167 情報収集①
①お見送り
②ルナさん、限界
③竜王編終了
~ピピピ・ピピピ・ピピピ~
~おはようございます、マスター~
~領域より120,000 DPを回収しました~
~侵入者を撃退し、40,859 DPを取得しました~
~所持DPの端数を利用し、世界樹に対して<成長>を執行します~
~迷宮化が終了しております~
~領域拡張が終了しております~
~特性に【土】が追加されました~
「んん、んんん~~~?」
「おは………なの?」
120000…12万!? ちょ待って? ちょっと待って!?
「な、なんか凄い数値が聞こえた気がしたなの」
「と、取り敢えず……おはようございます」
「あ、おはようなの」
挨拶大事、うん……ちょっと落ち着いた。
「コアさんや、12万って…まじ?」
~ 肯定、ステータスを表示します ~
現在時刻 7:05:32
世界樹の迷宮 LV:8
特性:植物・水・土←NEW
DP:302,000
迷宮 創造 作成 倉庫 その他
処理能力:9,900 / 10,000
機能容量:8,500 / 10,000
機能
・創造:<想像ノ創造>
・迷宮:<効率化LV2><成長>
・領域:<高速化LV2><吸収><範囲選択>
・機能:<鑑定><散布><カメラ><選択・予約><数値化><一覧化><解放>
<深化>
昨日は15万も無かったから……うっは、本当に12万入っているよ。
あ、何気に、特徴に【土】が付いている。回収DPの多さに意識が向いていて、気が付きませんでした。
特徴:【土】植物の成長に補正(小)生物の回復に補正(小)
今までの分と、要塞やら地下道やらを掘った際に出た土を、片っ端から【倉庫】に突っ込んでいましたからね。その内来るとは思っていました。
ほうほう、回復能力に補正が入るんですね。これは中々……皆さんの無茶が、加速しますね。薬が大量に有るので関係ないか。
ですが…うん。植物の成長補正ですか、これで三つ目ですね。
「なのなの。いつもより伸びが良いと思ったら、その特性が原因だったなの」
「あ、世界樹さんにも適応されるんですね、これ」
だったら、いいかな~。別に植物が増えても困ることも無いですし、あくまで領域内限定ですから、生え過ぎて、余所に迷惑が掛かることも無いでしょう。
それに、うちには大食漢な方も多いですし、それぞれに成長には限界もありますから、大きくなりすぎるなんてことも無い。うん、問題ないですね。
それでは本題。
現在のDP 302,000
あはは~、半日程度竜族がいただけで、10万近く回収量が増えたぞ~……やべぇ。今までダンジョンの領域から回収できていたDPが、2万がいいところだったのを考えると、とんでもないですね。
これは、竜族が大量に来たことも有るでしょうが、絶対エディさんが原因でしょう。エレンさんクラス、中位の竜族一体で約1000DP、殺したわけでもないですし、数体居た上位竜が幾らほどかは分かりませんが、行って1万も行かないでしょう。
あ、因みに、瘴気が抜けたゴドウィンさんからも1000DP程度は回収できたので、瘴気のせいで真面な魂のカス(DP)が出ていなかった可能性も有るんですよね~……あれ? なら、今回来た上位竜の面々からも、殆ど回収できなかったのでは? と言う事は、ほぼエディさんが供給源? おうぅ、本体が来たら、どうなるんでしょうね、これ。
「なの! これなら<深化>で消費した分が、すぐに回収できるなの!」
「そうだと良いですね~。一時期、スッカスカに成っていましたからね~、ははは」
「笑い事じゃ無いなの!」
「世界樹さんだって、賛成したじゃないですか」
「な゛…の」
残しておく安心感も捨てがたいですが、処理能力のお陰で一度に使える量も限られますし、死蔵しておくのも勿体ない。て事で、実験も兼ねて<深化>を使ってみた訳ですが、いや~消える消える。DPが消える。なんせ、<深化>にDPを使っても、能力に変化が見られなかったので、色々試して居たら、湯水のごとく消えましたからね。
普段そんなに使わなかったのも、要因の一つでしょう。物資は大体の物が自力で生産できますし、他にも使うのは限定的でしたからね。
「そう言えば、そろそろレベルが上がるんじゃないなの?」
「あ、そう言えばそうですね。あと大体…20万位ですかね?」
「……もしかして、<深化>を使った分だけ、必要経験値が増えたとか、無いなの?」
「こ、怖い事言わないでくださいよ。流石にそこまで鬼畜仕様では無いでしょう」
もしそうなら、何のための機能になるんですか……レベルの上がりが遅い代わりに、一度に上がる能力が上がるとか? ……あ、有り得そうだ。
「まぁ、なる様にしかなりませんって。後20万使えば、ハッキリしますよ」
「なら突っ込む?」
「勘弁して下さい」
消費するのに時間も掛かりますし、無理する必要も無いですって。今まで通り、チビチビ使って上げて行きましょう?
