47話 狐耳毒舌ロリ娘
このタイトルやりたかっただけ。
最近感想とか評価が少なくて寂しいので良ければ…
翌日。
フィーナは街中でそびえ立つ豪奢な城に招待されていた。
* * *
「……えぇと……何用で?」
案内された居間にはミツハ、ヴォルフ、その他の森の戦士や国のお偉いさんらしき者共……そして、正面に明らかに場違いとも言えよう他国の王族衣装を来た狐耳の男。
「そなたがヴォルフの招待客か?」
あれ?そういう感じ……?ヴォルフが全力で目配せしてくるからきっとそうなんだろう。
とりあえず肯定しておく。
「そうか、では我が娘の聖獣祭中における護衛、頼めるか?」
「護衛……?」
今度はミツハがパァッと笑顔でウインクしてる。……頷けばいいんだね?分かった、分かったから……圧がすごい。
「お待ちくださいっ!よもや人族に、ましてや見知らぬ者に姫様の護衛を!?」
「黙りなさい愚民」
「……?」
今聞き間違いでなかったらミツハが物凄い流暢に毒を吐いたような…
「我らが王の決定に異を唱えるのでしょうか?貴方にはそれをするだけの価値がおありで?幾らこのような愚王でも国営を成り立たせている以上は、貴方よりは格上です。言葉を弁えなさい」
あ、聞き間違いじゃないわこれぇ…
というか今しれっと説教の中で自分の父親罵倒してなかった?大丈夫なの?
「ひぃぃぃ!!大変申し訳ありません!そのようなつもりは!どうかお許しを!」
「……それぐらいにしておいてやれ、ミツハ」
「本来ならば貴方が止めるべきなのでは?お父様?」
感情の籠っていない眼で見据え、裏のありそうな言葉を父に向けるミツハ。
このようなミツハを見たことがなかったため少々驚いた。
「相変わらず手厳しい。だが……その通りだな。そのものは牢にでも放っておけ」
指示を下すと何人かの森の戦士が動き喚いていた男は連れ去られた。
うわぁ……可哀想……
「さて……話が逸れたな。客人殿」
そこでようやく私の方へと話が戻ってくる。
「娘の護衛、引き受けてもらえるだろうか」
「……」
断れるわけないよねぇ……寧ろこれ、多分ヴォルフが言ってたなんとかするってことだろうし。
「カシコマリマシター」
はぁ……ま、処刑されて火炙りにされたりするよりはマシかな。
* * *
「娑婆の空気が上手いねぇ…」
「昨日の時点でもう脱獄してたじゃないですか。よく言いますよ」
「主……!(スリスリ)」
何が何やら、もう私にも今の状況がよく分かっていない。ただある程度の自由を得たことは間違いないみたい。
「なんか今日は口調が丁寧だねぇ、ヴォルフ」
「あ、えーと……姫様に悪影響になり兼ねないのと……お偉いさん方がどこで見てるか分かんないんで…あんまり気にしないで貰えると助かるッス」
「ふーん…そう」
なんとなく気になっただけなのでその話は打ち切り。本題へ。
「それで?聖獣祭中の護衛をって話だったけど……聖獣祭って何?」
「見ての通り一年に一回国で行う祭りです。その中で聖獣に供物を捧げる舞があるんですが姫様が……なんです?姫様?」
「……ヴォルフ、私が説明、したい」
ヴォルフの手を引き上目遣いで訴えるミツハ。
「はいはい分かりましたよ……じゃあ師匠、聞いてやってください。分かんねぇことあったら後で俺の方にお願いします」
「ヴォルフ!」
うん、なんとなく2人の関係性が見えてきたね。ミツハの面倒を見たのは1年だけだしヴォルフと会ったのはつい先日が久しぶりなわけで、なんだか新鮮だ。
そんなやり取りを終えた後、ミツハは咳払いし向き直る。
「……主、聖獣祭はね、『聖獣』に向けた舞を『依姫』が行うためのお祭り。毎年開催されてる」
色々と知らない単語が複数あるが一旦全部聞こう。頷いて先を促す。
「えっと……今は聖獣祭の準備期間で、開催は明日から。実際に舞を行うのは最終日の3日目」
通りですれ違う人々は皆忙しそうなわけだ。
「それで、その……ね、実は、私が……その『依姫』なの」
「……やっぱり?」
なんとなく、周りからの接し方でただの国王の娘じゃないのは察していたけどなるほど。これなら納得がいく。
「主、気付いてた…?」
「なんとなくはね。……ってことは昨日会ったハクレンは……」
「うん、現『聖獣』だよ」
ほう……あの小さいのがね……
今の管理体制は知らなかったが『聖獣』自体は古くからあり私も存在と意義を知っている。
だから純粋にその事実に驚く。
「『聖獣』、とは言っても……2年前に生まれ変わったばかりなんだけどね」
「あー……じゃあ、ここ最近は『不死王の骨』は大丈夫そう?再封印があったってことだよね?」
聖獣の役割は『不死王の骨』の封印に関連する。だからこそ獣人族は聖獣を崇め奉るのだ。
