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14話 教師権限乱用(弟子が)

あとがきは後々書き加えます!

「あの、そろそろお開きにしない?」


「え……あ、私!喋りすぎましたか!?」


私の言葉でようやくこっちの世界に帰ってきてくれたらしい。よかった、もう流石に聞き飽きてきたからね。


「まぁ…ちょっとだけね。もう外も暗いから帰りたいんだけど、校舎の外までの案内頼める?」


「分かりました!」


またも明るい雰囲気を放ちながら先導していく。相も変わらず…ちょっと変わった子だな。


「あ…あの、すみません!ちょっと約束がありまして、教室に寄っても構いませんか?」


「約束?ん、分かった。」


丁度いいし教室の位置も覚えておくかな。

そう思いながら小走りで前を行くセレナに着いて行く。


「どうぞ、外で待っててください!すぐ戻りますので!」


教室に着いたと思ったらそう言って私を取り残し教室の中に入っていく。

ここは…1-Bと書いてある。セレナは多分高等部っぽかったし、ここが高等部1年の教室ということか。


「ちょっとだけ覗いてもいいかな」


もう時間帯は既に夕方で授業は終わっているため生徒は少ない。その中の1人にセレナが話しかけている。ん…?あの子は…


あ、目が合った。って、こっち来る!?


ドアがピシャァンといい音を立てて開かれる。


「…何やってるんです?」


「あはは…」


そこに現れたのは私に対して厳しい目を向けてくるミレリアだった。どうやらセレナが約束していたのが彼女らしい。


「その人、ミレリアのお知り合いだったの?」


「セレナ…この人、お知らせにあった明日から臨時教師になる人だよ?」


「えっ、そうだったの?」


あれ?言ってなかったっけ…

というかそれ知らずに見ず知らずの私助けてるのなんなのこの子…善意に溢れ過ぎてるって。


「そうだよ。…紹介がまだだったね。私は魔女のフィーナ。明日からこの学院の臨時教師を勤めます。」


「フィーナさん、ですか……あの、つかぬ事をお聞きしますが色彩の魔女と名前が…」


「よくある名前でしょ。それよりその人を案内してるんじゃないの?」


おっ、セレナの長話を遮るようにミレリアが口を挟んだ。別に私も言っちゃいけないとかそういう訳でもないのだが言わないに越したことはない。


何せ…世間では既に『色彩の魔女』は死んだ存在なのだから。


「そうでした!お待たせしてすみません。もう少しなので着いてきてください!」


たったったとまたも先導していく。なんというか…この子と接してると心が穏やかになってくるな。


「あの子に手出したら許しませんからね。」


「ぅえ?」


後ろからとんでもない冷気を感じたため私も足早にセレナに続いた。



 * * *



「うわ…なんか蒸し暑いねぇ…」


杖に横乗りして夜空を飛ぶ。今は頑張って探知の魔術でエマとルカを探しているところだ。


『そうだな。そろそろ帽子とはおさらばかもな。』


「うへー…気に入ってるんだけどなぁ。」


毎年この時期は暑いから嫌いだ。毎朝水の精霊に呼びかけるのもちょっと申し訳ないし。


「2人とも固まってるしあそこが宿かな。」


幸いにも空を飛んで移動している人は少ないためスイスイと探知した方へ向かっていく。


「よっと…っとと、危ない危ない。」


見覚えのある建物だ。ちゃんと戻ってこれて一安心である。

着地して宿の主人に声をかけた後、部屋のドアに手を掛ける。


ところで、ふと…胸につっかえが出来た気がする。なんだ…何か…何か根本的におかしい所があった気がする。のに、分からない。記憶だろうか?また呪いの影響…違う、これは…魔術の、影響だ。