「なら、今日は如何するなの?」
「情報収集ですかね~、向こうも大分落ち着いて来たみたいですし、丁度いい時期でしょう」
「情報収集、落ち着いた……獣人なの?」
「そうそう」
大まかに話はしましたが、面と向かって腰を据えての話はまだでしたしね。チャチャっと準備して、会いに行きましょう。
「なら、その前にメシなの!!」
「はいはい、今日は何にしましょうかね~」
―――
領域内限定ですが、折角外でも安全に行動できる手段を確保できたんです。利用しない手は無い。
「…てなわけで、余所行き且つ、嫌味や威圧的にならない程度の、シンプルな格好を所望します」
タクミさんに、今日のコーディネートを依頼する。
もうね。俺の恰好は全てタクミさん達に任せる事にしました。そうしないと俺は、一日中同じ格好になる自信があります、タクミさんも喜びますしね。
「……これ、ダメ?」
「ダメ。コスプレ衣装から離れなさい。着る人に合わせた格好ってあると思いません?」
「「「ぐぬぬ」」」
不満があるとするならば、何故かこう……かっこいい格好? 着る人が着れば映える服を、前面に出してくるんですよね。そう言うのは、もっとスマートでかっこいい人に勧めなさい。
「……じゃぁ…これで!」
「おぉ、良いじゃないですか。では、使わせていただきますね」
何だかんだ、センスは良いと思うんですよね。俺が壊滅的なので、多分としか言えませんが。
早速服を着た人形に意識を移し、<神出鬼没>で移動する。ちょうど皆さん集まっていますし、そこで良いですね。
「こんにちは~、お時間宜しいですか~?」
俺が移動した場所は獣人さん達の住処、その中心部に建てられた、ちょっと大きめの建物の前。今日は集会の日の様で、各部族の族長が集まっていた。そこに参加させてもらおうと思った訳だ。事前連絡するぐらいなら、直接会って交渉しても変わらないですからね、電話がある訳でも無いですし直行です。
「!? 何もんだ、テメェ!」
未だに外に居た牛人が、警戒心全開で何時でも動ける体勢で威嚇して来る。うんうん、高圧的に振舞っていますが、一定の距離を保って、いつでも行動できるようにしていますね。見た目と違って、冷静にこちらを見極めようとしてくる。
そんな警戒の声を聴いて、奥の建物からワラワラと、他の方達が顔を出す。
「なんだ? 人間……じゃ、ねえよな? 草人か?」
兎人さんは、興味深そうにこちらを観察している。
警戒心を抱いていないのは、こちらに敵意が無い事にいち早く気が付いたからでしょうかね。
「……一人か?」(スンスン)
犬人さんは、鼻をひくつかせながら、冷静に周りを警戒。伏兵が居ないか疑っているようですね。俺への警戒は、全て他の方に任せているのでしょう、なかなかの信頼度で。
「こんな所まで来れるなんて、只者じゃねぇべ」
豚人さんは、こちらに見えない位置で魔力を練っている。
意外と魔法タイプの様で、いつでも発動できるように、発動直前で魔法を維持している。
「ほっほっほ、何の用かのぅ?」
エルフ爺さんは、一瞬驚き、すぐさま警戒…した振りをする。このじじぃは……
「……」
そして鼠族のチェットさん。
……気配を消しながら、無言で短刀に手を掛けないでもらえません? 一番怖いんですけど。
それもこれも、エルフ爺さんが面白がって、俺の正体を言わないのが原因ですよ。感情でもろバレなんですよ。
「エルフ爺さん、人が悪いですよ」
「ほっほ、何のことかのぅ?」
「……ビャクヤさんのモフモフを禁「よくぞ参られた、迷宮主よ。ささ、何もない所じゃが、中へどうぞ」
「「「!?」」」
全くもう、調子いいんだからこのモフラー爺さんは。
「おま…貴方様が、ここの迷宮主…様、ですか?」
「そうですよ~、前にも言いましたが、話しやすい喋り方で良いですからね」
「う、うむ、承知した」
エルフ爺さんの後に付いて行き、建物の中へと入って行く。中は意外にもがらんどうで、木の床に座布団が引かれているだけだった。
「さ、こちらにどうぞ」
指定されたのは、奥に引かれた中央の席だった。ここでは俺がよそ者ですし、下座で良いのですがね~
「流石にご勘弁を。それに、我々全員は対等の立場である事を誓っており、上も下もありゃせんのじゃ。司会進行をかねて、ワシが座っていましたが、ここは貴方様がふさわしいでしょう」
む~…まぁ、ここの地主みたいなもんですからね、仕方がない……最近、こんな感じの立場に慣れて来ている自分が居る。な~んでだろ?