「多分。だけど、封印が弱まってるのは確かだから……暇があったら見に行こう」
「うん、私はいつでも大丈夫だよ」
寧ろ3日後に舞が迫っているのにミツハの方に余裕があるのかと思わずにはいられないが……
こんなに嬉しそうに腕にしがみついてるんだもん。中々言い出せないなぁ…
「……じゃあ、挨拶回りが終わったら……着いてきて」
ウッキウキで私の腕をグイグイと引っ張り先へと進む。
しばらく黙っていたヴォルフに目をやってみれば呆れたように、されど安心したような顔で頷いた。
「分かった分かった……!ヴォルフ!ちょっと先行くね!」
「……お気をつけて!姫様も……師匠も」
かつてない上機嫌のミツハに連れられ挨拶回りを終えるのだった。
* * *
「いやぁ……凄かったね。ミツハの毒舌……」
「あれでも今日は控えめですよ。いつもはあんなのに加えてゴミを見るような目で相手方を睨むのです」
「……わお」
「主、ヴォルフ、何を話してるの?」
私とヴォルフの様子が気になったのかミツハが割って入る。
「あ、いや別に……」
「なんでもないですよ、姫様」
「……何か隠し事?」
……私もヴォルフも絶望的に隠し事が下手である。多分今めちゃくちゃ顔に出てしまっている。ここは師匠の私がしっかりと弁明…
「いやね、ただちょっと……ミツハの口ぶりが違っていたなぁって。どうしてか気になっちゃって」
何も誤魔化せていない。むしろ全部自ら暴露した。
「……あの人たち、主のこと見てたから」
ふいっとそれだけ言うとミツハは再び前を行く。
意味が分からず困惑したが怒っていないのならまぁいいだろう。
しばらく野道を歩いて……ようやく、目的の地に辿り着いた。
「ここだよ、主」
「うん……ここは変わりないね」
目的の地────封印領域『ツキカゲ』。その一帯は不自然に木々、どころか生き物1匹見当たらない不自然さを感じさせる。
「どうかな?」
「うーん……確かに、弱まってるね。多分次に『第1段階』が開くのは2年か3年後……になりそうかな」
「……やっぱり、私が未熟だったから?」
「確かにそれもあっただろうけど、年々呪いが強くなっているからね。仕方無いよ」
『不死王の眼』も正直想定を超えていた。骨の変化はどうなっているのか実際に目にしてはいないが恐らくは…
これは、何かしらまた対策を考える必要があるかもなぁ…
「とりあえず聖獣祭中には問題無さそうだし、また対策を話し合いたいかな」
「うん……主がいるなら、心強い」
ほんのり笑顔でそう言うミツハ。
……これは私の責任だからね。寧ろ付き合わせて申し訳ないばかりだ。
「……?なんか……臭うな」
「ヴォルフ、どうしたの?」
「いや……気のせいかもしれないんすけど……人がいた後みたいな臭いがするんですよね…」
ほう、ヴォルフは犬の獣人族だしそういうのにも敏感な訳か。
「それっておかしいの?」
「……おかしい、この場所は危険だから立ち入りは禁止」
「ふーん…道に迷った街の人とかじゃない?」
「流石に全員分は覚えてないんで言いきれないッスね」
厳しく言ってるんですけどね……と呟きながらもヴォルフは匂いを覚える。
……違和感。しかも嫌な予感がする時の。
「警戒するに越したことは無いと思うし、警備を付けた方がいいかもね」
「了解ッス」
「……」
「ミツハ、どうしたの?」
ミツハは突然一方向を見つめ出していた。何かあるのかと私も同じほうを向くも……ただ木がそびえ立っているだけだ。
「おーい、聞いてる?」
プニュと頬を押してみるとようやく我に返ったのかこちらを向く。
「わっ、主…………えっと、なんでもない。ちょっとハクレンが呼んでたから…」
「そう?ならいいけど、何かあったらいつでも言ってね 」
「うん、ありがとう」
不穏。何やら不穏だ。着々と……予感が実りつつある気がしてならない。
「……考えてもしょうがないなぁ…」
それに考えすぎると私色々忘れる節があるし…
あれ?そういえばまだ何か…忘れてるような?
* * *
「相手は世界の禁忌を犯し人の理を超えた者だ」
ならば
「こちらも禁忌を使うまで」
骨壷にヒビが入る。
「『不死王の骨 第1段階 解放』」
骨は肉体を求め大地を鳴動させた。
「準備は終えた。後は仕上げのみ」
〜設定紹介〜
依姫・・・聖獣との意思疎通、力の行使の出来る者のこと。生まれ持った適正によって選ばれる。
聖獣・・・かつて色彩の魔女と共に対不死王で戦場に立った。今は『不死王の骨』を封印し続けるために輪廻を繰り返している。
ミツハ・ヨウコク
フィーナは大好きだがその他の人はゴミを見るような目で見ている毒舌娘。この裏表を書きたくてぇ…




