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148 ガラクタ置き場

①情報処理モード

②情勢が色々動き出した?

③迷宮テスト

 

 ~ピピピ・ピピピ・ピピピ~

 ~おはようございます、マスター~

 ~領域より18,500 DPを回収しました~

 ~侵入者を撃退し、37,659 DPを取得しました~

 ~所持DPの端数を利用し、世界樹に対して<成長>を執行します~

 ~迷宮化が終了しております~

 ~テンプレート【ガラクタ置き場】が完成しております~

 ~領域拡張が終了しております~


 ダンジョン【世界樹の迷宮】、迷宮【ガラクタ置き場】 魔物ランクF~E


 翌日、早速挑戦者一行が現れた。結構気合が入っている様で、フル装備での挑戦のご様子。


「本当に、弱い魔物しか居ないな」

「出来立てのダンジョンって感じっすね」

「全面石レンガ、敵が隠れられる場所は無さ気」

「罠も少ないと言っていたが、無いとは言っていない、注意するべ」


 上から

 戦士(ウォーリア)の牛人 LV27

 魔法使い(マジシャン)の犬人 LV15

 斥候(スカウト)の鼠人 LV17

 指揮者(リーダー)の豚人 LV21


 入った方への<鑑定>については、許可をもらっているので悪しからず。

 見た感じでは、バランスのいいチームなんじゃないですか? その中でも、牛人のレベルが高い、流石は部族長と言ったところでしょうか。


 逆に言えば、LV15ぐらいが、戦闘職の平均レベルとも取れますね、ゴトーさんの調査でもそんな感じでしたし…レベルが高くても、弱い奴は弱いですけど。

 あ、コアさん。念のため、入って来た方の集計を取っといてください。


 ~ 了解 ~


 流石に1~4階層には発動すらしないガラクタしか無いので、本番は5階層から。

 この辺りから、最大レベル5までの最下級ピュアやベビーが少なくなり、最大レベル10の下級の魔物が増えて来る。

 魔力濃度を調整しているので、これ以上の進化は難しくなっていので、大体は進化の余地が無い最終進化の魔物が中心になるでしょうね。最終進化の魔物は、進化できない代わりに、同レベルの中では強い傾向が有りますし。


 まぁ、何が言いたいかと言うと……


「「「ぎゃーーー!!??」」」


 ― ドタバタドタバタ ―


「「「「……」」」」


 戦力過剰なんですよね~。他のダンジョンを見た事無いので何とも言えませんが、自分より圧倒的に強い相手に、襲い掛かったりしませんって。


「おい、ダンマス、見てんだろ? ここはどうなってやがる」

(だから、気軽にって言ったんですよ、命がかっているのは分かりますが、そんなガチチームで挑まれましても……)

「は~、分かった。確かに魔物のレベルを見た感じ、新人には丁度いいかも知れないな」

「後は、報酬の魔道具が、このレベルに合っているかって事だべ?」

(はい、そうなります)


 ほぼ迷いなく次の階層へと進んでいく一行。う~ん、マップ的なスキルでも有るのでしょうかね?


「そんなもん持ってねぇよ」

「ただ、魔力の濃い方向へ進んでるだけだべ」


 あ、魔力とか分かるんですね。う~ん、うらやましい。俺はコアさんを通してでしか、分からないですからね~。

 でもそれだと、通路部屋を通るばかりなので、魔道具が中心的に置いてある、行き止まり部屋には滅多に当たらない……が


「お?」

「箱か? 分かりやすいな」


 そんな事を思っていると、通路部屋の中心に現れたのは、ダンジョン名物宝箱。捻っても良かったんですが、分かりやすいのが一番かなと思いまして。


「初めての収穫だな」

「さて、中身は何だろな?」


 そうして、無造作に手を伸ばす牛人さん…て


(あ)

「ちょま」

「ん?」 ― ボフン ―


 ……いや牛人さんよ、罠確認位しましょうよ。即死系の罠だったらどうするんですか。


「平気だべ?」

「阿呆、いくら何でも、油断しすぎだ」


 他の方は、結構冷静ですね。まぁ、中身はただ粉が噴き出すだけの、嫌がらせでしたからね、毒もないし。


「魔力の流れに変化はない。周りに何か起きた感じは……そこ!」


 ― ドン! ―


「ケケケケケ」


 そんな中、鼻をひくひくさせていた犬人さんが、いきなり魔法発動。多分、風ですね。

 焙り出されたのは……悪戯(グレムリン)ですか、罠を仕掛けたのはこの子でしょうね。


 名称:悪戯(グレムリン)

 氏名:―

 分類:半虚現体

 種族:悪魔族

 LV:3/ 10

 HP: 61/ 61

 SP: 52/ 61

 MP:102/189

 筋力: 26

 耐久: 26

 体力: 26

 俊敏: 98

 器用:135

 思考:135

 魔力: 89

 適応率:10(Max100)

 変異率:20(Max100)

 スキル

 ・肉体:―

 ・技術:<魔力感知LV3><闇魔法LV1><細工術LV2><罠LV2><隠蔽LV2>

<隠密LV4>

 ・技能:<影潜りLV1>

 称 号:―


 やっぱり獣人全般、感覚鋭いですね~。<隠密>且つ<影潜り>までしていた相手に、スキル無しで気が付きますか。スキルとして出てない所を見るに、これは獣人全般が普通に持っている能力って事なんでしょうね。


