番外編 アリスと・・・の物語part3/3
母さん
ねぇ、母さん。
僕、もう一人で何でもできるようになったよ。
料理も、遊びも、勉強も
・・・起きるのはまだちょっと苦手だけど
でもね、何でもできるようになっても
どんなに上手に出来たとしても、苦しいんだ。
母さん、ねぇ母さん。
優しくなくても、怒ってばっかでもいいから
戻ってきてよ。
一人はね、とても寂しいんだよ・・・・。
「・・・うぅ、うん?」
ガンガンとする頭の痛みにうなされて目を開けると
「あ! ルキ、良かった~、このまま目覚めなかったらどうしようかと思ったよ。大丈夫?」
とドアップなアリスの顔と一緒に能天気な声が聞こえてきた。
「僕、なんでこんなとこに・・・。」
「あぁ、それね。あのあと、ルキ倒れちゃったんだよ?覚えてない?」
なんだそれ、一片たりとも記憶にない。
「全然。・・・僕なんで倒れたんだっけ?」
力なく頭を横に振ると、アリスが慌てたように遮った。
「いや、覚えてないならいいわ。心の内に秘めておく。」
心なしか、顔が赤くなっているように見えたのは気のせいだろうか。
別にそんな気にすることもないと思うけど、最後の言葉が気になる。
心の内に秘めておくって、なにを?
そんなやばいことしたっけ?
覚えているのと言えば、アリスに抱きついてらしくもなく泣いたことくらいだ。
その先は真っ白な靄がかかったみたいに思い出せない。
心のなかで頭をかしげていると、ふとアリスが思い出したように言った。
「・・・ねぇ、ルキ。ルキのお母さんってどんな人だったの?」
・・・やっぱりきたか。
まぁ、あれだけ母さんっていって泣きついてたから、聞かれるだろうとは思っていたけど・・・
「なんで?」
一応そう聞き返すと、ぶんぶんと胸の前で手を振り回しながらまくし立てるように言い訳された。
「いや! べ、べつにちょっと気になっただけだから!話したくなかったら話さなくてもいいよ。」
その慌てようが面白くて、ちょっとだけ笑ってしまう。
・・・なんか、お兄ちゃんがこの『アリス』を気にいるのも分かる気がする。
ホントに見ていて飽きない。
「いいよ、話すよ。むしろ、アリスに聞いてもらいたい。」
「えっと、ホントにいいの?・・・ていうか、ルキ今私の名前呼んだよね?」
「なに、ぼくが名前呼んじゃわるい?」
驚くアリスにわざと拗ねたように問いかけてみる。
実際のところ、今まで来た『アリス』の名前なんて知る由もなかったし、
知ってても呼ぶつもりなんてなかった。
ただ、気が変っただけ。
別に目の前の女が特別とかじゃない。
ほんの少し、この『アリス』のことを認めてやるだけ。
「・・・ううん。呼んでくれてうれしい。」
「そう、だったらよかったよ。」
そう・・・だから、きっとあの気持ちは特別なものじゃない。
◆◇◆◇◆◇
僕の母さんは優しくはなかったよ。
いつも僕のことぶってばかりで。
かなしくなかったかって?
・・・かなしかったけど、母さんも大変なことわかってたからね。
毎日ろくにご飯も作ってくれなかったけど
僕を捨てないでいてくれるだけで嬉しかったから。
でも、昔はちゃんと名前も呼んでくれたし、ご飯も作ってくれたし、笑ってくれてたんだ。
ただ、父さんが家を出てってからちょっとおかしくなり始めて、
毎日お酒ばかり飲んで、たばこ吸って、変な薬のんで
どんどんおかしくなっていった。
とても若いときに僕を産んだから助けてくれる人がいなくて、
止めてくれる人がいなくてさ、僕も小さかったからどうにもできなかったんだ。
それで、そのまま僕のことも、自分のことも分からなくなって
ついには自分の手首を切ってしんじゃったんだ。
だからかな、アリスに抱きついてないてしまったのは。
さびしかったんだと思う。
自分でもわからないくらい。
さびしすぎて。
ほんとにごめん。
迷惑かけました。
でもね、アリスが抱きしめてくれた時、とても嬉しかったんだ。
母さんに抱きしめられているみたいで。
ホントにありがとう。
僕はアリスが大好きです。
ねぇ、母さん
アリスの名前を呼びたくなったのは、気が変っただけ。
別にアリス特別なんて思っていない。
ほんの少しだけアリスを認めてやるだけ。
そう思ってたけど
なんでかな
胸がとても苦しいんだ―――――――――――。
ホントに遅れて申し訳ありません!!
いや~、高校っていろいろあるんですね。なめたかかってたらパソコンの前に一分も座れませんでした。
宿題が半端なく多い。
ホントにお待たせいたしました。
改めてこれからはちゃんと書いていくので宜しくお願いします。
ほんとにすいませんでした!!orz