気持ち悪い。吐き気がする。


「っ…ぶっ…ぅ…」


『おい、大丈夫か?』


「うん、ちょっと酔ったみたい。」


気分の悪さを堪え、ドアを開ける。すると料理をしていたのだろう、いい匂いが鼻先をくすぐる。


「ただいま。」


「おかえりなさい師匠。…顔色が悪そうですが大丈夫ですか?まさかユーリが何か…」


「いや…ちょっと疲れたみたい。私、ご飯いらないからお風呂入ったらもう寝るね。」


モチを任せた後更衣室にて乱雑に服を脱ぎ、浴室へと入り身体を洗う。普段なら気持ちのいいものが…やけに生ぬるく、嫌悪を覚えるものに感じた。


「…気持ち悪い…」


何か起きている。今、現在進行形で私の身に…

原因が分からない、そのためには調べる必要がある。


「…魔術反応あり。」


やはりと言ったところか、解析の魔術を発動すると私に魔術を掛けたという痕跡が残ってある。ただその魔術の痕跡だけでは魔術の特定は難しそうだ。


それほどに、隠蔽の魔術もかけられてある。


「…計画的かつ私を狙ったのは間違いない。私に気付かれず、しかも無詠唱でこのような状況にする…動機も不明、犯人は当然分からない…」


これはまた…面倒なことが起きているに違いない。


「明日から憂鬱だなぁ…」


一先ず解除の魔術をかけた後私はさっさと入浴を終え眠りについた。疲れが溜まっていたからか…ベッドに潜り込むとすぐに眠れた。



 * * *



翌日、私はエマとルカを連れて学院を訪れた。

今日も朝っぱらからユーリが部屋を訪れなんなら学院長から入室の許可を取ってきたという。幾らなんでも早すぎて流石にびっくりした。


「師匠、私達は図書室へと向かいますが…大丈夫ですか?迷わず行けますね?」


「うん、流石に大丈夫だよ。一応ユーリも居るからね。」


職員室の前でエマと別れる。エマには2つ、調べ事を頼んであるため流石にずっと着いて貰う訳にもいかないのだ。


「魔女様!頑張ってください!」


「ありがとうルカ。ルカも頑張って。」


「はい!」


元気のいい弟子を見送った後…私は、ようやくそのドアをノックした。


「おや…フィーナ様でしたか。すぐにユーリを呼んできますね。」


職員の1人が私の顔を見てすぐにユーリを呼びに行く。あの人は名前…なんだったっけ。

職員はクラスの数以上に人数がいるためこれを覚えられていないのは多分私のせいでは無い。はずだ。


「師匠!本日も来ていただきありがとうございます!心からお待ちしておりました!」


「…そう。」


いやお前つい数時間前に私達の宿に来てたよね?


適当に私も挨拶を済ませると私とユーリは昨日使っていた客室にて二人きりで対面する。

今日の予定だったり、どういうことをしてもらうのかを話してもらう…と聞いている。


「…ししょ…フィーナ様には、今日から高等部1年Aクラスの副担任を務めていただきます。」


「副担任なの?てっきり担任を任されるのかと思ったけど。」


今更ながら重要なことを教えられた。

副担任ならと少し肩の力を抜きかけたがユーリはですがと続ける。


「Aクラスというのが少々問題でしてね…まぁこれもフィーナ様の実力を信頼してというものです。」


「なんでAクラスが問題なの?」


別にクラスの一つというだけだろう。…もしや問題児だらけだったりして!?

それは嫌だなぁ…


「…問題児というわけではありません。寧ろとても優秀な子ばかりという認識です。ですが少々…ほんの少し、プライドが高い者が多いのです。」


「あー…なるほど。」


確かに、それはちょっと面倒かも。まぁ…それぐらいなら可愛いものじゃない?うちの弟子達多分皆そういう時期あったよ?私が完膚なきまでボコボコにしたらすぐ大人しくなったけど。


