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Specters in Myself  作者: 九重稲穂
第一章 Specters
3/9

<3>三人娘

 結局、香那が学校についたのは一限目が終わった後だった。彼女は宮前に送ってもらう途中で小腹が空いたからと言ってコンビニに立ち寄ってパンやらアメリカンドックやらいくつか食べ物を買い込んで車の中で食べてから来たのだ。動き回ったせいで小腹がすいたのは本当だったが彼女としては叔父に朝から説教されたイライラの発散の意味合いの方が強い。そのあたりも慣れたもので宮前は特に何も言わず食べ終わるのを待ってから送った。

 

 宮前を含め、火野坂の部下たちは彼女を『年の離れたやんちゃな妹』のように思っているフシがあり往々にして彼女に対しては甘い。火野坂にとってはいい傾向なような悪い傾向なような、実に悩ましい案件の一つである。


 学校に着くなり、担任に朝の一件についてひとしきり説教を受け、授業を居眠りを挟みつつも恙無くこなし、昼休みとなった。毎日祖母が用意してくれる弁当を片手に屋上に上がると先に着いていた彼女の友人二人が待っていた。


「お、来た来た。カナっちおはよぉさん。ご機嫌はぁ……顔見る限りじゃあんま良くはないかな?朝からお勤め、ご苦労さんです」


 手をひらひら振りながらマシンガンのように香那へと声をかける少女の名は朏渚<みかづき なぎさ>。だぼだぼの制服で黒い髪の三つ編みに今時どこで売っているのかわからない瓶底眼鏡をかけた全体的に『田舎っぽい』雰囲気をまとった少女だ。その隣にいるのは椎名北斗<しいな ほくと>。香那と共に痴漢を捕まえた少女だ。ただし朝とは打って変わって気の抜けた顔をして空を見ながらパンをもそもそと食べている。


 いつものメンバーが集まり、取り留めない話をマシンガンのごとくしゃべり続ける渚、それを適当に聞きながら昼食をとる香那、時折会話に混ざるがほとんど無言で昼食をとり続ける北斗。これもまた彼女たちの日常の一つだ。昼食を全員があらかた食べ終えたところで渚は話題を今朝の出来事へと移した。


「にしてもカナっちの英雄っぷりには頭が下がりますなぁ。ナイフ持ちに果敢に立ち向かうその勇気!」


「え、そう?やっぱり?」


「香那、調子に乗らない。あれは勇気じゃなくて無謀。それに渚も香那を調子に乗らせないで」


「へいへい。ほいじゃ次の『ゴミ掃除』対象の情報、集めとくよ。今日は『お楽しみ会』もあるしちょうどいいかんね」


「よし、頼んだ」


「ええ、わかったわ」


「あれ、最近ホクっちゃん止めないねぇ?」


「もう中学の卒業式に学校の費用ちょろまかしてた教頭を叩きのめしたときに諦めたわ。あんたたち二人を諦めさせるより被害を最小限に抑えるように動いた方がマシよ」


 この会話も彼女たちにとってもはや日常の一つだ。今でこそこんな容姿だが接触する人間に合わせて服装から髪型、纏う雰囲気さえも変化する『ムジナ』の朏渚。敵を見つめる目は氷のよう、障害を拳で破壊する『氷鬼』の椎名北斗。すばしっこく動き回り、愛用のローラースケートから火花を散らして気に食わないものへ正義の名のもとに蹴りを入れる『火鼠』の明松香那。世間様では知らぬものなし、泣く子も黙る『妖怪三人娘』。中学時代からそう呼ばれて恐れられる彼女たちの日常は多少の違いはあれど普通の高校生とさして変わらない。

話を進めたい

でも書きたい中身が多い

そんなジレンマ


まともに展開が進むまでもうちょっとお待ちを(´・ω・)

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