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紫猫の迷い森

上が一面の緑に覆われている景色って結構気持ち悪い。

しかもいま私が歩いている地面にも赤色や紫のキノコやら、コケ類やらがびっしりと生えている。


あ~あ、案の定まよちゃったよ。

あの双子の門番と別れた後、目の前に広がる森に何も考えないで入ったのが間違いだった。

まさかこんなにも広い森だとは思っていなかったよ。


失敗したなぁ・・・・・


そう自分の馬鹿さ加減に後悔しながら、とぼとぼと薄暗い森の中を見捨てられた子犬のように歩いていると、ふっと目の前が開けて明るいところに出た。


うわぁ・・・・綺麗。


さっきまで薄暗い森にいたのが嘘のように、目の前には見晴らしのいい草原が広がっている。


草原て言っても、最初に寝っ転がっていた果ての無いようなものではなくて、森の中にある小さな広場みたいな感じだ。


真ん中には大人が三人手をつないで囲んでやっと一周できそうな幹の太い、古そうな木が立っており、

その上には、小さい隠れ家のようなウッドハウスがのっかっている。



誰か住んでるのかな・・・・・・?

気になって、その大きな木に近づいて見ると、ウッドハウスの窓から紫とピンクのしましまの耳のようなものが見えた。


ん?紫?どっかで見た覚えが・・・・・


いや、ないないないない。あってたまるものですか。

こんなきれいな場所にある可愛い妖精でも住んでいそうな家にあんな変態紫猫がいるはずないわ。

目の錯覚よ目の錯覚。

きっと色々ありすぎて疲れているんだわ、とりあえず先を急いだ方がいいわね。


頭によぎった世にも恐ろしい考えを無理やり押さえつけて、向こう側の森に足を向けようとすると

いきなり後ろから、ガばっ、と誰かに抱きつかれた。


「あっれ~、子猫ちゃん。どうしてこんなところにいるの?もしかしてぼくに会いに来た?」


「はなせ、このクソ変態猫。十秒以内にはなさないとてめぇの命はないぞ。」


「じゃぁ、あと十秒抱きついてていいんだね?」


こっの、くっそ猫め。


どごっ、


「うげっ・・・・いってぇ。子猫ちゃんご乱心?みぞおちに肘鉄はさすがのぼくでもいたいよ~う。」


「だったらさっさとはなれろ。」


私のどすの利いた声と、みぞおち肘鉄が功を奏したのか、変態紫猫がやっと背中からどいてくれた。


うん、こいつのそばは極めて危険だから、とりあえず離れよう。


うしろにずりずりずり後ずさる私を見てかチェシャ猫がハぁッとため息をつく。


「なんで、ぼくそんな嫌われてんの?」


「分からない方が不思議だけど。」


あの最初に草原で追いかけられた時以来、こいつの私の中での立ち位置はもう変態で決定している。

つーか、自分で嫌われることやっといて、なんでってなんだ。

どんだけ頭ん中お花畑なんだ、こいつは。


警戒しながら、目の前の変態をにらんでいると、

いきなりこっちを見て、にやりと笑った。


あ・・・なんかやな予感。


「別にいいけどさ、アリスここがどこだかわかってないでしょ。」


「は?森のなかでしょ、あんたこそなにいってんの?」


本気でばかじゃないのと言うような顔をする私に

チェシャネコはますますにやりと口の端を釣り上げて皮肉げに笑いながら言う。


「ここは、チェシャ猫の迷い森。普通の人じゃめったに生きて出られない森だよ?

迷ったら最後、薄暗い森をさまよい続けて、最後には死んじゃう。そんな魔性の森。

ホントに、ぼくの家まで辿りつけたのはすごい幸運の中の幸運だよ。アリス、このこと知ってた?」


言葉を失う私に、さらにチェシャ猫が畳みかける。


「あ~あ、かわいそうに。誰も教えてくれなかったんでしょ?その顔は。

あの双子の門番も、白兎もみんな知ってたのに、アリスには教えてくれなかったんだ。

かわいそうに、アリスの味方なんて誰もいないんだね。」




心が切り裂かれてもいいの

涙が止まらなくてもいいの

だからお願い








かわいそうだなんて言わないで・・・・・・







ぼやけた視界が真っ黒になる前に

映ったのは、チェシャ猫の泣きそうな笑い顔だった。




                ◆◇◆◇◆





くたっ、と倒れたアリスに近づいてその顔を見ると、涙のあとがほほに残っていた。


あぁ、俺はどれだけ人を傷つければいいんだろう。


悲しそうに、それでいて苦しそうに目をつぶって意識を失っているアリスを見て

俺は、はぁと息を吐いた。


とりあえず、こんなところに寝かしていると風邪をひくな・・・・


アリスを抱き上げると、信じられないほど軽いことに驚く。

その苦しそうな短い吐息を聞いて、また心が痛む。

それをごまかすように俺はアリスの耳に顔を近づけて囁いた。


「ごめんねアリス、こんな俺を許して。」



それに答えるように再び流れた、一滴の涙を俺は見ないことにした。







アリス・・・愛しいアリス。

どうか君だけは歪んでしまわないで

この国のように



こんにちは皆さん。

チェシャネコとアリスのシーンを入れねば入れねばと思って

書いて見たのですが難しかったです。

わたくしめの文章力ではこれが限界でございます。

駄文で本当にすいませんでした。


ちなみにちょっと解説いたしますと

チェシャ猫は普段は俺口調ですが、アリスの前では僕口調です。

なのでアリスの前と、自分自身とではちょっと態度が違います。

皆さんはどちらが好きでしょうか?

たぶん俺口調のほうが頼もしいです。

作者は基本ヘタれなのでそっちのほうがいいですね。

なんか頼れるお兄ちゃんみたいで。

でも、エロイところは変わらないのでそこはご勘弁です。

自分キャラ作っといてですが(笑)


ではでは、感想などありましたらどうぞ宜しくお願いします。


(^.^)/~~~



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