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23: 一時休憩。

送れました。ごめんなさい

 RPGあるある、ダンジョン内の謎休憩場所。


 前人未踏のダンジョンと称されるものにも、なんかキャンプ跡があったり専用の部屋があったりするのだが、その辺どういう設定になるのか気になるところである。


 まぁ、現状考えるとありがたいので文句は言わない。

 転移魔法陣を踏んでしまったため、現在位置がわからないからね。作戦会議というか今後の方針を決めるためのこの場所はありがたい。

 モンスター来ないし、料理も出来るし。

 あ、でもユミルは料理できないよ。料理の創造神は料理の破壊神でもあるからね。


「でもアリーシャのご飯は面白みにかけますわ。美味しいですけれど」

「ほっとけ」


 そもそも面白い料理ってなんだ。

 食べた瞬間真っ先に「面白い!」って感想が出る料理は十中八九「まずい」と思う。いやさすがにこれは偏見かもしれないが。


「一応、ガリアゴブリンは10体以上倒せましたし。依頼完了ですわよね?」

「たぶんね。ゲームならそういうメッセージが出てくるけど……」


 そこは表示されないという心折設計だった。ゲームによっては町に自動帰還できるのだけど、そんな便利機能は当然ない。

 誰だこんな微妙に不便な世界創った奴。


「まぁ、ゆっくりご飯が食べられて尚且つアリーシャを愛でることができるからよしとしましょう」


 こいつだった。


「俺はさっさと金を貯めて世界地図買いたいね」

「地図って案外高いですからね」


 世界地図。

 ゲームによっては最初に手に入る重要アイテム。外に旅に出るRPGなら必須とも言える。


 街道や村落、通行不可能領域などの情報が詰まった地図というのは、RPGでは何気なく使っているけれど創るとなると結構面倒。ゆえにかなりの高級品となる。


「なんでそこまで現実的なんだか……」

「街道村落が乗っていない簡易な地図なら安く売ってますわよ?」

「それは地図じゃない。絵だ」


 単なる絵で何かを得るほど俺はチートしていないし、第一この世界はゲームと同じなんだから絵を見たところで「やっぱり一緒なんだー」くらいしか思わない。


「おや、もしかしたら地図を見て前世の記憶を思い出すかもしれないじゃありませんか」

「何言ってんだ。そんな雑な理由で前世の記憶思い出すなら、もっとマシな理由つけろよ」


 例えばこう、神の啓示を受けたとか。

 ……いや、神の(珍妙な)啓示を受けた俺は今現在よくわからない状況にあるわけだが。


「ていうかその前に、俺にはもう前世の記憶ある」

「そうでしたわ。その記憶に打ち勝つくらいの理想の女性を作るのが私の目的ですし」

「いい加減諦めろ。てか、創造神なら俺の記憶を消すくらいできたんじゃないか?」


 俺の記憶を消して、記憶喪失のアリーシャとしてこの世界に放ち、そしてユミルと会うようにすれば……あれ? アリーシャ可愛くね?


「脳に収まれた記憶ならまだしも、魂に刻み込まれた記憶はそう簡単に消せないんですよ」

「……なんか言ってることが神っぽい」

「神ですわ! アリーシャを愛する世界の神です!」


 アリーシャ云々はいらん。


「それはさておき。魂の記憶とは厄介です。失敗すれば魂が消失してしまうくらいには」

「魂に惚れたから、そのリスクを背負って記憶末梢を諦めたってことか?」

「そういうことです。それに脳の記憶は消したら永遠に帰ってきませんが、魂の記憶が保持されたままだといずれ思い出してしまう」


 ふむ、なるほど。

 つまり記憶喪失であたふたしてる清楚系女子が急に記憶を思い出して俺っ子粗暴キャラになったらビビるもんな。


「というわけで、そろそろその外見とあっていない口調やめてくれません?」

「断る」

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