伐機構から賞金がもらえることもあるため多くの冒険者が足を運んでいる。ここでは取りあえずこういう事にしておこう
まぁそんなこと俺がしても瞬殺されるだけだが...ハハハ
「はい。冒険がしたくなりまして」
「へぇ、剣の...」
「お嬢様ーーッ、誰ですかこいつは、というかお母さまがご心配しておられましたよ」
「どうして急に逃げたのですか?」
ん?おかあさま?へぇこの女の子結構な家のご令嬢とかかな
「私はもういや お嬢様扱いなんてやめて!わつぃは普通に生きたいの!」
わ、わつぃ?
「そんなこと言われましてもお嬢様は次期女王の座に就くのですから、ささ早く剣の訓練をしましょう」
え、え、今次期”女王”って言ったよね、うん。絶対言った、てことは俺王女様とぶつかっちまったの?俺殺されるんじゃ...うわーーーーっ とりあえず逃げよう うん MoMoより命だ
「もうこの人と一緒に...」
突然王女様に手を取られ、ともに走ることとなってしまった。え?おれ多分罰せられるよね、人生積んだ...
「さ、もっと早く、逃げたいの」
~桃太郎は王女様と運命的?な出会いを果たしたのであった~