「悪魔族!?」

「何でこんな所に!」

「モォーーーー!!」

「キキ!?」


 悪戯(グレムリン)を見て驚いている他の者を余所に、戦斧を振り被り突貫する牛人さん。う~ん、相当キレてますね~。

 まぁ、幾らレベル差が有ろうが、そんな大振りでは当たる訳も無く、容易に躱され戦斧が地面に食い込む。おぉう、当たったら即死だろうな~。

 そんな姿を尻目に、さっさと<影潜り>で通路へと逃げ出す悪戯(グレムリン)。出口前で顔を出し…


「……ップ!」


 煽ることも忘れない


「待てやぁ、ゴラァ! グッフウ!?」

「まったく、落ち着くべ」


 おぉ、鎧の隙間を縫って、豚人さんによるボディブローが炸裂。あれは痛いぞ~。


「追いかけて行って、又罠に掛けられたらどうすんだべ」

「悪魔に弱点以外の魔法は効きにくい、相手にしたくないぞ」

「ぐぬぬ」

「それよりも、箱の中身だ」

「……モ~、分かったよ」


 う~む、上位の存在に対して悪戯を仕掛け生き残るとは、ある意味勇者でしたね。しかも、追いかけられたとしても、逃げた先にもきちっと罠が……やるなこいつ。


 獣人さん方は追跡せず、宝箱の中身を確認する様子。賢明ですね、あの罠地獄を通って迄、追うことも無いでしょうし。


 さてさて、宝箱入りって事は、取り敢えず作動するモノって事ですからね、中身も皆さんの反応も、楽しみですね。


「主様、定時報告になります」

「クロスさん? あれ、もうそんな時間ですか」


 あらら、思った以上に時間が経っていましたね。

 まぁ、大体見られましたし、魔道具の感想は後でも良いか。ダンジョンのレベルについては後で、もう少し低レベルの方達で、挑戦してもらいましょうかね?


 ―――


「おぉ、無事に戻ったか!」

「皆! 挑戦者たちが帰って来たぞ!!」

「「「ワーーー!!!」

「「「「……」」」」


 う~ん、気まずいでしょうね~、これは。

 決死の思いで送り出されたのに、殆ど襲われることも無く帰還しましたからね。今度、もう一つ上の迷宮でも造っておきますか、場所は何処が良いかな~。


「迷宮主、ダンマスは最低レベルと言っておったが、どうじゃったかのぅ」

「あぁ、まじで簡単だったな。そもそも、戦闘らしい戦闘も無かった」

「……どうゆうことじゃ?」


 そして、説明を始める挑戦者一行。本来は、自分たちの成果を高らかに自慢する場面なのでしょうが、山も谷も無かったですからね~、完全に報告ですわ。聞いている限り、あの後も変わったことも無く、最下層まで行ったらしいし。


「そんで、手に入れたのが、この魔道具だ」


 そうして、取り出したのは3つの魔道具。あの後も回収していたんですね。


 一つは、小型化に成功した火の魔道具。スイッチ一つで、小さな火種を作ることができる。

 欠点は、出力が貧弱な事、魔法を使えない相手を想定したのに、使用者の魔力が必要な事。


 次は、ブレスレット型の結界の魔道具。魔力を込めると発動し、透明な盾の様に展開する。

 欠点は、消費の割に強度が弱く、割られるとクールタイムに時間が掛かり、連続使用ができない事。


 最後は、使い捨ての投擲魔道具。魔法を維持することができ、安全装置を外すことで、起爆状態になり、衝撃を受けると中の魔法が発動する。

 欠点は、魔法を長時間維持できない事、大きな魔法を詰められない事。


 どれもこれも、なにかしらの欠点がある。使えない訳では無いけど、頼るには心もとないってレベルのモノですが、反応は如何に。俺を含め作成者一同、緊張の面持ちで感想を待つ。


「これは……」

「ぶっちゃけ、迷宮のレベルに、魔道具が全くあってねぇ」


 その言葉を聞いて、崩れ伏す子が何人か。欠陥品とは言え、自分が作った物が、最低レベルの迷宮にも見合わないと言われれば、そうもなりますか。でも、う~ん、その判断は早計かな?


「うむ、これでは、根こそぎ持っていく輩が出ても、おかしく無いのぅ」

「だな、いくら何でも、難易度が優しすぎる。魔道具だって、欠陥品と言いながら十分実用レベル、他の国では知らんが普通に使えるぞ」


 その言葉を聞いて、復活する職人(オタク)共一同。良かったですね、普通に使い物に成るそうですよ。

 そうなると、迷宮のレベルを上げる必要がありますね。もしくは、もっと階層を増やすか、魔道具を置く場所と量を、制限するかですかね~。これも、後で相談しましょうか。


斥候:パットロー→スカウトに修正 ご意見いただいた方、感謝致します!

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔力が無くなるまで術式拡大 ≫範囲内の魂を魔力に強制変換  ≫魔力が無くなるまで術式拡大    のループで簡単に自爆出来る
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