「ですがフィーナ様であれば…あのクソガキ……うちの生徒達を導いていただけると、信じております。」


「今クソガキって…」


「気のせいですよ。さ、そろそろ一限目の開始時刻です。行きましょうか。」


にっこりと微笑むユーリ。なぁんか…胡散臭い…顔してんなぁ…



 * * *



「さて、今日は授業前に皆さんにお知らせがあります。」


ユーリが教壇に立つ…つかお前がAクラスの担任なのかよ。仕組まれてない?これ。流石におかしいよ。


「本日から一か月ほど、休職中の副担任に代わり臨時の教師を勤めてくださるフィーナ様です。皆さん、挨拶を。」


「よろしくお願いします!」


おお、元気のいい挨拶だ。なんか若さを感じるなぁ…でもユーリが事前に言っていた通りなんか私を測るような眼で見ている子も何人かいるな。


適当に笑顔で居ると私の挨拶の番が回ってきたらしい。ユーリに教壇に立つように促される。

小声で「かましてやってください」って言われたけど何を?

…まぁ、適当でいいか。


「フィーナです。えっと…一応、魔女をやらせてもらっています。今日から一か月、よろしくね。」


なんか改まって挨拶するのってちょっと恥ずかしい!しかも弟子の前で!

愛想笑いで拍手を受け止め私は後ろへ下がる。ふぅ…とりあえず一旦落ち着けるかな…





「――――さて、というわけでフィーナ様。行きますよ。」


「え?」


ぼーっとしていると突然ユーリに声を掛けられた。今どういう流れ?行くってどこに…


「あのガキがフィーナ様を侮辱しおったので…少し折檻、していただけます?」


ユーリの顔は笑っているのに凄みがあった。なんかこういうところはエマに似てる…


「ってそうじゃないわ。なんでそんな流れになってんの?」


「師匠、何も聞いていなかったのですね…」


少し残念そうにつぶやく。…それはちょっと悪かったけど!でも退屈なんだもん!


「まぁ簡単に流れだけ言うと…」


 * * *


「ユーリ先生、そのお方は本当にこのAクラスの教師になりえるのでしょうか?臨時とはいえ我々はAクラスですよ?」


突然起立し発言したのは如何にも貴族然とした…男子生徒。


「はぁ…見て分からないのですか?偉大なる魔女様の実力が。でしたらてめぇらの実力は所詮その程度ということだ。黙って従え。」


ユーリの言葉に男子生徒のみならず他の生徒までざわめき出す。


「はぁぁ!?あんたっ、前々から思ってたけどほんとに教師かよ!」


「それはこの国の制度にケチを付けるべきでしょう……仕方ありませんね。ちょうど実践魔術の授業だったわけですし…今日は少し派手にやりましょうか。」


「受けて立ってやるよ!代わりに負けたらさっさと田舎に帰るんだな!」


いきり立つ男子生徒に続き次々と他の生徒も言いたいことを言い出す。あぁ…ほんとうにクソガキ共め…

と、苛立ちながらもユーリは口を開く。


「…(舌打ち)…」


「えっ…」


「さっさと準備に移りなさい。」


やはり苛立ちは隠れきれなかった。ついつい、舌打ちしてしまった。



 * * *


「…いや、あんたのせいじゃん。」


「いいえ師匠、優秀な魔術師であれば師匠を見ただけで実力の差を理解し頭を垂れるはずです。なので、分からせてやってください。」


「はぁー……」


早速面倒なことに…でもまぁ…それで納得してくれるなら…


「いっちょやるかぁ…」


ゆっくりと、ユーリに続いて教室を出た。

〜キャラ設定紹介〜

セレナ・ヴァイスローズ(女 16)

高等部1年Aクラスの首席。普段はおっとりというか、穏やかな雰囲気を常に放っていて誰にでも優しい。それに反して魔術の腕はピカイチ。

金髪水色目は両親から引き継いだ特徴。ミレリアとは初等部からの友達。


これ以上キャラを追加すると作者が頭パンクしそうなので多分ここからはあまり増えない…はず。

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