二人の門番
どのくらい走ったのだろう?
無我夢中で足を動かしていたら、なんだか知らない場所に来てしまった。
緑が生い茂っているからきっと、まだ城の庭の中なのだろう。
さすがにこんな知らないところに来てやみくもに走り回るわけにもいかず
私は少し立ち止まってあたりを見回してみた。
「う~ん、草ばっかりだなぁ・・・ん?」
一面の緑の中にふと鈍く銀色に光る門のようなもの。
あれがもしかして城からの出口なのかな?
そう思ったところで、ふと帽子屋の言葉が胸に再度、ぐさっと突き刺さった。
『薄汚い女。』
『はやくこの国から出てけ』
『俺はお前がアリスだなんて認めない。』
分かってるそんなこと。
私だって来たくてこんな世界に来たんじゃない。
本当ならもとの世界でいつも道理の日常を送っている。
もう城にはいられないな・・・てゆーかいたくない。
あんな悪意や憎悪を向けられるのは耐えられない。
なんでかは分からないけど・・・あんなふうに煮えたぎる視線を向けられると
どうしようもな心がざわついて気持ち悪くなる。
あのときも、泣きそうになる前にすごく吐きそうになった。
帽子屋とは会わないようにできるかもしれないけど
でも、彼みたいな人が、私を―――『アリス』を憎んでいる人がほかにもいるかもしれないこと
その悪意を向けられること自体が、わがままかもしれないけど、嫌だ。
耐えられない。
よし、外に何かあるかあわからないけど
とりあえず、出よう。
あとはその時考えればいい。
意を決して門に近づいたとき
私の前をふっと影が横切り、気がつくと目の前に二人の人が立っていた。
二人ともかなり背が高く、驚くことに容姿がこれでもかと言うほど似ている。
ドッペルゲンガーみたいだ。
稲穂のような金色の髪、相対する瞳は南国のガラス玉のように青く
白兎や帽子屋と同じように彫りの深い顔。
きている服は私が今まで会ってきたどの人物よりもルーズで着崩している感じがある。
くしゃくしゃのオレンジのTシャツにところどころキズのついたズボン。
但しそれぞれの右手にはその服に不似合いなほどおおきくするどそうな槍をもっていたけれど・・・
その二人が同時に同じ声で私に言った。
『ぼくたちは城の門番トゥーイードル兄弟。門を通る合言葉は?』
・・・神様、どうして私の人生はこんなにうまくいかないのでしょう?
更新遅くなって申し訳ありませんでした。
これから受験勉強なのでどんどんおそくなるかと・・・
その時はどうかお許しを願います。
あ、感想待ています。宜しくお願いします
では、(^.^)/~~~