0: ここは誰? 私は異世界?
青い空、白い雲、緑の草木に囲まれ、燦々(さんさん)と輝く陽光を反射させる湖の畔で、
「な、なんじゃこりゃあああああああああああああああああ!!」
そう、俺は叫んだ。
湖の水面に映るのは「金色の髪と翠緑の瞳を持つ美少女が頭を抱えながら絶叫している」というものだった。
傍から見れば可笑しすぎる絵面であっただろう。
だがそんなことはどうでもいい。
可笑しいのはこの状況、この美少女である。
なんだこれ、なにがどうなっている。全ての状況が何もかも可笑しい。
「落ち着け俺、なにがどうして――って、なんだこの声! 本当に俺の声なのか!?」
頭蓋骨に響く自分の声は、どう聞いても女性のそれ。
自分の声だから多少質が違うことを考慮しても、女性である。
とりあえず落ち着くんだ俺……いや私? いや俺でいいか面倒臭い。
なにがなんだかさっぱりわからない。
ここは誰? 私はどこにいるの?
ま、まずは記憶にある範囲で思い出して、時系列順にを並び立てるんだ。
え、えーっと、確か俺は家に帰ってきた後……、そうだ。ゲームをしていた。
日本のゲーム会社、SAGEが開発したMMORPG『Paradigm Chronicle Online』をやっていた。
そして俺は――、