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99 潜入任務

①結果報告

②高速移動

③潜入成功

 

「う~~~ん、こんなもんなのかな?」


 プルさん経由で、街の情報を流してもらっていますが、想定していたレベルを超える気配は、今のところない。


 イメージとしては、小綺麗な中世? 限られた敷地を最大限利用する為に、建物の上に建物が建ち、縦横無尽にアーチ状の石橋で、道が作られている……らしい。地震とかが無いのかな? それとも、起きても倒壊しない様な建築だったり、魔法が関係していたりするのだろうか? 要観察ですね。


 魔道具の普及は、そこそこ? 一般家庭にはそれ程ないが、店や施設には専用の魔道具が設置されているみたいですね。

 飲食店には、調理の為の加熱用魔道具、公共施設には冷房の魔道具などなど、ちょっとした高級品と言った感じですかね?


 水回りは、下水へ繋がる公共の排水溝が設置され、結構衛生的の様だ。……粘液(スライム)達の侵入経路にできそうですね、警戒されてないかな? 要検討。


 食事についても、生野菜のサラダとか、生肉をその場で焼いて提供していたりと、結構充実しているご様子。魔道具による保存と運搬の為のインフラが、中々整っているようですね。通信関係は、まだ全然分かっていないですけど、それを抜きにしても、見た目よりかなり生活レベルは高い様ですね。


 ただちょっと、昼間からたむろしている人が多いのが、気になりますね~。その他大勢より強い奴が中心みたいですし、荒事専門の人……冒険者みたいな人たちですかね? 森とか全部なくなって、仕事が無いのかもしれない。新しい資源として、こちらに来る可能性は大いにあるでしょう、要警戒っと。


 他にも、侵入したい施設の目星は付いているんですけど、元々が隠密の得意な子達でないので、難航している。得意なのが、闇影粘液ダーク・シャドースライムさんだけですからね~。

 ……潜入部隊でも編制しましょうか? 誰か指揮を執れる子で、興味がある子居ないかな?


「マイロード、人の営みは如何なものですか?」

「ん? 気になりますか?」

「えぇ、勿論! 怒り、悲しみ、恐怖に欲。生き物が抱く感情こそ、(わたくし)めが求めるものでございますゆえ。メルルルルル」

「う~ん、まさに悪魔」


 人の体に山羊の頭が付いた、悪魔族の魔物、名前はゴトーさん。今は、蜘蛛(タラント)達が作った執事服もどきを身に纏っている。


 名称:淫魔(サキュバス)

