表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「白い部屋」

作者: mint
掲載日:2014/12/30

急に書きたくなり、朝起きて一気に書き上げたショートショートです。簡単にそして手軽に読めるので、どうぞ立ち寄っていってくださいね。

あの日

ここへ来たのは私じゃない

だったら誰がここへ?…


私は記憶が曖昧だった

保護?されるまでの

記憶は一切ない


白い部屋

小さな窓

少しだけ風が入ってくるようだ

少し寒いと感じた時に

服を着ていないことに気がついた


思い出せない


「コンコンッ!」とドアをノックする音に

身体がビクッと思った以上に反応して

手に触れる布を素早く手繰り寄せドアを凝視すると

少しゆっくりと開いた隙間から

子供がひょっこり覗き込んだ


「おねえちゃん、起きたの?」


知らない子だった


私は言葉は出なかったので

微かに頷いてみせた

その子はまたゆっくりとドアを閉めて行ってしまった


するとまた

朦朧として夢の中へ


無数の手

覆いかぶさる恐怖

黒い得体の知れないものから

逃げ続ける自分

転んでも起き上がれない

這うようにして進むが

なかなか進まない

足首を掴まれた

あぁー!と

声が出た時


目を覚ました


目の前にさっきの子供と

その子の横に父親と思われる優しそうな男性が 少し強張った表情で

その子の手をしっかりと握りしめて立っている


「目が覚めたんだね」


(誰?)

わからないのに涙が出てきた

次から次へと溢れ出る涙は

止まらなかった

目を開いたまま泣き続け

言葉にならずにその人を見ていた


何故?

そこにいるの?

何故?

それ以上何も言わないの?


暫くそのまま動かずにいたその人は

また来るといって

その子を連れて出て行ってしまった


思い出せない


記憶は何処へ行ったのだろう

何処へ置いて来たのだろう

それは必要なものなのかな

もういらないんじゃないのかな

そんな風に思いながら

今日が終わってゆく

小さな窓から入る日は

だんだんと優しい色合いに変わったと思ったら

白い部屋を濃いグレーへと変えて行く



そういえば

あの親子以外の誰も人が来ない?


重い身体をゆっくりと動かしてみる

歩けるかな…

足は…


あれ?

身体が無い

手は?

目の前にヒラヒラとさせているつもりなのに

何も無い


この部屋には

誰もいない


そうだ

誰もいないんだ

いなくなったのだ



そこで

思い出した


私が全て悪いのだ

私が全てを奪ったのだ


あの子もその父親も

そして私も


ここへ来る約束をしたのは

私だった

その前に奪ったのだ


あの日

ここへ来たのは

心だけ残された親子


そして私も今来たところだった


逢いたかったよ…




読んでくださってありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?

こんな感じで今後も書いていきますので

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