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姫君と幸薄変態ナイト  作者: 石田 真紅亜
3/5

幸薄の朝

なんだかんだで3話目。

アドバイスや感想、出来れば書いていただけるとありがたいです。

厳しいお言葉もお待ちしております。

小説書くのやめちまえ的コメントも大歓迎です。その程度ではへこたれません。

 『好き』その言葉が俺の頭から離れず俺は一睡もできずに今日を迎えた。徹夜というものは気がつくと異常に腹が減っている、という事があるが今回はそれすらも気にならない。

 昨日、あいつは前世での未練(?)を果たした。それで終わりだと思っていた。なのにあいつは、

「だからボクと付き合ってほしい」

 と言いだした。俺は「時間をくれ」と言って逃げた。

 俺はのそのそと起き上がり、1階へ下りる。途中で親父とあったので、尋ねる事にしよう。

「おい、そこのクソ親父」

「どうした? ナイス息子よ」

「もしテメェが『前世の記憶がある』女の子に、『前世で貴方の事が好きだった』といわれて『だから付き合って』と言われたらどうする?」

「む? おーい麻美(あさみ)、三郎がおかしくなったぞ」

「あら~、ついに? どんな三郎でもお母さんみすてないからね~」

 秋山麻美、かなりのおっとりオーラをだす俺の母親(天然)は俺の額に手を当てながら言った。ってかどっからでてきたんだ?

「で? どうする?」

「ん? うーむ、明日の夜じっくり寝て考えてやろう」

 考える気ないな、このクソ親父。まぁ、父親秋山秀作(しゅうさく)の反応は正しいと言える部類だろう。

「まぁ、いいや。母さん邪魔」

「あう~、秀ちゃん。三郎がグレた~」

「グズか!?バカ息子が!麻美を泣かすものは例え息子といえども、ゆるさん!!」

 泣きまねじゃねぇか、よくみろよ。俺は無視して洗面所へ向かう。今日もうちの家族は元気だ。

 そもそも、あいつが好きなのは俺じゃなくて、ルーチェとか言う俺の前世だろう。なのになぜあの後付き合ってなどと言ったのだろうか。分からない。考えるのも飽きたし後で本人に尋ねるとしよう。

 そんな事を考えながら顔を洗い、着替えた後母さんが用意してくれた朝飯を食べる。その時家のチャイムが鳴った。

「む? 夕陽ちゃんが来るには少し早くないか?」

「口に物を入れて喋んじゃねぇよ。ってか夕陽が朝来る事に疑問はないのか?」

「なぜこんなむさいのの為に来るのかねぇ!」

「語尾を強めんな。ってか疑問が腹立つ」

「はいはい~いまでますよ~」

 母さんがトテトテと玄関へ向かう。どうせ夕陽だろう。そう思っていたのだが。

「あらあら~? えっとぉ?」

 母さんの困った声が聞こえてきた。

「どうした麻美? むゎさか、いやらしい訪問販売なのか!? 麻美いいぃぃぃぃぃ!!」

「・・・んな訳ねぇだろ」

 バカが走って行ったあと呟くと、なぜかくるりとターンしてこっちに走ってきた。家の中で無暗に走んな。

「おい! サブ!」

「息子の名前を中途半端に略すな」

「『一人っ子なのに』三郎」

「うるせえ! テメェらが付けたんじゃねぇか」

「あの可愛い子は、誰だ?」

「はぁ? 夕陽じゃねぇのか?」

「夕陽ちゃんも可愛い。がジャンルの違う可愛さと言うのか? 夕陽ちゃんが『活発な感じの姉貴分』ならあの子は『無口無表情気味の近寄りがたい感じ』なんだ!」

「まったく分からんが、誰かは分かったよ」

 俺の知り合いにそんな空気の持ち主はあいつだけだ。

「誰なんだああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「近所迷惑だ、黙れ」

「ぶふぅ!」

 俺は朝から叫ぶ親父をぶん殴る。親父はそのまま沈黙、撃沈した。スッキリした俺は、玄関へと向かう。

「あらあら~三郎の彼女さん?」

「・・・違う、少なくとも今はまだ違う。母さんはあっちで親父の看病」

「は~い」

 大変素直な母親でよろしい。さて、

「おはよう。三郎」

「おはよう、たに・・・」

 谷河と言おうとしたら、谷河の頬が片方膨らんだ。ほとんど表情は変わっていないが、目が甘えん坊のものになっている。

「由紀」

「んあ?」

「由紀って呼んでほしい」

「いや、でもなぁ」

「据え膳を食わん男は男にあらず!食うんだサブらばぁ!」

 親父がなんか叫んでいたので靴ベラを投げておいた。声から察するにいい感じに当たったようだ。

「わかった。おはよう由紀」

 由紀の顔が赤くなる様子は凄く可愛かった。

「ところで、由紀。お前が好きなのはルーチェであって、俺ではないんじゃないのか?」

 俺は親に聞こえない程度の小声でたずねる。

「・・・じゃあ、一昨日、黒子から助けられた時一目惚れしました。付き合ってください。」

「じゃあって何よ。はぁ、昨日寝ずに悩んだ俺はいったい」

「まぁ、元気出せ。細かい事は気にしたらダメ」

 誰の所せいだ、誰の。昨夜の事が馬鹿らしくなった。そして俺の疑問は解決されなかった。

 ま、付き合う云々は別として、もし付き合っても嫌になったら別れると言う手段があるし気にすることもないか。そう結論付けたタイミングで、夕陽が現れた。

「おはようございまー、ってあれ? 由紀ちゃん?」

「? 三枝先輩? なぜここに?」

「いや、それこっちのセリフだし。どうしちゃったの? 由紀ちゃんちって学校挟んで正反対の方じゃなかった?」

 はい? 学校挟んで正反対? そうなるとかなりの距離があるはずだ。なぜ夕陽が由紀の家を知っているのかと言う事は、このさい気にしない。と言う事はコイツは俺に会うためだけにここまで来たのだろうか?

「ボクはお迎え」

「ふえ? サブローの? なんでまた」

「1秒でも早く愛おしい人に会いたかったから」

「ああ、なるほど。愛おしい・・・ひ?」

 夕陽は訳が分からないという顔で俺と由紀を交互に見る。

「あー、サブ」

「幼馴染の弟分の名前を中途半端に略すな」

「『一人っ子なのに』三郎」

「うるせえ! ちょっと気にしてんだよ! ってかこのやり取りもう親父とやったよ!」

「由紀ちゃんとつきあってんの?」

「人のツッコミきけよ! ったく。まだだよ。ついでだ返事しとく。まだお前の事よくわからんから、しばらくつるんでからから決める」

「? とりあえず断られてないから良しとする」

 いいのか?

「「うわ! へタレ!」」

 後ろの親父と前の夕陽の声が綺麗にハモった。イラついたので親父に革靴を投げつけておいた。音と母さんの「あらあら~顔に綺麗な跡が」と言う声からクリーンヒットだった事がうかがえる。

「まぁ、私が口出しする事じゃないわね」

「あら~? 本当にいいの?」

「な、何を言ってるんですか? 麻美さん」

「ふふふ~。さぁ?何の事だか」

「おい、由紀、夕陽そろそろ行くぞ。それから由紀、明日は普通に学校へ行ってくれ。こっちまで来るなよ」

「ぶー」

「ぶーじゃねぇ」

「ちょっとおいてくな!」

 こうしてなんか新しい日々の幕が開けた。

これからもがんばります。精進します。こんな作品につきあってくれる方々、まだまだ絶賛募集中です。これからもどうぞよろしくお願いします。

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