 氏名:ゴトー

 分類:半虚現体

 種族:悪魔族

 LV: 12 / 25

 HP: 150 /  150

 SP: 139 /  150

 MP:1537 / 2500

 筋力:56

 耐久:56

 体力:56

 俊敏:400

 器用:1200

 思考:2000

 魔力:1200

 スキル

 ・肉体:<神出鬼没LV2><状態異常吸収LV1><属性吸収LV1><魔眼(誘惑)LV1>

 ・技術:<魔力支配LV3><高速思考LV4><平行思考LV4><分離思考LV4><翻訳LV2><読心LV3><偽装LV5>

 ・技能:<威圧LV4><誘導LV4><精神魔法LV5><幻覚魔法LV5><念話LV4><鑑定LV4><集中LV3><瞑想LV3>

 称 号:<誘惑するモノ><幹部ボス



 うん、淫魔(サキュバス)なんですよ、この子。

 この子はスキルが無くても、相手が好む姿に変われる能力を持っている。その為、今の姿は本当の姿ではない。

 あ、ちなみに、彼の種族にとって、人が呼吸するのと同じ様な機能になる為、スキルとして表示されてなかったりする。


 それと今の姿は、誰かの好みというわけでは無く、これが一番落ち着くんだとか。

 順当に進化していったら、同じような姿の魔物が居ますし、そっち方面に引っ張られているのでしょうかね? 能力的にも性格的にも相性が良い種類ですしね。


「行きたいなら止めませんよ? 聞いた感じですと、監視の魔道具の様なものも見つかっていませんし、ゴトーさんならバレないかと」

「本当ですかな!? でしたら(わたくし)め、現地に赴きたいと思いますが、よろしいですか!?」

「良いですよ~、ここに居ても暇でしょうしね。粘液(スライム)さん経由で良いので、可能なら情報の提供もお願いします」

「御意! メルルルルル~」

「後続を送るかもしれないので、その時はよろしくお願いします」


 心底嬉しそうに、ゴトーさんは周囲に溶ける様に消えていった。

 早速、侵入チームの指揮官が決まって仕舞った。後は、実行部隊ですね、募集でも掛けてみますか。


 ―――


 ― カラン コロン -


「いらっしゃいませ、ようこそ冒険者ギル…ド…へ」

「ギルドへの登録をしたいのですが、宜しいですかな?」(ニッコリ)

「………………ハ! は、はい! 少々お待ちくだしゃい!!」


 受付の女性は、慌てて棚から資料を取り出している。メルル、マイロードが仰っていた通り、人は面白いですな! 


 主様の話では、人の顔の平均値を取ると、親しみを覚える美形顔になると聞いておりましたので、道中の人から理想像を搔き集め、その姿を模してみたのですが、効果覿面ですな!

 思い返せば、一般人ではなく、理想像の平均……メルルルルル、加減を間違えましたかな?

 これは、女性版の理想像も作って置いて、損は無さそうですな! ……主様に仕掛けたら、どんな反応をするのでしょう? 興味がありますな。あぁ、しかし、その様な無礼が許され……そうですな。今度試してみましょう、メルルルルル


「こ、此方ににゃりあす!」

「どうも」

「ひゃい!!」


 ふむ、名前と種族、得意分野や魔法、職業…と、随分シンプルですな? 適当に、問題視されない程度かつ、ごまかしが効きやすいモノにして置きましょうかな。


「こちらでよろしいですかな?」

「拝見致します……ゴトー様ですね? 問題ありません、登録いたしますので、少々お待ち下さい」

「おや、随分簡単でございますね?」


 (わたくし)めが項目を埋めている間に、秘かに受付嬢が交代していた、なかなか洗礼された動きでしたな。手練れと見ました。

 彼女の感情の揺らめきは、見ていて飽きなかったのですがねぇ、仕方がありません……こちらの方が美味しそうですしね!


「何だかんだと言いましても、冒険者は荒事屋ですので、シンプルに分かりやすく、を目指しております」

「……なるほど、判断はそちらが為さると言う事ですな」

「」


 一般人ではまず気が付かない程の、感情の揺らぎ。

 メルルルルル、良いですな~。その押し殺した動揺! 不信! 興味! 警戒! ……警戒されるのは不味かったですかな?

 マイロード以外の初の人に、感情の坩堝。私め、少々興奮して仕舞っていたようです! 一度冷静になりましょう。


「……勿論です。ギルドの一員に成るのですから、それに見合った実力と、人格が求められます」

「おやおや、怖いですな。ご迷惑を掛けないよう、気を付けましょう」

「ギルドカードができるまでに……ご自身の能力に興味が御座いませんか?」

「能力ですかな?」

「えぇ、此方には迷宮から出土した、<鑑定>の魔道具が御座います。希望される方に対して、ご提供しております」

「ほうほう、それは凄い! どの程度まで分かるモノなのですかな?」

「<鑑定LV4>程度のモノに成ります」


 …………嘘は言っておりませんな。私めの本性がバレるのは不味いですが、私には<偽装LV5>があります。LV5以下のスキルに対して、情報の偽装が可能。ここは偽装した能力を開示し、警戒心を解きましょうか。

 ふむ、今後の活動を考えて、どの程度のスキルとステータスに致しましょうかな?

迷宮主のメモはお休み。今回は、登場したスキルの一部を、簡単に紹介。


<魔眼(誘惑)>:視界に捉えた者に、効果を表す。(状態異常<誘惑>の付与)

<神出鬼没>:肉体を一時的に魔力に変換し、周辺の魔力の流れに乗って、移動が可能

<状態異常吸収>:一部の状態異常を吸収し、一時的にステータスを上昇させる

<属性吸収>:属性を纏った魔力を吸収し、MPを回復させる

<誘導>周囲に存在する格下に対して、錯乱の状態異常を付与する。


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